新編 百花譜百選 (岩波文庫 緑 53-3)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003105337

作品紹介・あらすじ

医師で詩人・作家の木下杢太郎(一八八五‐一九四五)がその最晩年、灯火管制下に夜ごと続けた、自己との出会いとしての仕事。草木や花の生命を描く折枝画には、酷しい時局や自らの病状を記した寸鉄の字句も添えられる。百枚を厳選して贈る記念版アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 何だかとても清廉な印象を受ける。
    戦争、病気、極限の状態の中でふとした植物に目を留め、描き留めて。絵ももちろん美しいのだけれど、努めて日々を粛々と過ごそうとする姿にも心惹かれた。

  • ★心にも亦四季が有る。(p.14)

    ■要点■
    (1)木下杢太郎が描いた博物画っぽい端整な描き方の植物画が百枚選ばれたここちよい本です。
    (2)こういうのも趣味というか息抜きとしてはええもんやなあと自分でも描いてみたくなりました。わりと濃いめの色づかい。まあ、はなやかな人でしたからね。もう少し淡いのが個人的な好みかも。
    (3)馴染み深い植物も多いけどよく名前を知ってるなあと感心しました。植物園にはよく行ってはったみたいやけど同定もできたんやろか?

    ■取り上げられた植物■

    満作、海棠、連翹、椿、染井吉野、八重山吹、花韮、雀の帷子、雀の豌豆、牡丹、鉄線、胡蝶花(しゃが)、小昼顔、木斛、行平竹(なりひらだけ)、青菅、隠れ蓑、源平臭木(げんぺいくさぎ)、七変化(ランタナ)、ほそばときはさんざし(ピラカンサ)、柘榴、夏茱萸(なつぐみ)、梔子、紫犬児(むらさきえのころ)、血止草、野甘草、河原撫子、白粉花、大待宵草、合歓の木、牛蒡、銀杏、飯桐(いいぎり)、葉錦(カラジウム)、百日紅、烏瓜、枸杞(くこ)、紫蘇、まつばうど=おらんだきじかくし(アスパラガス)、落羽松(らくうしょう)、吾亦紅(われもこう)、山鳥兜、杉苔、こあかみごけ、山漆、柊木犀、肥沃檜葉、茶、ゆづりは、葛(つた)、山茱萸(さんしゅゆ)、志茂つけ(しもつけ)、南天、木瓜、青木、梅、絹柳、雪柳、辛夷、菫ほか、杜松(ねず)、白松(はくしょう)、大紫=琉球躑躅、御柳(ぎょりゅう)、薔薇、花蘇芳、橙、ゆすらうめ、姫女苑、楓(ふう)=もみじばすずかけのき、(次から描かれている紙が変わる)、芝、栗南瓜、柔杉(あやすぎ)、鳳仙花、金葎(かなむぐら)、胡瓜、朝顔、茄子、彼岸花、朮(おけら)、藪豆、葉鶏頭、莢蒾(がまずみ)、風草、稲、鵯上戸、サフラン、赤四手=いぬしで、山葵、姫踊子草、木蓮、郁子(むべ)、風車、浜茄子、マロニエ、泰山木、杜若、雪の下、忍冬(すいかずら)、山百合。

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著者プロフィール

1920年京都市生まれ。東京帝国大学文学部美学美術史学科卒業。京都帝国大学、九州大学教授、東京大学教授、国立西洋美術館館長を歴任。東京大学名誉教授。デューラーおよび北方ルネサンス研究を専門とする。著書に『デューラー 人と作品』、『日本の美術と世界の美術』、シリーズ「岩波美術館」などがある。2010年逝去。

「2019年 『西洋音楽史を聴く バロック・クラシック・ロマン派の本質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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