- 岩波書店 (2024年3月19日発売)
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感想 : 13件
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Amazon.co.jp ・本 (316ページ) / ISBN・EAN: 9784003107423
作品紹介・あらすじ
嘉村礒多(1897-1933)は、山口県仁保に生れ、夭折した作家。己の業苦の生を懺悔行の如く刻み、文学に結晶させた。小説は「業苦」から「神前結婚」まで8篇、宗教への憧憬、望郷の想いを語った随想6篇、近角常観、安倍能成ら宛の書簡6通を精選。悩み苦しむ者の生きる光源となる同朋の全貌を伝える。
みんなの感想まとめ
テーマは、自己の内面を赤裸々に描くことであり、著者の作品は私小説の極北として位置づけられています。嘉村礒多は、短い生涯の中で、自己の苦悩や倫理観を深く掘り下げ、真摯に表現しました。彼の作品には、宗教的...
感想・レビュー・書評
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私小説の極北、草ぶかき近代文学を分け入った先にある、苔地蔵とでも言おうか。
無の境地に立脚していると、伊藤整が日本の私小説を指摘している通り、著者も真宗の影響を多分に受けているという。
因果を受け入れ、道徳を斥ける。その姿勢は悪人正機を連想させるが、業苦とは、他人にとっては独りよがりの大相撲にしか見えないが、根がピュアな分読ませるものがある。
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私小説ファンにとって嘉村礒多は特別な名前である。明治30年山口県に生まれ、昭和8年36歳で短い生涯を終えた。発表された作品は少ないが、死後90年以上が経ってもこうして作品集が編まれて世に出ている。「私小説の極北」と言われ、近代日本文学史に必ず登場するのがこの作家である。
誠実に、赤裸々に自己を描く。時に露悪的になることも厭わず、愚直なまでに内面を掘り下げることが、文学者の目指すべきところだという信念がかつて存在した。その信念は時に宗教的な高みに達する。嘉村の文学はその好個な例である。
このたび「業苦」と「崖の下」を再読した。また、彼が師と仰ぐ安倍能成、近角常観宛の書簡を初めて読んだ。嘉村の倫理観の核には仏教的な求道精神があることがわかった。 -
私小説が好きなので、刺さりそうな気がしていたのだが意外にもそこまで。いやーな気持ちになり、妻や子どもを大事にしようと思える。
随筆や手紙は全くついていけず、解説から入った方が読み甲斐はあったのかも。 -
自己憐憫は醜怪だがここまで突き抜けたら別な景色。つぶさに人間のこころ、その光と影を見つめ続けるのはつらい。それでも安易な叙情に流れぬ礒多の生き様には居住まいただされる。人間だ。捻くれ者だった祖父の若い頃の写真に似ているから読み始めたジャケ買いだった。今はもう完全に失われた同人を何遍も思い出した。
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これぞ、ザ私小説の文体、描写。
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/713840
嘉村礒多の作品
