銀河鉄道の夜 他十四篇 (岩波文庫 緑76-3)

著者 :
制作 : 谷川徹三 編 
  • 岩波書店
3.90
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本棚登録 : 794
感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003107638

作品紹介・あらすじ

宮沢賢治(1896‐1933)の童話はその詩とともにきわめて特異なものである。「あなたのすきとおったほんとうのたべもの」になることを念じて書かれた心象的なこの童話の一つ一つは、故郷の土と、世界に対する絶えざる新鮮な驚きのなかから生まれたものである。どの1篇もそれぞれに不思議な魅力をたたえた傑作ぞろい。

感想・レビュー・書評

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  • 銀河鉄道の夜;1934年初出(昭和9年)。
    確かに美しく、詩情溢れる物語だとは思う。しかし、自己犠牲を貴ぶ殉教者的なストイックさが、俗物の私とはどうしても相容れない。読んでいて、美しさ以上に苦しさを感じてしまう。みんなの幸せのために自分を犠牲にするのは美しい行為だけれども、できればそこまでする前に、醜くても不様でもいいから、自分も含めてみんなで幸せになる道を探そうよーと思ってしまう。でも、それは明日生きているのが前提の人間だから言えることなのかもしれない。若くして志半ばで不治の病に倒れた人間が、死を受容する過程で書いた作品として読み解かなければ、この物語の真意は理解できないのかもしれない。やっぱり賢治は難しい。

  • ぎ 『銀河鉄道の夜』でブルカニロ博士が出とる。
    『北守将軍と三人兄弟の医者』で、没稿つうか草稿段階では設定があったのに決定稿でカットされた「兵士や人民の外科や衛生に尽力した」プラン・ペラポラン将軍段階でのはソンバーユ―将軍閣下は馬に対してちゃんとカットされた設定に成っとる(他ではなんかする)
     しまったっ。

  • 宮沢賢治の世界では、人は動植物、自然と対話することができる。対話できるのは何か特別な力を持っているからではなく、ごく自然に誰でもできる。
    それが当たり前だから、特別な設定は一切いらない。
    動植物や自然と、本当の意味で共存するとは、こういう世界なのかもしれない。

  • 銀河鉄道の夜、読みました。

    なんだか不思議なお話でした。
    小さな頃、アニメーションで見たことがあり
    そのイメージが浮かんでくるのですが

    文字だから想像できる景色があって…
    すごく綺麗な文章でした。

    物語全体に不思議な雰囲気が漂っている、
    そんなお話でした。

    読み終わったあと、
    川面にある、風に吹かれているすすきが
    わたしの中で音を立てています…

    素敵でした。

  •  収録作は以下のとおり。

      「北守将軍と三人兄弟の医者」
      「オッペルと象」
      「どんぐりと山猫」
      「蜘蛛となめくじと狸」
      「ツェねずみ」
      「クねずみ」
      「鳥箱先生とフウねずみ」
      「注文の多い料理店」
      「からすの北斗七星」
      「雁の童子」
      「二十六夜」
      「竜と詩人」
      「飢餓陣営」
      「ビジテリアン大祭」
      「銀河鉄道の夜」

     特に「ツェねずみ」と「クねずみ」には、その的確過ぎるほどの人間諷刺にゾクゾクさせられた。

  • ジョバンニはカンパネルラに恋をしていたのだと思う。
    カンパネルラと、永遠をともにしたかったのだと思う。

  • 友達が大好きな銀河鉄道の夜。
    凄く綺麗な小説だった。彼女曰く、「宗教が違うから二人はあの駅では降りなかった」など、深い意味があるらしい。もう一度読み返してみたい。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/564843

  • 大人になって再び読んでみました。『蜘蛛となめくじと狸』と『注文の多い料理店』が印象に残りました。小さい頃は怖いなと思いながら読んでいましたが、今読むと、なんというか、少しぞくぞくしたのは私だけでしょうか。

  • 童心を思い出す。自然との触れ合いこそ宮沢賢治の世界観

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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