津軽 (岩波文庫 緑90-5)

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  • 岩波書店 (2004年8月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784003109052

みんなの感想まとめ

自虐的なユーモアを交えた酒飲みの旅路が描かれ、著者の人柄や津軽の温かさが伝わってくる作品です。戦時中の日本を背景にしながらも、のんびりとした時間が流れ、読者は思わず心を和ませます。太宰の作品を初めて手...

感想・レビュー・書評

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  • 十月中旬に弘前に行くので、積読本の中から何気なく本書を手に取った。

    キチンと太宰を読むのは初めてかもしれない。
    自虐的な要素は強いものの、ネクラな感じは受けず勝手に思い描いていた太宰とは全く違いました。

    酒飲み紀行とでもいう作品で、戦時中の日本とは思えぬのんびりした時間が流れているのに驚きと、作者の優しさや津軽人のメンタリティに限りないシンパシーを感じました。

    長部さんの解説も太宰とこの作品の成り立ちや性格を的確に教えてくれる。

  • 読み始めた時、随筆なのかと疑いながら読んでいた。
    随所に心情を織り交ぜるにしても、その街の歴史や産業などに触れているあたりはいかにもである。

    読み進めるうち徐々に印象が変わってゆく。それはユーモアを交えつつ、繰り返し自らの性分を卑下嘲笑し、郷土への愛着から同郷人の宿命を帰納推察してゆくあたり、草原を歩く傍らを静かに蛇が這うように、伏線が見え隠れする。
    そうか、これは小説なのかと気づくと、迂闊にも、筆者の覚悟が示されていることを思い出す。

    そしてクライマクスである。

    昭和十九年という時節柄、国防上云々という言葉がが何度も出ているが、これは筆者の皮肉(というかふざけ)であると私は思う。


    • がんちゃんさん
      コメントありがとうございます。
      2004年の第1版で青森出身の長部日出雄さんの解説がついてましたが、興味深かったです。
      もう一度、津軽は読ん...
      コメントありがとうございます。
      2004年の第1版で青森出身の長部日出雄さんの解説がついてましたが、興味深かったです。
      もう一度、津軽は読んでみたいので、その時は新潮で読んでみたいと思います。
      2024/10/19
  • 太平洋戦争下とは思えないほどののんびりとした紀行。太宰は他に幾冊か手に取ったけれど、本作品は「女生徒」の次に好きになった。読みやすい文章と親しみを持てる太宰の人柄が好ましい。では、失敬。

  • 太宰ってこんなに明るいんだっけ?って思ってしまう、飲んべえの津軽旅行記。青森県人の朴訥だけど親切心に溢れる人柄を表現している箇所が、(今の)東京にはない温かさを感じる。
    基本酒ばかり飲んでいる。

  • 酒飲みの治ちゃんがとても可愛い。

  • 津軽旅行のまとめとして読みました。

    斜陽館では、太宰作品に登場する部屋や実際に執筆した場所、太宰が執筆中あたった火鉢など沢山のものを見ることができます。
    なによりも、太宰の家が金木の町でいかに大きな家だったのかということが分かります。立派な父や兄たちがいて厳格な家長制度が根付いた生活のなかで、太宰が形成されていったんだなぁと思うとあの作風にも納得がいく気がしました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あの作風にも納得がいく気が」
      実を言うと喰わず嫌いの作家が何人か居て、そのトップが太宰治です。
      でも「津軽」と言う風土に興味があるので、い...
      「あの作風にも納得がいく気が」
      実を言うと喰わず嫌いの作家が何人か居て、そのトップが太宰治です。
      でも「津軽」と言う風土に興味があるので、いつか読んでみようと思います←何が良いか物色しなきゃ。。。
      2012/12/17
    • izumiさん
      Nyancomaruさん、お久しぶりです!実は太宰は私も読んだ作品が少ないのですが、斜陽館に行ったら断然興味が湧きました!読んでからいくとも...
      Nyancomaruさん、お久しぶりです!実は太宰は私も読んだ作品が少ないのですが、斜陽館に行ったら断然興味が湧きました!読んでからいくともっと楽しめたのだろうなぁと思いましたよ。いつかまた行くまで色々読んでみようと思っています。
      2012/12/18
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「斜陽館に行ったら断然興味が」
      なかなか良い感じのところですね!行ってみたおなぁ、、、
      太宰を読むとしたら何が良いかと考えたのですが、やっぱ...
      「斜陽館に行ったら断然興味が」
      なかなか良い感じのところですね!行ってみたおなぁ、、、
      太宰を読むとしたら何が良いかと考えたのですが、やっぱり「津軽」かな?と思いつつお手軽そうな「人生ノート」(光文社知恵の森文庫)や「さよならを言うまえに」(河出文庫)で様子見しようかな、、、
      遅くなりましたが、今年も宜しくお願いします!
      2013/01/07
  • 完璧

