津軽 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 158
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003109052

作品紹介・あらすじ

「私は津軽に生れ、津軽に育ちながら、今日まで、ほとんど津軽の土地を知っていなかった」。戦時下の1944年5月、太宰治は3週間かけて初めて津軽地方を一周。郷里の風土や歴史、自らにも流れる津軽人気質に驚嘆、慨嘆、感嘆の旅は、やがてその秘められた目的地へと向かう。ユーモアに満ちたふるさと再発見の書。

感想・レビュー・書評

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  • 太宰ってこんなに明るいんだっけ?って思ってしまう、飲んべえの津軽旅行記。青森県人の朴訥だけど親切心に溢れる人柄を表現している箇所が、(今の)東京にはない温かさを感じる。
    基本酒ばかり飲んでいる。

  • 津軽旅行のまとめとして読みました。

    斜陽館では、太宰作品に登場する部屋や実際に執筆した場所、太宰が執筆中あたった火鉢など沢山のものを見ることができます。
    なによりも、太宰の家が金木の町でいかに大きな家だったのかということが分かります。立派な父や兄たちがいて厳格な家長制度が根付いた生活のなかで、太宰が形成されていったんだなぁと思うとあの作風にも納得がいく気がしました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あの作風にも納得がいく気が」
      実を言うと喰わず嫌いの作家が何人か居て、そのトップが太宰治です。
      でも「津軽」と言う風土に興味があるので、い...
      「あの作風にも納得がいく気が」
      実を言うと喰わず嫌いの作家が何人か居て、そのトップが太宰治です。
      でも「津軽」と言う風土に興味があるので、いつか読んでみようと思います←何が良いか物色しなきゃ。。。
      2012/12/17
    • izumiさん
      Nyancomaruさん、お久しぶりです!実は太宰は私も読んだ作品が少ないのですが、斜陽館に行ったら断然興味が湧きました!読んでからいくとも...
      Nyancomaruさん、お久しぶりです!実は太宰は私も読んだ作品が少ないのですが、斜陽館に行ったら断然興味が湧きました!読んでからいくともっと楽しめたのだろうなぁと思いましたよ。いつかまた行くまで色々読んでみようと思っています。
      2012/12/18
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「斜陽館に行ったら断然興味が」
      なかなか良い感じのところですね!行ってみたおなぁ、、、
      太宰を読むとしたら何が良いかと考えたのですが、やっぱ...
      「斜陽館に行ったら断然興味が」
      なかなか良い感じのところですね!行ってみたおなぁ、、、
      太宰を読むとしたら何が良いかと考えたのですが、やっぱり「津軽」かな?と思いつつお手軽そうな「人生ノート」(光文社知恵の森文庫)や「さよならを言うまえに」(河出文庫)で様子見しようかな、、、
      遅くなりましたが、今年も宜しくお願いします!
      2013/01/07
  • さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。


    ざっくり言うと、ルーツを探す旅というやつでしょうか。津軽の素封家の子供に生まれながら、あまり津軽に馴染みのなかった太宰が、ふと思いついた津軽地方一周の旅。
    子供の頃の思い出や懐かしいひとたちとの再会を軸にした小気味よい紀行文でした。
    やたら熱のこもった津軽地方史案内はちょっと読んでて疲れましたが…
    「たけ」との再会シーンはなかなか感動的でよかったです。
    前半はずっとお酒ばかり飲んでいたのに。

    「大人とは、裏切られた青年の姿である」「酒飲みというのは、酒を飲んでいない時にはひどく厳粛な顔をしているものである。」
    など、太宰節も炸裂です。
    もしかしたら小説より読みやすいかもしれません。「駆け込み訴え」の次に好きです。

  • 紀行文の要素がある自伝小説。
    自分のルーツである生まれ故郷を練り歩き、友人や乳母が登場する。津軽の歴史にも触れたりと面白い。

  • 太宰を食わず嫌いしていた私を猛烈に反省させた作品。

  • 青森の津軽地方に旅行に行くことになったので、読んでみようと手にとった本。
    普段、古典をほぼ読まないので、読むのに手間取りました(苦笑。そのため、途中で読みやすい本を2冊も読了してますが)。

    ただ、私が引っかかってしまうのは文体の部分だけで、内容が小難しいわけではありません。
    むしろ内容は馬鹿っぽい…というと大変失礼ですが、酒好きでちょっと自意識過剰気味の青年の書いたエッセイといった風情で、とても親近感がわきます。
    とはいえ、これはエッセイではなく小説のようですが。

    太宰の津軽への愛を随所に感じることが出来ます。
    津軽の歴史を紐解くのに、古典の引用が多くあるので、そこで読むのにだいぶ手間取りますが、歴史の表舞台にあまり出てこない、この地方の歴史を知ることが出来て、良かったと思います。

    ラストのたけとの再会の部分が、自分的には唐突に思えたのですが、解説を読んでなるほどと思ったり。
    でも、クライマックスとしては良いシーンだと思います。

    今回の津軽への旅では金木の方まで足を延ばすことはなかったのですが、今度金木にも行ってみたいので、その前に太宰の作品ももう少し読んでみようかと思いました。

  • 紀行のようだが、
    作者の旅行体験を元にした小説とのこと。

    ほとんど飲み回っているような行程なのだが、
    その中で所々に見られる故郷への想いが良い。
    自分も故郷を回ってみたくなった。
    兄弟への接し方に対する戸惑いのようなものも見られ、
    なかなか複雑なものも感じる。

    最後、思い出の人に合う箇所はちょっとぐっときた。

    また、何ページか筆絵があるが上手い。
    作者本人の直筆なのだろうか。

  • 太宰治読んでると自伝が書きたくなります。自伝ってお前。書くことねーだろまだ

    大学図書館913.6D49

  • 古里の旅を書いたエッセイ。自虐的な文が目立つ。小説ではこうもあからさまには書いていなかった。津軽の歴史を解説しながら、ひなびた東北の風景を淡々と描写する。紀行文というより、自らのルーツを探る物語になっていた。友人を通して描かれる人々の風俗は戦時中とは思えない平穏さ。酒を飲んではめをはずしてみたり、てくてくと歩いて寺をお参りしたり、先輩の作家の悪口を言ってみたり。太宰治の一面が面白い。

  • 太宰治の、郷里の紀行文という体裁の、小説。
    難しい文献からの引用があるところは読みにくいですが、それ以外は、さすが太宰ですらすら読めます。
    おかげで、津軽に愛着がわきます。金木とか蟹田とか竜飛とか外ヶ浜とか岩木山とか三厩とか小泊とか深浦とか十三とか、二〇〇ページ程度の小説なのに、太宰の絶妙過ぎる、そして愛ある、人物や風景の描写のせいで、くすりと笑いながら、読めちゃいます。
    ちなみに、太宰自身の手によると思われる絵が五枚、この本では見ることができます。津軽富士こと岩木山の絵とか、結構、人に見せても恥ずかしくないものであったりします。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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