無名作家の日記 他九篇 (岩波文庫 緑63-2)

  • 岩波書店 (1963年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (214ページ) / ISBN・EAN: 9784003106327

みんなの感想まとめ

人間の本質や感情を深く掘り下げた作品が揃っており、読者に強い印象を与えます。表題作を含む十篇は、売れない作家の嫉妬や死刑制度に対する遺族の視点、心中事件の検事の考察、幼い子を失った母の思い、大衆の無関...

感想・レビュー・書評

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  • どの短編も面白かった。なんだか分からないけど物語に引き込まれていく感じがしてドンドン読んでいけてしまった。『身投げ救助業』『死者を嗤ふ』『慎ましき配偶』『無名作家の日記』などが気に入った(笑)前に時代小説集の方も読んだけど菊池寛とは相性が良いようだ(笑)もっと読んでみたいな~(笑)

  • 3冊目。文句なしの★5
    どの作品も人間とは何か考えさせられるものでそこが魅力。売れない作家の嫉妬の表題作、遺族から見た死刑制度や、検事から見た島原の心中事件、幼い子を失った母の目線、水死体を見物する大衆など10篇。

  • 久しぶりに大家の作品を読んだ(o^^o)いいなぁ、やっぱりこの世界観。じんわり人間の感情を炙り出していく感じが、とてもよい。わざとらしい取って付けたような出来事も、押し付けがましい感情の押し売りも無く、読んでいるだけで「わかるわ、その気持ち」と納得してしまう。人間の営みなんて、どんなに時を経てもその本質的なものは変わることが無いのだ。
    これを機に、近代文学の作品をまた読んでみようと思う。

  • 『身投げ救助業』
    京都の川沿いに住む老婆。川に身を投げる男を助け警察から礼金を受け取る。それに味をしめて人を助けるようになるが・・・。助けた人びとに感謝されない老婆。彼女の娘が彼女の金を持って駆け落ちしてしまい・・・。

    『ゼラール中尉』
    ベルギーとの国境の要塞のゼラール中尉。人間はいいはずが友人ができない。新任のガスコアン大尉と友人になりかけるがゼラール中尉の我の強さに徐々に距離ができる2人。ドイツの侵攻ルートをめぐる対立。

    『大島が出来る話』
    譲吉が世話になった近藤夫人。彼女の世話で妻を迎える。良家の娘の妻は譲吉に大島紬でできた背広を購入してもらいたいが金がたまらない。子供もできて落ち着いた2人。近藤夫人の急な死。

    『死者を嗤ふ』
    江戸川にあがった水死体。水死体を見物する人々の様子。引き上げる人間の様子。水死体が川に落ちるたびに起きる笑い。

    『無名作家の日記』
    作家を目指す「俺」。東京の仲間たちから離れ京都で執筆活動を行う。認められない彼の作品。東京の仲間たちが出版した同人誌の良い評判に対する嫉妬。彼の周囲の人々の低評価を聞き慰められるが世間での高評価に嫉妬は増大する。

    『ある抗議書』
    姉夫婦を惨殺された男が司法大臣に出した抗議書。事件の内容と逮捕された犯人が死刑を前にキリスト教に改宗し満たされて刑の執行に当たった事に対する不満。

    『勝負事』
    幼いころから勝負事を禁止された「私」。家は貧しく修学旅行に行く金もない状況。昔は栄えた一家が貧家になった原因。祖父の賭け事狂い。零落れた祖父が畑仕事の合間に勝負事をしていた相手。

    『島原心中』
    島原で心中した男女。女は死ぬが生き残った男。男を取り調べる検事。自殺ほう助を立証しようと男を導く検事。自殺ほう助につながる証言を取れたが・・・。女の遺体を見聞した検事の心境。女の悲惨な人生。元締めが抜き取った指輪を買い取る検事の行動。

    『慎ましい配偶』
    容貌に恵まれない澄子。彼女の愛情を注ぎながらやはり美しい妹たちを先に嫁にやってしまう両親。彼女のもたれされた縁談。

    『愛兒不死』
    3人しか男児がいないはずなの家族。皆が男児は4人いると答える。誰も座らない食卓の席。幼いころに死んだ長男の面影。

  • 『身投げ救助業』『死者をわらう』『愛子不死』がよかった。

  • 短編が10本載ってます。エゴについてのは話から死刑制度についての疑問、死の扱い方、人情話まで盛り沢山です。旧書体を使っているためところどころ読み辛い部分もありますが、その内慣れますし、これを理由にしてこの作品を読まないのは勿体ないのではないかと思います。最初から最後まで、ずっと面白いと思えました。

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著者プロフィール

香川県高松市生まれの小説家・出版人。
京都帝国大学在学中から文学活動を始め、1917年に戯曲『父帰る」で文壇に登場した。
人間の倫理や心理を描く短編で人気を得る一方、1923年に雑誌 文藝春秋を創刊し、日本の出版界に大きな影響を与えた。代表作に『恩の彼方に』『十郎の恋」、歴史書「大衆明治史』などがある。1935年には芥川賞と直木賞を創設し、日本文学の発展に尽くした。
1948年死去。59歳。

「2026年 『菊池寛の明治史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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