井伏鱒二全詩集 (岩波文庫)

著者 : 井伏鱒二
  • 岩波書店 (2004年7月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003107744

作品紹介

諧謔と哀愁に満ちた言葉を自在に駆使し、独自の詩世界を切りひらいた井伏鱒二(1898‐1993)。「散文が書きたくなるとき、厄除けのつもりで」書いたという『厄除け詩集』に初期の作品を加え、生涯の全詩作70篇を凝集。

井伏鱒二全詩集 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 1937年(昭和12年)。
    訳詩が素晴らしい。孟浩然『春暁』を直訳と井伏訳で比較すると(カッコ内が井伏訳)、

    春眠暁を覚えず
    (ハルノネザメノウツツデ聞ケバ)
    処々啼鳥を聞く
    (トリノナクネデ目ガサメマシタ)
    夜来風雨の声
    (ヨルノアラシニ雨マジリ)
    花落つること知んぬ多少ぞ
    (散ッタ木ノ花イカホドバカリ)
       
    直訳の格調高さも良いけれども、井伏訳の大らかな自然体も捨てがたい。

    そして何と言っても、于武陵『勧酒』の訳の完成度は一頭地を抜いている。鱒二に限らず知っているすべての詩の中で、私はこの詩が一番好きだ。いつか自分がこの世に別れを告げる時もこんなふうに飄々と去っていけたらいいな、なんて思ったりする。

    君に勧める金屈巵(きんくっし)
    (コノサカヅキヲ受ケテクレ)
    満酌辞するを須(もち)いず
    (ドウゾナミナミツガシテオクレ)
    花発(ひら)けば風雨多く
    (ハナニアラシノタトヘモアルゾ)
    人生 別離足(おお)し         
    ( 「サヨナラ」ダケガ人生ダ)

  • 再読。井伏さんの散文と同じくぼってりと田舎風な焼き物のような詩。気持ちがのんびりする詩もあるのだけれど、今回はストレートで世界の非情さを感じる詩が印象に残った。

    「ぼくたちはいずれ転ぶ、いずれ死ぬ」という視線を、なにも味付けしないで差し出されたような気持ちになった。

  • 無骨で老獪な小説の印象の強い井伏鱒二の詩集はどのようなものかしら、と手にした。
    無知で恥ずかしいが、あまりにも有名な「サヨナラダケガ人生ダ」の「勧酒」は井伏の訳だったか。
    吐き出されるように書かれた詩は情緒的ではないが、不思議と「詩的」である。

  • 引用

    なだれ

    峯の雪が裂け
    雪がなだれる
    そのなだれに
    熊が乗ってゐる
    あぐらをかき
    安閑と
    莨をすふやうな格好で
    そこに一ぴき熊がゐる

  • 平俗な言葉で清冽な思想が紡がれる。

  • かの有名な「勧酒」目当てで購入した1冊。
    前半から漢詩の訳のあたりまではわくわくしながら読めたけれど
    後半は少しだれてしまったような印象。
    あまりリズムとか韻にはこだわらずに書かれていたからかな。
    散文を書きたくなったときに、厄除けのつもりで書いたとは、よく言ったものです。

  • 井伏さんの詩って「勧酒」が有名だけどそれしか知らなくて、これを買ってみた。素朴なかんじがとても良い。「勧酒」が入っている「厄除け詩集」に、他で発表された詩も併せて収録されており、お徳。

  • 講談社文芸文庫「厄除け詩集」より内容も値段もお得。湧き出る言葉は極まり知れぬ。

  • 井伏鱒二の気持ちもよくわかんなかった(´・ω・`)

  • 鱒二さんの漢詩訳は凄い。カッコイイ。

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