厭世家の誕生日 他六篇 (岩波文庫 緑 71-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003107140

感想・レビュー・書評

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  • 『厭世家の誕生日』読み出してすぐ楽しくて、私は金のことをウダウダ言う小説が好きなのか、と気付かされた。『侘しすぎる』は例の谷崎とのことですね。

  • 特に起伏激しい話は無く、しかもハッピーエンドとは言えない結末が多い。でも、なぜか先を読まずにはいられなかった。

  • 岩波文庫の復刻版で入手。岩波の別の文庫にも入ってる「西班牙犬の家」がここにも。しかしそれ以外はおもに、私小説っぽいものや誰かの人生の伝聞のような作品が多かった印象。

    中国が舞台の「星」は、淡々としながらも歴史大河もの的な二世代にわたる運命が描かれていて面白かったのだけれど、主人公の行動や思考回路が薄っぺらくてそこはあまり共感できなかった。美人を手に入れるためにとった行動にもっとちゃんと意味があれば良かったのだけれど。

    「一夜の宿」と「旅びと」は語り手がなんだか上から目線であまり好きじゃなかったです。

    わりと気に入ったのは「侘しすぎる」。すでにバツ2、さらに親友の奥さんと不倫して親友も恋人も失ったという、いかにも結婚にむいてなさそうな男(でもなんかモテるっぽい)が、ぐだぐだ自分の生活の駄目さを嘆いたり、やっぱり離婚した弟の元奥さんに会いにいったりするだけの話なんだけれど、そのウジウジ、ウダウダっぷりがだんだん面白くなってきて、意外と好きでした。

    ※収録作品
    「西班牙犬の家」「お絹とその兄弟」「一夜の宿」「星」「旅びと」「侘しすぎる」「厭世家の誕生日」

  • これぞ大正文学!と言った趣の短編集。
    どれも話のスケールは小さいが、上手さで読ませる。
    広津和郎、宇野浩二…などなど、無性に読みたくなる時があります。

  •  
    ── 佐藤 春夫《厭世家の誕生日(他六篇)19281010 岩波文庫》19400110-19900308
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003107144
     
    …… 昨日の思ひ出に僕は詩人であり、今日の生活によって僕は散文を
    書く。── 佐藤 春夫《殉情詩集 1921.... 》
    ── 佐藤 春夫《窓展く 1926 改造社 19631020 集英社 世界短編文学全集 16-382》
     
    ── 佐藤 春夫《現代文豪名作全集18 19531120 河出書房》吉田 精一・編
     佐藤 春夫 詩人・作家 18920409 和歌山 東京 19640506 72 /急死“春日忌”
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BA%B4%C6%A3+%BD%D5%C9%D7
     
    …… 仕事は出鱈目ぢや。金は無駄づかひぢや。安つぽい象牙の塔ぢや。
    命の堂々めぐりぢや。── 佐藤 春夫《厭世家の誕生日》
    ── 谷崎 潤一郎&佐藤 春夫《書簡 19300818 挨拶状/中央公論「全集」》
     
    (20100227)(20160524)
     

    • adlibさん
       描かず、学ばず、考えず ~ 家族と画商と俗物 ~
      http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=875...
       描かず、学ばず、考えず ~ 家族と画商と俗物 ~
      http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20231225
       厭世家の誕生日 ~ Birthday of a Pessimist ~
      2023/12/25
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著者プロフィール

さとう・はるお
1892(明治25年)~ 1964(昭和39年)、日本の小説家、詩人。
中学時代から「明星」「趣味」などに歌を投稿。
中学卒業後、上京して生田長江、堀口大學と交わる。
大正2年、慶応義塾を中退、
大正6年、「西班牙犬の家」「病める薔薇」を発表し、
作家として出発。
「田園の憂鬱」「お絹とその兄弟」「都会の憂鬱」などを
発表する一方、10年には「殉情詩集」、14年「戦線詩集」を刊行。
17年「芬夷行」で菊池寛賞を受賞。23年、芸術院会員となり、
27年「佐藤春夫全詩集」で、29年「晶子曼陀羅」で
それぞれ読売文学賞を受賞し、35年には文化勲章受章。
小説、詩、評論、随筆と幅広く活躍。

「2018年 『奇妙な小話 佐藤春夫 ノンシャラン幻想集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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