  • 抑揚の効いた表現。さすが太宰治。
    芦野公園のエピソードも秀逸。
    時代や土地柄がわかる。
    ほのぼのする。

  • 久々に故郷の津軽に戻り旅する旅行記だね。
    出てくる地名をGoogleMapで探し、写真も見ながら読んだよ。「津軽」ってあまり意識したことがなかったけど、土地の人が道先案内人を努めているようで良かった。けど。。。なんかダラっとしてる^^;
    一点、鯛の尾頭付きのくだりは電車の中で笑ってしまったぜぇ!
    きっと最後の数ページが伝えたかったことかな??

    #青空文庫の画像にタイトルが無かったので借用しました。

  • 図書館で借りた。岩波文庫を読んでみようシリーズ。
    太宰治の代表作の一つで、小説の形ではあるが、実質太宰の”故郷に帰った紀行日記”

    書かれた(津軽を旅した)のは1944年。すなわち戦争末期である。
    太宰は戦場には行っていないのか?と調べてみたら、肺の病気により免除されていたとのこと。当時30代なかば。まだまだ若い世代であるが、「正岡子規、尾崎紅葉、斎藤緑雨、国木田独歩、長塚節、芥川龍之介、嘉村磯多…」皆30代後半で死んでおり、「おれもそろそろ、そのとしだ」で旅が始まる。どこか悲観的で、実際にほんの数年後には太宰治は自殺している。
    実際にまわった私にとっては、津軽の自然や街並みの描写が心地よく思い出される。
    戦争末期でも東北の田舎には物資があったのだろうか?お酒のシーンも多く、太宰が酒好きなのをイメージさせる。また、酒の会話の「気を遣った結果、素直じゃない」感じは不器用な東北人気質と私には感じ、ある種微笑ましく、同時にムズムズさせてくれる。そんな心情描写も太宰治の魅力なのだろうか?

  • 50年ぶりで読み返した。当時は青森に行ったこともなく、架空の津軽であった。現在は青森と弘前と大鰐に行ったことがあり、少しは情景が名に浮かぶが、この小説が書かれたときと情景がだいぶ異なるであろう。青森に旅行に行く人は読むべきガイドブックである。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 旅行に行った気分になれて面白いと言ってた人がいたので読んでみましたが、私にはあまり来るものがなかったです。人間失格のようなドロドロしてるのを期待してたところがあったからかも知れません。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/405525

  • 太宰治の長編小説。
    元々は小山書店の『新風土記叢書』という郷土紹介の書の第七編として執筆を依頼された作品で、『新風土記叢書』には津軽の他に"大阪"、"熊野路"、"明石"、"日向"などが刊行されています(作者は異なります)。
    企画本の一編として書かれた本のため、埋もれてもおかしくないほどであるのに、本作「津軽」は太宰治作品の中でも特に人気が高い作品です。

    太宰は1938年に井伏鱒二の紹介で石原美知子と結婚し、『女生徒』、『走れメロス』などの優れた短編を発表します。
    それまでの太宰は、それぞれ別の女性と2度の心中騒動を起こし、鎮痛剤のパナピール中毒になるなど、かなり荒れた時期でした。
    結婚以後は精神が安定し、人生に余裕が生まれた時期なのではと思います。
    また、津軽が執筆された1944年は、太平洋戦争末期でした。
    戦争後にはまた女性関係等でいざこざが発生するのですが、この頃は戦時中ということもあってか、そういうことをするわけにもいかず、仕事に集中せざるを得ない時期だったのかもしれません。
    そういうわけで、本作の内容は、『斜陽』、『人間失格』のような沈鬱な雰囲気はなく、明るくユーモラスなところも垣間見えるドロドロとしていない太宰文学となっています。

