檸檬・冬の日 他九篇 (岩波文庫 緑87-1)

  • 岩波書店 (1985年6月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784003108710

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

作品は、心の奥深くに触れるテーマを巧みに描写しています。特に『檸檬』は、何度読んでも新たな発見があり、読後の爽快感が心に残ります。主人公の内面を通じて、フィジカルな「病み」がメンタルの「闇」に変わって...

感想・レビュー・書評

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  • 人一倍強かった感じる気質が病によって育まれ、感覚のお化けのようになってしまったのかなあ。

    「檸檬」「冬の蝿」「交尾」が特に気に入りました。

  • 『檸檬』は何度読んでも面白いです。読後の爽快感は本当にたまりません。真似する人がいるのも頷けます。

  • フィジカルの「病み」を、メンタルの「闇」に昇華させて小説を執筆した作家。

  • 梶井の主人公は、一人で物思いに耽ったり、人に声をかけられたりした時に、最初はピュアに物事を受け止めるのだが、だんだん考えるのが億劫になっていく様が印象的だった。
    主人公が、檸檬を置いて、にやにやしても、そのあとにはさらっとした余韻が残った。梶井の性格を感じた。

  •  学校の授業で、梶井基次郎について発表する機会があったので読んでみました。
     梶井作品には、独特の浮遊感がある気がします。短い中に鋭い感性をそのまま表しているというか。でも、現実世界の延長線上だからふわふわ浮きすぎてはいないです。
     わかりやすい作品ではないので、何度も読み込むことで本当の意味がわかるのかな。
     読者が受け身では成立しない作家の作品だと個人的に思いました。

  • 「檸檬」
    きりっとした檸檬の存在の美しさ・力のようなものをとらえた主人公の視線や感覚が伝わってきて、私も目の前に、この手に冷ややかでつややかでたくましい檸檬を持っているかのような気持ちになった。
    暗闇にくっきりと光をたたえる果物屋のように、檸檬もその鮮やかな黄色の光を放っている。
    はっきりとした強い存在感のある、絵よりも強い小説だった。
    映像でも伝わらないだろう。
    これが、文学の力、だ。

    「城のある町にて」
    最後の静けさの中に響く雨の空気がたまらない。
    美しいものに心がひたされるような、心ごと溶けて同化しているかのような、そんな文章だと感じる。
    視線の受け止める繊細な景色の連続、といった小説だった。

    「ある心の風景」
    ちょっとわかりにくかったけれど、病気への不安が強いのやね。
    死を感じて鬱々としている感覚が伝わってきた。
    しかし、とりとめのない感じもして、それほど面白いとも思えなかった。

    「冬の日」
    死が近い男の晴れない心、美しさや大きなものを求めるかのような散策。
    母のもとに帰れないほど、心身が弱っている。
    人生のうつろさを感じているのに、それでも足を止めることはできない。
    そんな男の姿が浮かび上がってきた。
    面白い話ではなかったが、読んでいる途中より読後のほうが、より主人公の姿をくっきり思い浮かべることができるような不思議な思いがした。

    「筧の話」
    水音というのは、しみこむように人の心を震わせることがある。
    山道の古い筧の見えないかすかな水音。
    その音に魅せられ立ち止まる男。
    幻惑、という言葉が浮かぶ。
    心をとらえていたのは一時期だけ、というのも、まるで魔法の効き目が切れたかのような現実感があって、よいと思った。

    「冬の蠅」
    蠅を追う観察眼も面白かったし、わが身を苦難において、その苦難の中に生を見出している様子も興味深かった。
    太陽を憎むというものの見方も、彼の繊細さがうまく表現されている、と感じた。
    そんなに繊細では、さぞかし生き辛いだろうな。

    「闇の絵巻」
    闇の中を歩くということ。
    怖さの中にある魅力のようなものを感じる。
    幼いころに感じた闇の深さを思いだす気分だ。
    私も歩いてみたい。
    その深さ、その静けさ、不安と安堵、それらを味わってみたい。
    そんな気持ちになった。

