恩讐の彼方に・忠直卿行状記 他八篇 (岩波文庫)

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  • 岩波書店
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感想 : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003106310

作品紹介・あらすじ

有名な九州耶馬渓、青の洞門の伝説を小説化した『恩讐の彼方に』、封建制下のいわゆる殿様の人間的悲劇を描いた『忠直卿行状記』は、テーマ小説の創始者たる菊池寛の多くの作品中の傑作として知られる。他に『三浦右衛門の最後』『藤十郎の恋』『形』『名君』『蘭学事始』『入れ札』『俊寛』『頚縊り上人』を収める。

感想・レビュー・書評

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  • 千年読書会、今月の課題本となります。

    大分県で語り継がれる“青の洞門”伝説をベースとした、ノベライズ。
    実際に名称は使われておらず、登場人物の名前も違います。

    成り行きで“主殺し”の罪状を負った、了海(市九郎)。
    そのまま逐電し、追いはぎにまで身をやつします。

    罪を重ねていた最中、ふとしたことで自身と向き合った彼は、
    仏門に帰依し、自身の罪と向き合いながら全国行脚に。

    そんな彼が、ふと立ち寄った町の難所(岩壁)を見て、
    湧き上がるように“大誓願”を建てたのが、洞門を掘ること。

    といっても、掘削機器も何もない江戸時代の半ば、
    文字通りに槌一本で事業を始めます、、周囲には狂人扱いされながら。

    1年2年で終わるような事業でもなく、
    結果から言うと、20年以上の月日が流れます。

    その20年の終盤、大願成就も間近かと思われたその時に、
    かつて殺害し逐電した主人の息子、“実之助”があらわれます。

    親の敵として了海を追い求めていた実之助、
    彼もまた大願を果たすために旅を続けていたのですが、、

    了海の大願に取り組む様子を見た実之助は、さて。

    話としてはそんなに長くなく、さらっと読めます。

    実際の逸話をベースに“人の心”を織り込みながら、
    そのうつろいも映し出しながら、、

    罪を消すことはできないが、赦すことはできる。
    “恩讐の彼方に”とは、上手い題名だとあらためて。

    戦前の教科書には“青の洞門”が掲載されていたようですが、
    こういった話は教材に使ってみたいなぁ、なんて一冊でした。

  • 中学校教科書の副読本として進められていました
    青の洞門を作った僧侶の話

  •  先に読んだ池内紀氏の「文学フシギ帖」をきっかけに読んでみようかなと思った菊池寛氏の作品です。
     池内氏が紹介していたのは「入れ札」。本書の8番目に登場します。
     菊池寛氏の作品としては、豊前国耶馬溪にあった青の洞門を舞台にした「恩讐の彼方に」などストーリーを知っているものもありますが、恥ずかしながら菊池寛氏の原作を読むのは初めてです。
     本書に採録されているのは、「恩讐の彼方に」はもちろん、「忠直卿行状記」といった代表作に加え「三浦右衛門の最後」「藤十郎の恋」「形」「名君」「蘭学事始」「入れ札」「俊寛」「頚縊り上人」の10編。私にとっては、どの作品もとても面白かったですね。手垢のついたミステリーを読むぐらいなら、こちらの方が格段にワクワク感があります。

