伊豆の踊子・温泉宿 他四篇 (岩波文庫)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003108116

感想・レビュー・書評

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  • 登場する女性たちが非常に上品でキレイなのが印象的であり、谷崎とはまた違った女性の描き方だな、と感じさせる。

  • 昔、伊豆へ旅したときの風景や空気を思い起こしながら読みました。
    仄かで優しい人と人とのつながりが丁寧に表現されていて、決して大団円というわけではないラストシーンにも、なにか清々しい印象。
    「旅は道連れ」を地で行く物語ですが、現代ではなかなかあり得ないよなあと思うと、少し寂しい気持ちになりました。

  • 十六歳の日記→とても良い作品。今も昔も介護の問題は有るし川端康成の生い立ちが分かった。伊豆の踊子→世界観に引きこまれる。最後騙されて終わるのかと思ったけど美しく終わった。温泉宿→女性の描写がスゴイキレイ。温泉宿って昔はそういう場所だったのだな。招魂祭一景→イマイチよくわからなかった。青い海 黒い海→一番良かった。美しい文書で感動した。

  • 十六歳の日記ーー死にゆく祖父の姿がリアル。老いた家族に対する気持ち、介護されている老人に対する気持ちは今はわからないものだけど、参考になった。ーー私は忘れられた過去の誠実な気持に対面した。しかし、この祖父の姿は私の記憶の中の祖父の姿より醜かった。私の記憶は十年間祖父の姿を清らかに洗い続けていたのだった。ーー死者の叡智と慈愛を信じていたから。

    招魂祭一景ーーお光の日々、現の身が哀れに荒めば荒むほど、夢は美しくなりまさる。でも、もう夢と現との架け橋なんぞ信じはしない。そのかわり、望み次第の時に、天馬に跨り空を夢へ飛ぶのであった。

  • 【推薦文】
    いわゆる「昔読んだとき全然面白くなかったけど、今読んでみたら面白い」本です。「伊豆の踊子」が有名ですが「16歳の日記」がおすすめ。文豪は少年時代から文章が上手く驚きます。
    (推薦者:機械制御システム専攻 M1)

    【配架場所】
    大岡山: B1F-文庫・新書 080/Ic/81

  • 微妙でした。

    「伊豆の踊り子」は面白かったですね。
    以前に、吉永小百合-高橋英樹版の映画を観たことがあったおかげで、
    世界観が映像的にイメージしやすかったからかもしれません。
    ただ、やっぱりこの人は文章がスゴク上手いなあ、と。

    それ以外は、なかなか微妙。
    「伊豆の踊り子」も川端康成が若い若い頃の短編なんですね。
    それ以外もこの短編集はすべて、どうやら川端康成の超・若い頃の短編集。
    で、この短編集の中で伊豆の踊り子だけが有名なのは、納得がいきます。
    映画になっているから、ではなく、コレだけが映画になった、ということ。
    踊り子一行の無垢な、でもなかなか苦労の絶えない存在が、(少なくとも男性読者には)華やかさと癒しと感傷が持てますね。
    そういうコト含めて、娯楽的なんですよね。

    それ以外の短編は、雑に言うと、暗いんですよね(笑)。
    それでもって、素直ではなくて。ちょっと難解。
    正直、ブンガク好きな若い人以外は、ココロから楽しむことはむつかしいのでは・・・。

    川端康成さんは孤児で、まあ不幸な生い立ちなんですね。
    それが彼の文学の根底にあることは事実で、
    それがこの短編集を読むとよくわかります。

    それはさておき、僕の読んだ範囲では、川端康成さんの文句ない傑作は、
    「山の音」ですね。
    オモシロイです。人間の心理がドキドキです。
    映画も、スゴクイイ映画です。

  • 物書きは、“女”と“食”が書ける様になって初めて一人前だと言われているらしい?。正に この様なお話の事を言うんでしょうか。
    美しく 儚く 可憐で それでいて 芯の通った強さを感じる“女(ひと)”。
    もう少し勉強して、もう一度通読してみたいと思うう。

  • 川端康成が無性に読みたくなった。
    伊豆の踊子はあまりにも有名。

    青い海黒い海が好き。

  • 十六歳の日記が読みたかったので。

  • 「伊豆の踊り子」の世界を理解しきれなかった・・・。主人公の感情は恋かそれとも慈しみの気持ちなのか。

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著者プロフィール

一八九九(明治三十二)年、大阪生まれ。幼くして父母を失い、十五歳で祖父も失って孤児となり、叔父に引き取られる。東京帝国大学国文学科卒業。東大在学中に同人誌「新思潮」の第六次を発刊し、菊池寛らの好評を得て文壇に登場する。一九二六(大正十五・昭和元)年に発表した『伊豆の踊子』以来、昭和文壇の第一人者として『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』などを発表。六八(昭和四十三)年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。七二(昭和四十七)年四月、自殺。

「2022年 『川端康成異相短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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