幼少時代 (岩波文庫)

著者 :
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003105559

作品紹介・あらすじ

江戸の面影を残す明治中期の東京下町に生まれ育った谷崎潤一郎が、生い立ちから小学校卒業までの暮らしを愛着をこめて描き出した回想記。団十郎や菊五郎の芝居見物、少年の日の読書など、谷崎文学を読み解く話がいっぱいつまっている。「私の「幼少時代」について」を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 谷崎の尋常小学校入学から高等小学校卒業まで、明治22年頃から明治34年頃のまだ江戸の名残をとどめていた日本橋界隈の庶民の暮らし、小学校の授業、母親に連れられて観た歌舞伎やお神楽などの思い出を昭和30年、数え歳70歳の時に書いたもので、関東大震災の後、復興した東京はかつての面影はなく、記録を調べたり、知人に話を聞いたりして再現したという。三つ子の魂百までというが谷崎も少年時代までの環境が谷崎を作ったのだと語っている。谷崎文学を理解するだけでなく明治中頃までの東京下町の風俗を知る資料としても優れている。

    母恋しの谷崎だが近所でも評判だったという美しい母の思い出を読むと『母を恋いうる記』を再読したくなる。また「思うに祖父はフェミニストであったに違いなく、私に女性崇拝の傾向があるのは胚胎するところが遠いのであろう。」と語り、また文学については小学校の教師であった稲葉清吉先生の手引きによるところが大きく、流麗な文章の秘密は「古人のさまざまな著作から秀句を抜粋して書き取ったり、それらを用いて新たな文章を作ったりした時期があった」ことにあるという。所々にある墨絵が味わい深く、とても興味深く読み終えた。

  • 版元の企画によりPOPを書くことになり、読み始める。
    文禄堂、ですか。

  • 金沢などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1886年東京生まれ。東京帝国大学国文科中退。1920年。第二次「新思潮」を創刊、「痴人の愛」「刺青」「麒麟」を発表。1960年に文化勲章受賞。1965年7月没。

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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