  • 大正8年(1919年)1月に発表された菊池寛の短編小説。
    主人公の市九郎は、主人である中川の愛人と密通していたことがバレて手打ちになりそうとなる。しかし逆に主人を殺してしまい逃げ出す事になる。
    その後、市九郎と一緒に逃げたお弓とともに峠の茶屋を始めるが、実は茶屋に寄った客の懐具合をみて、金持ちならば殺し、その金品を盗む生活を送っていた。ある時そんな生活とお弓に嫌気がさし市九郎は逃げ出す。
    その後、後悔の念から出家し旅にでる。難所の岩場を通過する時、事故で亡くなった人を見、懺悔のために、その岩を掘削してトンネルを掘る決心をする。
    その後、掘削を始めて19年、敵討ちのために旅に出た中川の息子が、とうとう市九郎を見つけ殺そうとする。素直に殺されようとする市九郎であったが、石工たちはこれを止め、トンネルが開通するまで待つこととなる。
    さらに1年6ヶ月が過ぎ去り、とうとうトンネルは開通した。そして殺されようとする市九郎であったが、この時既に、トンネル堀工の仲間となっていた中川の息子は、殺す意思は無くなっており、トンネルが完成した事に一緒に感動し涙を流すのみであった。
    前半は、市九郎の残忍さが強調され、ヒドい人間として描かれる。
    しかし、無心にトンネル掘削を行う彼の姿から応援する気持ちが芽生えてくる。そんな気持ちを代弁するかのように村人達の気持ちを描いている。そしてトンネル完成を共に喜び涙する気持ちに同調できるようになった

  • 「俊寛」を青空文庫で読みました。うーん、なんか練れていない村上春樹の短編という感じ、、、、、俗世の醜さを孤島で悟って幸せになるという、、、大河ドラマもこの話に向かいます。

  • 青空文庫にて『俊寛』のみ読了。

    『俊寛』は鬼界ヶ島に流罪となった俊寛を題材とした小説である。
    俊寛とともに流された康頼、成経が恩赦を得て京へ戻され、ただひとり島に残された彼の人生に焦点を合わせた作品である。

    前半は康頼、成経ともに流された流人としての生活を描く。

    罪人は三人ある。
    三という数字は聖なる数字として捉えられることがある。
    「三種の神器」しかり、「三位一体」しかり。
    しかし、俗人の世界では、三人のうちのふたりが対となり、残るひとりを排除する傾向がある。
    この作品では康頼、成経が対をなし俊寛を排除する。
    流罪仲間からも排除され、孤立を余儀なくされた俊寛のやるせない孤独が描かれる。

    聖なる世界では三は完成され、安定する数である。
    しかし俗の世界では、三は不安定で、他を排除する数である。

    つまり、「三」が安定する世界こそが「聖」であり、それが不安定に揺れる世界が「俗」であると言えようか。


    ともあれ恩赦があって、よく知られたように俊寛のみが取り残されてしまう。

    菊池は鬼界ヶ島の住人を「土人」と表現し、都会人であった俊寛と対比させている。
    もう都会人として生きていく道の断たれた俊寛は、土人として生きていく覚悟を決める。
    そこで糸を垂れて漁り、畝を作って麦を植えて生きていくのである。
    俊寛は麦の種を得るために、最後まで手元に残していた妻の形見の小袖を手放す。
    それは彼が京の暮らしと永訣するために必要な儀式であっただろう。

    こうして土人として生きる彼に、新たな喜びがやってくる。
    島の娘との婚姻である。
    「牝鹿のようにしなやかな身体」をもつ、16,7歳の娘である。

    さて、ここからは都会生活に倦む男のロマンのお話である。
    この娘の登場から、私のこの作品に対する興味は一気に失せたと正直に書いておこう。

    俊寛は娘との間に5人の子供をもうけ、土人としての幸せな生活を全うする。
    かつて侍童であった有王が尋ねてきても、自分は死んだと言ってくれと頼むばかりである。
    それはそうだろう。
    彼のもとには若い妻と、可愛い盛りの子供達がいるのだから。

    翻って京には、老いた妻と娘が残されている。
    罪人の妻に後添いの話はないだろう。
    罪人の娘に結婚の話はないだろう。
    妻も娘も、尼になって俊寛の後生を祈るしか生きる道はないはずだ。

