中野重治詩集 (岩波文庫 緑 83-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003108314

作品紹介・あらすじ

中野重治の詩は、日本の抒情の系譜とふれあう哀歓の情緒を盛った抒情詩にはじまり、革命運動のなかでの自己の変革を経て、燃え上る「憤怒」を鋭い感性を通して歌いあげるに至る。本書はこうした詩人の歩みのすべてを収め、各版本にみずからよせた文章も併せて収録した定本詩集である。 (解説 松田道雄)

感想・レビュー・書評

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  • プロレタリア文学の詩人として名高い中野重治だが、作風が初期より次第に変化しているように思う。「雨の降る品川駅」が代表作という。当作品は惜別の歌だが、完成度が高く、中野が鋭敏な感性の持ち主だということが分かる。

  •  駅のホームと曇り空。優しさと物悲しさと攻撃性の高さ。味方を思い、敵は徹底的に叩きのめそうとする強い意志。自分はこの方の詩が、本当に好きだ。

  •  『おまえは歌うな』から始まる「歌」など収録。ブロレタリア詩ということで、他の詩とは違うメッセージ性があるものがほとんど。どうしても、当時の背景や訴えたいことについて考えさせられる。

  • 水辺を去る
    ぼろきれ
    日々
    掃除
    法律
    やつらの

  • 品川駅・・・

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著者プロフィール

中野重治

一九〇二(明治三五)年、福井県生まれ。小説家、評論家、詩人。第四高等学校を経て東京帝国大学独文科卒業。在学中に堀辰雄、窪川鶴次郎らと詩誌『驢馬』を創刊。日本プロレタリア芸術連盟やナップに参加。三一年日本共産党に入党するが、のちに転向。小説「村の家」「歌のわかれ」「空想家とシナリオ」を発表。戦後、新日本文学会を結成。四五年に再入党し、四七年から五〇年、参議院議員として活動。六四年に党の方針と対立して除名された。七九(昭和五四)年没。主な作品に『むらぎも』(毎日出版文化賞)、『梨の花』(読売文学賞)、『甲乙丙丁』(野間文芸賞)、『中野重治詩集』などのほかに、『定本中野重治全集』(全二八巻)がある。

「2021年 『歌のわかれ・五勺の酒』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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