冬の宿―他一篇 (岩波文庫 緑 84-1)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003108413

感想・レビュー・書評

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  • すごいどうでもいい感想なのかもしれんけども、どうしてむかしのひとは金がないとか貧乏だとか云いながら飲む打つ買うをやったりいきつけの店があったり女のひとと踊ったり囲ったりできるの…?
    そしてその結果たいへんなことになるのだけどもいやいやいやいや待て! たぶんそのまえにもっとやるべきことあるから! あったから! ってこういう、話を読むたびにつっこみいれたくなるんだけども、それとはべつにわたしこの話のそんな「零落者」嘉門のこときらいじゃない…
    これが私小説かどうかとかはまあ置いとくにしても(作者があとがきで私小説じゃないと何べんも云ってるのと、わたし「作者はこのとき何を考えてこの作品を書いたでしょう」的論法にまったく興味がないのと、私小説の定義がわからないのとはあるにしても)語り手の目をとおして見たそれぞれの登場人物の感情の描かれかたと「冬の宿」霧島家の内部、とか、なんかね、ゴシップ読んでるような気になりました。中盤はとくに。
    傍観者的視点というものがちかごろあまり好きではなくて、それは最近だれもかれもが傍観者ぶりたがる風潮があるんじゃないかなとおもう心があるからで、傍観者になるにしてもそれは責任のがれとは同義ではないんだけどな…? ていう、それは文学ではなくて世間で生きるときの話なんだけども。
    世間の枠組みをながめるしかない傍観者精神をもつ作品もたしかにあって、それがあると規定するのは読者それぞれの裁量だからこころもとない話ではあるけども、すくなくともわたしはこの話はあんまりそういうものではないなとおもったし、作者あとがきの言葉にもそういった文言がある、のでつまりどういうことかというと読んでちょっとつかれた。
    けども、語り手の心情を抜かして、嘉門とまつ子とあと高の姿を追うのはおもしろかったです。
    そんな感想。

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