    妻と娘は命ある限り俊寛の為に祈りを捧げ続ける。
    俊寛は昼は幼子に頬ずりをし、夜ごとに若い妻を抱く。

    菊池の視線はいったいどこに注がれていたか。
    都会人の儚いロマンである。


    さて、実際の俊寛がどのように後半生を生きたか、その記録はない。
    ただ、喜界島に俊寛の墓と伝承される遺構が残されている。

    人類学者鈴木尚によって、その遺構の発掘が行われた。
    そこに埋葬されている人物は、明らかに島の住人とは違う、都会的な特徴を有しており、その骨には人為的な傷が多数残されていた。(『骨が語る日本史』)
    その傷について鈴木氏はこう推論する。


     【これらの創が皮膚や筋などの軟部を切りとるときのものとみなすとき、その動機はいわゆる儀礼的食人ではなかったかと思われる。(略)食人の風習は、ともすれば考えられやすい残虐の発露とか、あるいは食料を得るために行われることは稀であって、多くは儀礼的、呪術的な目的からである。前者としては死者の親族などが尊敬や親しみの気持から、死者の一部を自らの体内にとり入れ、ときには火葬した灰を酒に混じて飲むのも、この風習と関係があると見なされている。
     また後者は、人間のすべての能力は肉体に宿るという考えから、ある優秀な得難い肉体的、精神的能力に対し、それにあやかる目的から食人が行なわれることがあるが、時には加害者が被害者の霊魂に悩まされることがないように死体の一部を食うこともある。】
    (『骨が語る日本史』)


    つまり、島の「土人」たちは、島にて横死した貴人の死体から肉を削いで食べたと思われるのだ。

    その食人の理由について鈴木氏はさらにこう語る。


      【島において彼を貴人あるいは、有力者とし高い尊敬の念をいだいていたのではないだろうか。そこで島民が貴人の肉体を自分の体内にとり入れることによって少しでもこの人物にあやかろうとしたものではないか。】(『骨が語る日本史』)


    この骨が俊寛のものと考えるなら(この島にいた貴人といえば俊寛しかありえないのだが)、彼は命ある限り貴人として生き、死後もなお貴人としてあったといえよう。


    菊池の描くロマンとは対照的に、実際の俊寛は最後まで貴人として、都会人としてその島に生きたと考えるのが妥当ではないか。

    命の灯火つきるその瞬間まで、都の風物に、残された妻子に思いを馳せ続ける俊寛。
    ともに手を取り、都大路を彷徨いながら、夫の、父の菩提を祈り続ける母子。

    そこに菊池の意図するものとは別の、史実に基づく詩情が息づいている。
    どちらに強く心を動かされるか、それはいうまでもない。

  • 前近代の日本人の精神、心持ちをちょっとした出来事からうまく引き出している。
    それが不思議と、色褪せず、心に響くのは、普遍性ある人生の在り様にフォーカスしているからだろう。

    そのテーマは、永続性、普遍性のある、間違いなく物質的なものではなく、芯となる精神的な価値観だと思う。
    それは、大正、昭和と近代国家として日本が変わりゆく中で、置き去りになるような価値観であったのだろうし、現在でも、同じ意義を持って受け止めることができる。

    ストーリーの展開も、捻ることなく(ドラマティックではなく)、ストレートなところが却って、安堵感があって心地よい。

    あとがきより
    ・「芸術のためにだったら、私は一行も文章を書かなかっただろう」というショーの言葉を、そのまま彼は自分の信条としていた。人生のための文学しか彼の意中になかった。

    ・菊池は、小説にはテーマ(主題)がなければならないことを主張した作家である。

    ・「芸術のみに隠れて、人生に呼びかけない作家は、象牙の塔に隠れて銀の笛を吹いているようなものだ」

  • 「恩讐の彼方に」
    よくよく考えたら登場人物全員狂ってる〜
    狂気の沙汰ではない。

  • 芥川龍之介と共に「新思潮」を創刊し、活躍したことで文壇上、新思潮派(新現実主義)と位置づけられる、菊池寛の短編集。
    氏の代表作である、「恩讐の彼方に」を読むため購入しました。
    菊池寛は文学者というより、私的には大映の社長であり、文藝春秋の社長という実業家のイメージの方が強いです。
    そのため、正直なところ小説のおもしろさという意味ではあまり期待をせず読み始めましたが、どれも凄く面白く、印象に強く残る作品だらけで驚きました。
    本書の収録作はすべて、初期芥川のような説話や歴史物に拠って書かれた作品となっていますが、氏は「真珠夫人」のような大衆文学も書いているのでそちらも読んでみたいです。

