谷崎潤一郎随筆集 (岩波文庫 緑 55-7)

著者 :
制作 : 篠田 一士 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 157
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003105573

感想・レビュー・書評

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  • 完成されたその世界を構築するにあたる基本理念を確認

    陰影礼賛を読みたくて。陰影礼賛を読むのであれば、中公のものを読むか、もしくはこちらか。中公の方が表紙を見て一目でわかるな、と思います。

    ただ、私の家には岩波の「「いき」の構造」があり、本棚の中の「日本や日本人の考察」エリアに属するとなると岩波で揃っている方がビジュアルバランス的には好ましい。

    ということで岩波版に致しました。

    まあ「菊と刀」の岩波版が無いので別に岩波にこだわらなくても良いということに気付きましたが。

    陰影礼賛のラストにあるこの決意表明が印象深かったです。

    私は、われわれが既に失いつつある陰影の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。
    文学という殿堂ののきを深くし、壁を暗くし、見え過ぎるものを闇に押し込め、無用の室内装飾を剝ぎ取ってみたい。

    この思いをもって、数々の作品を書き上げたことでしょう。

    前後して、刺青を読み返したこともあり、短い文章の中で完成された世界観、その世界を構築するにあたる基本理念を確認することができたな、という気持ちです。

    既に洋風建築で作られた私の部屋で陰影を楽しむには、やはり間接照明を導入し、部屋の隅々まで煌々と灯りの力が届かないように操作すること。

    その中で、漆器でお味噌汁を飲みたいな、という気持ちにさせられてしまいますね。

    イメージはできつつある、自分の求めるくらしのイメージ。
    くらし系の本をこれから数冊読もうと思っています。
    このイメージを具現化していく手段のヒントがつかめるといいな。

  • 売ってたようなので買い直した

  • 陰翳礼賛は日本文化についての批評。
    大阪について,恋愛についてと文人の感性を堪能できる随筆集。

  • 懶惰の説に共感。決して怠け者でない作者が怠け者を礼賛する。

  • 谷崎潤一郎は美文の誉れ高い文人、ってイメージがすっごく強いんですがどこでの刷り込みだろう。

    陰翳礼讃のためにかりてきた。
    中庸な人だなと思った。日本にも入れ込みすぎず、かといって昔の随筆にありがちなヨーロッパバンザイ的な面もない。ただヨーロッパ式を取り入れなくちゃ不便っていうので日本がちょっと損してるね、とうは言ってる。

    「大阪~」
    もバランスがとれてると思った。

    やっぱりこの時代あたりの文章って好きだなーかっこいい!雅致


    一回「ふるさと」の内容にそって散歩したいわ、蛎殻町っていったら半蔵門線でいける!水天宮前ですかね。


    「門」を評す
    懶惰の話
    恋愛及び式場
    「つゆのあとさき」を読む
    私の見た巨さk及び大阪人
    陰翳礼讃
    いわゆるちほの芸術について
    ふるさと
    文壇昔話
    幼少時代の食べ物の思い出
    「越前竹人形」を読む


    陰翳礼讃のために

  •  「私のみた大阪及び大阪人」がいいです。いまは新幹線で日帰りになってしまって距離感も少なくなってしまった。風情というか比較の愉しみも少なくなった。

     さすが文豪。冴えわたっています。

     そうか。大阪弁には確かに「てにをは」が無いな。

  • 高校時代に仲の良かった先生から『陰影礼賛』を薦められ購入。
    そのタイトルからして題名はメタファー的なものであり、小説的な内容なのだろうなと考え、しかしながらでは何故「随筆集」に収録されているのかと訝しげに思っていたのですが、実際に読んでみるとそのまま「陰影」を「礼賛」していました。

    自分の熱い思いを述べるのはいいのですが、その対象が陰影であるため、「えっ、この人馬鹿なの?」という失笑が次第に爆笑になっていきました。
    別に薄暗いのとかが好きではない人にもお勧めです。

  • 陰翳礼讃。トトロの「まっくろくろすけ」は、谷崎潤一郎が生み出したものだと信じています。

  • いつもの調子の谷崎。つまりエロじじい。

  • 耽美派のイメージが強いけれど、この人の文章は本当に美しい

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著者プロフィール

1886年東京生まれ。東京帝国大学国文科中退。1920年。第二次「新思潮」を創刊、「痴人の愛」「刺青」「麒麟」を発表。1960年に文化勲章受賞。1965年7月没。

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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