萩原朔太郎詩集 (岩波文庫 緑 62-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003106211

作品紹介・あらすじ

「詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである」といい、ひたすら感情の世界を彷徨しつづけた萩原朔太郎は、言葉そのもののいのちを把握した詩人として、日本の近代詩史上、無二の詩人である。代表作『月に吠える』『青猫』等より創作年次順に編まれた本詩集は、朔太郎(1886‐1942)の軌跡と特質をあますところなくつたえる。

感想・レビュー・書評

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  • 純情と陰惨

    いじらしくて、人間、という感じがする。上手く生きられずに吠える。悲しい、人間。
    北原白秋の序文があまりにも親密でもっと掘り下げたくなってしまう。

    かわいくて、不気味で、儚くて、なんて魅力的な人なんだろう。

    詩は慰め。

  • なんという抒情性豊な詩だろうか。魂の揺らぎをかんずる。

  • 全部は読んでいないが、月に吠える 抄が1番印象に残った。その中でも「悲しい月夜」「雲雀の巣」が印象に残った。「さびしい空の月に向って遠白く吠えるふしあわせの犬よ」というフレーズが雰囲気が想像できて感慨深いなぁと思った。もしかしてライトノベル「千歳くんはラムネ瓶のなか」も、この作品に影響を受けているのかなと思った。だって主人公の名前が「朔」だし、月の描写も書かれていたりするから。勘違いだったらすいません笑

  • 端的な感想は、孤独な変態っぽい。「旅情」「竹」「さびしい人格」「虚無の歌」あたりが好き。気持ち悪めの詩も多くて、この人頭おかしいなと思ったり。どこまでいっても寂しくて憂鬱な感じ。(実際に憂鬱って単語が頻繁に出てくる)室生犀星と北原白秋の序文も読めたので満足。

  • 西脇順三郎が、たった1冊だけを持ってイギリスに留学したのが『月に吠える』。そして、同時にそれは日本語での詩の可能性を西脇に悟らせた詩集でもあった。何度目かの再読(これが1番多い)だが、私にとっての日本近代詩ベスト1はやはりこれだ。タイトルは、人間を含めて生きているもののすべてが背負わなければならない、根源的な「生」への不安と怖れとを象徴しているだろう。ここにあるのは、寂しさや愛の渇仰や恐怖や残酷さ、あるいは本質的な孤独といった、およそ負の感情である。「人は一人一人では、いつも永久に、恐ろしい孤独である」。

  • 心虚しくして彼の詩の世界に入ってみる

    美しくて、そして孤独だ。

    そんな心の情景が現れてくる。

  • 「竹」、散文詩が好き

  • 本当に大好きな大好きな作品。
    萩原朔太郎は繊細な感性と表現を用いて自分の孤独と影と向き合っていることが伝わる。

    彼の初期の作品である『月に吠える』では醜い、堕落した、不自然なものを人間の本性の反映として捉れられている。敢えて醜悪な対象に孤独な自己を投影し、それを描写するために顔、死体や動物等、様々な隠喩を使用することで病や不安、他者と共有できない絶望という「孤独」の世界観を作り上げている。

    『青猫』では馬や猫という存在を意図的に利用し、それらの影そのものに自身を投影することで苦しみながらも、それでも生きていかざるを得ない「孤独」の変化を描いている。

    つまり、朔太郎は表面的な「一人」ではなく、本質的な、変化する「独り」を理解し、彼が見た「孤独」や「さびしさ」の姿が二作品を通して変わっていったことに、彼の独特な表現を通じて再現することができるのだ。

  • 読みました。自分の心に残る詩がなく、読み手の未熟さを痛感しました。

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB00123391

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著者プロフィール

萩原朔太郎
1886(明治19)年11月1日群馬県前橋市生まれ。父は開業医。旧制前橋中学時代より短歌で活躍。旧制第五、第六高等学校いずれも中退。上京し慶応大学予科に入学するが半年で退学。マンドリン、ギターを愛好し音楽家を志ざす。挫折し前橋に帰郷した1913年、北原白秋主宰の詩歌誌『朱欒』で詩壇デビュー。同誌の新進詩人・室生犀星と生涯にわたる親交を結ぶ。山村暮鳥を加え人魚詩社を結成、機関誌『卓上噴水』を発行。1916年、犀星と詩誌『感情』を創刊。1917年第1詩集『月に吠える』を刊行し、詩壇における地位を確立する。1925年上京し、東京に定住。詩作のみならずアフォリズム、詩論、古典詩歌論、エッセイ、文明評論、小説など多方面で活躍し、詩人批評家の先駆者となった。1942年5月11日没。

「2022年 『詩人はすべて宿命である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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