- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003108918
感想・レビュー・書評
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風立ちぬ
後書きでやっと感動ができた感じ。
確かに音楽のようだった、死というテーマで重低音がずっと続いていて、物語には大きな抑揚はなく、感情を抑えて淡々と続く。
短調の美しいフーガみたい。
死がテーマに選ばれているのに大袈裟に悲嘆に暮れるような場面はない。
時代も違えば立場も違う、わたしは死に直面しているわけでもなく、周りも死に直面していないから登場人物の気持ちがわからないところも多く、理解できない文章もあった。
美しい村
文章がとても美しい、そこら辺のゴミさえ絵のように美しくしてしまうその文章に驚く。
句読点の位置や単語の順序のせいか何度も読み返さないと理解しづらい文章が多い。
ストーリーというストーリーは特にないまま終わった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ザ・サナトリウム文学。
堀辰雄は一文一文が長いね。 -
ずっと前に買ってたけど、挫折してほってた本。妻・節子さんと私の物語。儚くてきれいだったった。
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映画の影響でとりあえず読んでみました。
残念ながら、全部は読みませんでしたが、風立ちぬの話はなんとも切ない話でした。映画の原作かと思っていたので、多少残念ではありましたが、これはこれで結構な内容でした。 -
「風立ちぬ・美しい村」堀辰雄
サナトリウム文学。純白。
@電子書籍 35 冊目。
※ブクログに登録がないため岩波文庫版にて登録。グーテンベルク21社配信。
昨今のサナトリウム文学といわれるものは特にサナトリウムに限ったものではなくましてや大衆文学色が強いものも多いですが、
堀辰雄はまさにサナトリウムにおける思慕愛を描いた文学の代表的作家で、本人も肺結核で亡くなっています。
流々と穏やかな情景描写を下地に、「私」の想念のリアリズムが、
よく言えば 綺麗な物語への没入感を印象させたし、
悪く言えば くどくどしくて飽きた。
…身も蓋もないですな。
ただ、近頃の流行りのお涙小説とか、私小説・エッセイですらそうだけど、ああ書き手の思索のレベルが低いなーって感じること多々あると思うので、
やはりいわゆる名作と呼ばれるような、文学的エリートが書いた文章に触れる経験は必要だな、と思います。(3) -
「……あなたはいつか自然なんぞが本当に美しいと思えるのは死んで行こうとする者の眼にだけだと仰しゃったことがあるでしょう。……私、あのときね、それを思い出したの。何だかあのときの美しさがそんな風に思われて……」「そうだ、おれはどうしてそいつに気がつかなかったのだろう?あのとき自然なんぞをあんなに美しいと思ったのはおれじゃないのだ。それはおれたちだったのだ。まぁ言って見れば、節子の魂がおれの眼を通して、そしてただおれの流儀で、夢みていただけなのだ。……それだのに、節子が自分の最後の瞬間のことを夢見ているとも知らないで、おれはおれで、勝手におれたちの長生きした時のことなんぞ考えていたなんて……」