卍(まんじ) (岩波文庫 緑 55-4)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003105542

作品紹介・あらすじ

柿内園子は天王寺の技芸学校で徳光光子と知りあい、二人はやがて激しい同性愛におちいる。そして、ある事件を契機に夫の柿内も光子と…。上方言葉による女性の独白というスタイルで、女性心理の微妙な陰翳を写しとったこの長篇は、同性愛に託して人間存在の不安定性を見事に描き出している。

感想・レビュー・書評

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  • すごく濃くて、最後苦しい。
    最初に、亡くなってると買いてたけど、最後そうなるとは思わなかった。

  • 谷崎潤一郎の小説はホンマにどれもこれも面白い!この作品は関西弁による語りで構成されてるんやけど、なんか関西弁が美しく感じるから不思議や。絶世の美女光子と、園子夫人による禁断の愛。そんな彼女たちを取り巻く人間模様。主人公は西宮在住で親近感持てた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/686834

  • これ谷崎潤一郎(作中の「先生」)が匿名の女性(「柿内園子」)からきいて文にしたんとちゃうか思うくらい生々しいが、多少のネタはあったとしてもここまで創作で書いたんやとしたら、人の想像力の範疇超えててちょっと怖い。書けいわれて誰でも思いつくようなもんとちゃうのは言わずもがな、頑張って脳味噌しぼってもここまでのもんはよう書かん。
    綿貫栄次郎の性格は本人の不幸な病気の所為であり、関わり合いたくはないが、同情はできる。徳光光子の性格は人間誰しも持ち得る自尊心や優越感が振り切れた、暴走した状態であり、これもまだ理解できる。問題は柿内園子。狂人としか思えん。とりわけ序盤のシーツ口で引き裂く場面はゾッとした。有閑階級は時間と金があるだけに成功も失敗も極端。

  • これは同性愛や、後書きにもあるように変態性欲を扱った物語。同性愛に関しては、例え同性でも、本人にとってとても魅力的であったり、憧れを抱いたりする人であれば、それが恋に変わるような感覚(あるいは恋みたいな感覚)に変化することには共感できるところがある。

    この小説に出てくるような魅惑的な美人、超美人には変わった人が多いのかもしれない。

    また、印象として、関西弁、大阪弁?が非常にきれいに思えた。柔らかい言い回し。女性がこの大阪言葉を話すと標準語よりも色っぽいと思う。

  • 終盤が、苦しい。苦しい。

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著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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