- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003107072
感想・レビュー・書評
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蜘蛛の糸:1918年(大正8年)。
エゴイズムを戒める教訓的な話だが、ラストが印象的。普通なら御釈迦様が説教するか、罪人が地獄に逆戻りした所で終わりそうなものだが、御釈迦様が悲しそうな顔をするにとどまる所と、極楽ののどかな描写で終わる所とが芥川らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芥川さんてこんな作品を書く方だったんだ…と衝撃がすごい(x_x)グワーングワーン
『走れメロス』も『羅生門』も正直あまり細かいとこまで覚えていないし、況んやそれについて自分がどう感じたなんてことをば(日本語真似したいけど下手)
『蜘蛛の糸』とか『犬と笛』とかは私が持っていた芥さん(芥川さんより芥さんと呼びたい)の割りとイメージ通りだったけど、『蜜柑』とか『トロッコ』はこんなにも鮮やかな言葉で心象風景を描けるなんて…と感動した。この二編特に好き。人生で蜜柑みたいな瞬間、ずっと待ってるというかそんな瞬間があるから何とか生きてる、な自分。
『猿かに合戦』の「きみ達も大抵蟹なんですよ」良いですね。ドキリとしました。私は蟹です。 -
子供向けとして書かれた作品を編輯したもので、正直に言うと、読んでいてあまり面白くない作品が多かった。同じ芥川作品でも羅生門とか鼻、あとは手巾なんかは純粋に気に入ったのだが。ただ、「父」は父親の立ち姿が印象的だし、「杜子春」は出典を高校の漢文の教科書で知ってることも相まってか結末にハッとさせられた。
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白と杜子春と蜜柑が特に印象深い。
今あるものと感謝の気持ちを忘れずに過ごしたい。忘れやすいけど、だから本を読もうってなるな -
教科書の「羅生門」と、芥川賞の知名度のために、芥川竜之介を遠ざけていたことを口惜しく思った。
皮肉が効いていて、可笑しくて、可愛い。
クスクスときにはドキドキ、ゾワッとする。
解説には、子供向けの作品を選んだと描かれていたけれど、そんなこと関係ないと思う。
個人的には、犬と笛、妖婆、老いたるスサノオノミコト、トロッコ、猿蟹合戦、桃太郎 が好き。お伽噺の毒の効かせ方がゾッとする笑いを誘う。 -
本を読んでいて、「しまった!」と思うことがしばしばある。
しまった、中学・高校の頃に読んでいればもっとガツンと感銘を受けたはずなのに。
この作品もそう。
どの話も非常に面白かった。
さすが芥川。
「トロッコ」の良平、かわいすぎるだろ -
中学の授業で読んで、私が小説を好きになったきっかけの一作。風景と主人公の心情のリンクなど、いちいち「そうなんだ!」と新鮮に感動したことを覚えています。そしてなんとも不穏な結びの文章。今読んでも面白い。今でも芥川が一番好きな作家です。
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やっぱり短編は面白いですね。すっと読めます、すっと。ちょっと苦手な話もすぐに終わりますし。まあ好みの話も終わりが早いんですけどね、それを含めて好きなのかもしれません。私が彼の作品を知ったのは杜子春でした。毎朝5分ほどNHKあたりでやっていたのを記憶しています。それから早10年、『父』を理解できるレベルに成長できました。次の10年ではどこまで理解を深めることができるのやら。
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トロッコ、仙人、杜子春、蜘蛛の糸の順に好き。子供向きのものを集めただけあって全体的に読みやすかった。あくさんの本は正常(日常?)と異常(非日常?)の境が上手い具合にとろけているので読んでるとたまにハッとする。