    収録作の各話の感想は以下の通りです。

    ・三浦右衛門の最後 ...
    主人公は今川氏の家臣で戦国武将の三浦右衛門佐義鎮。
    甲陽軍鑑などからの創作で、武田信玄の駿河侵攻より逃れた三浦右衛門がどうにかこうにか高天神城に逃れるも捕らえられ、悲惨な最後を遂げる物語となっています。
    凛々しく勇猛な武将が、子供達からリンチにあい、落人に助けを請い、更には拷問にあいながら情けなく命乞いを繰り返す展開で、我々のイメージする戦国武将は、実のところただの人間に過ぎない。
    生きることに執着することの浅ましさが描かれる一方で、それの何が悪いのかという思いの対比が感じられる作品だと思いました。

    ・忠直卿行状記 ...
    菊池寛が文学者として地位を確立したきっかけとなった作品として有名です。
    暴君として有名な福井藩の大名・松平忠直を主人公にした作品です。
    ただ、"石の俎"に代表される残酷な振る舞いは中国の故事を元に後世つけられたということが言われていて、本作もIFの歴史小説と読むべきと思います。
    大阪夏の陣で武勲をあげ、武芸も囲碁将棋においても無双を誇る松平忠直が、なぜ暴君になったのかが書かれていて、短編ですが読み物として面白い内容でした。

    ・恩讐の彼方に ...
    菊池寛の代表作。
    豊前国の難所に、一人の僧によって掘られた"青の洞門"を下敷きにした物語で、主人公はトンネルを掘り進める僧・了海です。
    実際に青の洞門を掘削した僧・禅海の史実を元にしていますが、内容はあくまでも創作となっています。
    菊池寛の短編はどれも読み始めはとっつきにくいですが読み始めるととても面白く、すいすいと読めます。
    本作もそういう作品の一つで、本書収録作では比較的長いですが、非常に読みやすく、最後は感動できます。
    是非、おすすめしたい作品です。

    ・藤十郎の恋 ...
    江戸時代の歌舞伎役者・初代 坂田藤十郎が主人公です。
    歌舞伎役者として真剣だが自身の成長に限界を感じた藤十郎が、関東の中村七三郎に勝つため、近松門左衛門に描き与えられた新作の狂言で与えられた役は、道ならぬ恋に迷う男の役だった。
    その役を演じ切る自身が持てない藤十郎は、それを全うするために恐ろしい行動に出るという展開です。
    正直、凄まじい話だと思います。
    全ては芸のため、人はどこまでできるのかというある意味で本質を描いた作品と思いました。

    ・形 ...
    3ページ程度の超短編作品です。
    武将・松山重治の家臣で槍の名手・中村新兵衛を主人公にした小説。
    創作ではなく、常山紀談の逸話の一つを元にした作品のようです。
    身につけている陣羽織と兜を見ただけで恐れおののくほどの存在だったので、その武勲肖りたい若武者と武具を交換するのだが、という展開で、タイトルの意味が教訓として強く伝わってくる内容でした。

    ・名君 ...
    5ページほどの短編。
    こちらの主人公は徳川家14代将軍・徳川家茂の幼少期。元ネタは「幕末小史」史書より。
    普通におもしろい話でした。
    同級生の女の子の失敗をごまかすため乱暴者が一芝居打つテンプレのような展開なのですが、こんな時代からあったのかと、そういう意味で驚きました。(女の子ではなくおじいちゃんですが)