    「交尾」
    猫の方は純粋な交尾ではなくて、人間の交尾(?)のように見えるような艶めかしい様子を描かれている一方、カジカの方は相手を求めていく一途な姿に心を動かされている。
    二つの交尾の対比が面白かった。
    それを観察する語り手の目と心の動きが、ダイレクトに入ってくるような気がした。

    「のんきな患者」
    重病人の話なのに、つい笑ってしまうユーモアにあふれていて、楽しく読めてしまう。
    素晴らしい。
    この作品が梶井の最後の小説だったらしい。
    自身の経験をこのように昇華させた梶井の人間性を見たような気がする。
    愛おしさすら感じる。
    改めて、素晴らしい。

    「瀬山の話」
    読みにくいし荒削りの部分が多いように感じた。
    檸檬も、まだ洗練されていない状態がこれなのだろうな、と思った。
    断片的に、胸に迫って輝くかのような部分があった。
    つかみやすかった部分というか。
    魅力が潜んでちりばめられているような作品に感じた。

    「温泉 断片」
    最後に、落ち着いたやわらかい作品を収録したな、と思った。
    温泉の様子も、その周りの家の様子も、すっと心になじむ作品だと感じた。

  • 檸檬・冬の日―他九篇

  • 本書に収められた掌編には、作者の感受性が十分に感じられるのだが、それがともすると神経過敏に感じられたり、作品全体にいかにも暗い陰を落としているような印象を与える。
    個人的には好きになれない小編集であった。かじいもと

  • あざやかな檸檬と陰り

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/700880

  • 梶井自身のエッセイ的なものに風景描写を入れた短編集。梶井はある絵を構想していて、それを文章で説明してかつ物語性を持たせている印象。ちょっとくどいところもあるけれど、やっぱり好きだな。

  • 丸善の逸話で有名な檸檬を一度は読んでおこうと思い買いました。

    短編ですぐに読み終わるので一度は読んでおくといいのではないでしょうか。

  • レモン爆弾 よさみ

    交尾がいちばん好きだ 美しい

  • 復活した『京都の丸善』で買う本として、これ以上相応しいものは無いだろう。岩波文庫版を買ったのは既に新潮文庫版を2冊ほど持っているからw
    新潮文庫版とは収録作が異なっていて、どういう基準で選ばれたのか考えながら読むのも楽しい。こっちには『Kの昇天』は入っていないのね。『瀬山の話』が入っていたのは嬉しい。

  • 教科書に掲載される理由を考えていたが、それは難しいことではなく、個々人の環境が異なれば自ずと世界が大きく異なって見えることを例示しているからなのだと思う。
    とりわけ自らの死を隣人として捉えている時、違いはより大きい。
    「美しいときは、なぜこんなにも短いのだろう」

  • 以前梶井基次郎の「檸檬」を読み、感受性の豊かさに感動、この人の作品をもっと読みたいと思い、購入しました。
    少し難解なところもあったのですが、基本的に読みやすい方だったと思います。

  • 2013.9
    文章が難解で私には読みこなせなかった。
    肺病の鬱々とした気分は伝わったけど

  • 配置場所:摂枚文庫本
    請求記号:913.6||K
    資料ID:95000099

  • 檸檬を読みたかった。他のはまだ読めなかった。

  • 国語の教科書で読んで好きだった作品。
    「やっぱり梶井は『檸檬』やなー」といった印象を受けた。

    檸檬のような作品を期待して他の作品を読むと失敗するかも。
    どれも死のにおいが立ち込めた作品で読んでて鬱屈とした気分になる。作者の心情というか、置かれた状況がここまでわかりやすく投影されている文章の数々はなかなか重たい。

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著者プロフィール

明治34年(1901年)大阪府生まれ。同人誌「青空」で活動するが、少年時代からの肺結核が悪化。初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、31歳の若さで郷里大阪にて逝去した。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『檸檬』(梶井基次郎+げみ)がある。

「2021年 『Kの昇天』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梶井基次郎の作品

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