- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003108833
作品紹介・あらすじ
「目付かって、たまるもんけ」秋味(鮭)の密漁で石狩川の冬を凌ぎ、渾身の力で地主に抗う若者を描いた未定稿「防雪林」。小作争議の主題をさらに展開し、道庁小役人の背後に蠢く都会の搾取を暴いた「不在地主」。貧困と正義を問い29歳で国家に殺された作家の、ふるさとの言と魂こもる北海道小説。
感想・レビュー・書評
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電車移動のお供にしていた1冊を本日読了。最後はお気に入りのカフェでまったりと。
少しでも早く先を読みたくて眠気に負けさえしなければ隙間の時間にガンガン読み進めた。
細かいことは置いておいて単純に「面白い小説」。
解説にも書かれていたけど本当に自然描写がすごい。
個人的には北の方の出身ということもあって方言が読んでいてすごく好きだった。厳密に言うと私の出身地の訛りとは少し違ってはくるもののかなり近い。読んでいると話の筋とは関係なく田舎を思い出す。
何より文章が本当に好みなんだ。サクサク読み進められる。これが1番大きいかもしれない。
解説で10年前の『蟹工船』ブームの話もチラリと出てきて思わず「おお!」となったりも。
こんなにも好みどストライクな文章を書く作家を10年も本棚に寝かせておいたことを若干後悔しつつも、「本には読むべきタイミングがあってそのときになると自然に手に取るものだ」というようなニュアンスのどこかで聞いた言葉を思い出して「今だからこそ」なのかなとも思う。
やっぱり感想は難しい。今回も感想か? みたいな内容になってしまった。 -
再読
読んでいたことを忘れていた。半分以上読んで再読であることに気が付いた。印象的だったところがむしろはっきりして良かった。