    ・蘭学事始 ...
    「ターヘル・アナトミア」を訳し、「解体新書」を記した前野良沢と杉田玄白の物語。
    本短編集はいろんな時代のいろんな人の話が収録されていて、話を読み始めるたびに次は誰の話なのかわくわくしますね。
    物事の考え方、捕らえ方が違う2人が、どうして一緒に、当時解読が全くされていなかったオランダの書を読み解くことになったのか、その経緯が描かれています。
    距離を起きながらも気にしている関係の2人が、手を取り合う展開は、少年漫画のそれのようでとても楽しい展開でした。

    ・入れ札 ...
    江戸末期の侠客・国定忠治が悪代官を討ち、赤城山中に逃れた後、信州へ逃亡します。
    だが、すべての子分を連れて行くわけにも行かず、3人に絞ることとなった。
    本作の主役は国定忠治の子分の一人・九郎助で、己の沽券もあり忠治に連れて行ってもらいたいと思うが、その選定方法を忠治は悩んでおり、という展開です。
    本作は全くの創作なのか、元ネタがあるのかわからなかったです。
    そもそも国定忠治をちゃんと見たことも読んだこともないので、そのうち触れてみたいと思っています。
    作品としては、なんというか、やるせないストーリーでした。
    恨み言はあるが、ぶつけるわけにもいかない九郎助のやり場のない怒り、無念、そういう感情が伝わってくる作品です。

    ・俊寛 ...
    西光らと共に平氏打倒の企てに加わっていたため鬼界ヶ島という離島に島流しにされた俊寛、成経、康頼の3人。
    望郷の念に苛まれる3人だったが、ある日、恩赦の船が島にやってくる。
    換気に湧く3人だったが、首謀者とされた俊寛は赦されず、船は成経と康頼のみを乗せて去ってゆく。
    平家物語に書かれた俊寛に関する説話が元になった作品で、平家物語では、島に残された俊寛は死を決意して食を断ち自害したとあるのですが、島に残された俊寛のその後が書かれた作品となってます。
    暗く絶望的な状況から始まるのですが、すごく爽快でスッキリした内容でした。
    名著と思います。本書の中では「恩讐の彼方に」の次に好きな作品です。

    ・首縊り上人 ...
    寂真法師という上人は、ある日、馴染みの稚児に先立たた悲しみあまりに三七日間無言し、その後、首を縊って往生することを企てる。
    一人でそれを実行しようとするが決心を揺るがせなくするため、小原の僧正に告げると、またたく間に人口に膾炙し、そのありがたい行いにあやかろうと毎日大勢の人が押し寄せるようになる。
    その人々の様子が、自分を死なせようとしているように感じ、また現世に未練を抱いた上人は、その日が来るのが恐ろしくなってしまうという展開。
    世にも奇妙な物語のような内容でした。ラストはちょっとすっきりしない展開です。
    また、本作は文章が文語調で少し読みにくい感じがありました。
    ただ、難解という程ではなく、普通に面白く読めました。

  • 2020年1月19日に紹介されました!

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著者プロフィール

菊池寛

一八八八年(明治二十一)香川県生まれ。本名・寛(ひろし)。第一高等学校を中退後、京都帝国大学英文科に入学。芥川龍之介、久米正雄らと第三次、第四次『新思潮』に参加。京大を卒業後、時事新報社に勤務するかたわら小説を発表、『無名作家の日記』『忠直卿行状記』『恩讐の彼方に』などで世評を得る。一九二〇年(大正九)に発表した『真珠夫人』が成功をおさめ、以後、約五十篇に及ぶ通俗小説を発表。その他の小説・戯曲に『父帰る』『藤十郎の恋』『蘭学事始』『入れ札』などがある。雑誌『文藝春秋』の創刊、文藝家協会の設立、芥川賞・直木賞の創設、映画事業への参画など、多方面に活躍した。一九四八年(昭和二十三)死去。

「2021年 『受難華』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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