    私(=太宰治)が、故郷の金木に久しぶりに変えることになり、ついでに津軽各地を見て回るという、紀行文のような内容です。
    自身が生まれた場所であるにも関わらず、極めて狭い範囲でしかよく知らない"津軽"について、一度、隅々まで見ておきたいと思い、"私"は乞食のような姿で東京を出発します。
    青森から蟹田、三厩、竜飛、生家のある金木、五所川原、木造、深浦、鯵ヶ沢と、青森県の中心から西側へ三週間の旅の記録となっています。
    各地の特性や見聞きした情景、歴史などにも触れていて、その辺りは『新風土記叢書』のコンセプトなのかなと思いました。
    例えば、その町の人口はどれくらいで、何が有名であるだとか、どういった産業で栄えているとか、郷土紹介としての文面も多くを締めます。
    また、一方で、生家に久しぶりに帰った太宰治のルーツが語られていて、小説的な側面も見られます。
    生家に帰った太宰治をもてなすため、酒宴を開いたり、名物の蟹を振る舞ったりと、仲間と酒を飲んで騒ぐ楽しそうな場面が印象的です。
    他の太宰文学に比較すると明るくユーモラスであるというのはそういった部分で、その土地の空気を感じながら、楽しんで読める小説と思いました。

    ラストは、氏の育ての親と言える「越野タケ」との再開があり、締めくくられます。
    感動的なシーンですがこの部分は創作だそうで、読み手に向けたフィクションを練り込んでいるため紀行文ではなく自伝的な小説という位置づけです。
    フィクションですと言われると拍子抜けするところもあるのですが、それ故に、堅苦しくない、ライトに読める作品だと思いました。

  • 思ったほど面白くなかった

  • 青森にいた時の話、4年間
    中学、成績はよかったが学校が面白くなかった
    クラスの友人と仲も良い
    吹き出物が多かった
    忘れがたい思い出
    死んだ弟と橋によく行っていた
    弘前浄瑠璃がさかん
    弘前が好きだがいい話をかけそうにない
    10年ぶりの津軽帰還
    食べ物を質素に
    りんご酒
    過去の友達との思い出話
    蟹田の魅力
    津軽人の愛情表現、旅人に大盤振る舞い
    青森は凶作が多い
    5年に一度
    東京に染まった描写、金銭感覚
    鯛を見たかった
    切られた魚は焼き魚
    三等分にするなと言ったら五等分にされた
    聞こえてくる歌にたまらない気持ちになった
    不敗の地
    招かれる暖かさ
    津軽富士のようにいろんな側面から津軽を見ることができる
    津軽の冷たさ
    旅人に無関心
    たけに会いにいく。育ての親、しかし女中
    運命の再会
    家族で一人だけ上品でない、たけの性格が映った
    30年ぶりの再会
    たけは自分に会いたかったし、私もまたたけに会いたかったのだ


    紀行文で読むのが結構しんどかった

  • 紀行文の要素がある自伝小説。
    自分のルーツである生まれ故郷を練り歩き、友人や乳母が登場する。津軽の歴史にも触れたりと面白い。

  • 太宰を食わず嫌いしていた私を猛烈に反省させた作品。

  • 青森の津軽地方に旅行に行くことになったので、読んでみようと手にとった本。
    普段、古典をほぼ読まないので、読むのに手間取りました(苦笑。そのため、途中で読みやすい本を2冊も読了してますが)。

    ただ、私が引っかかってしまうのは文体の部分だけで、内容が小難しいわけではありません。
    むしろ内容は馬鹿っぽい…というと大変失礼ですが、酒好きでちょっと自意識過剰気味の青年の書いたエッセイといった風情で、とても親近感がわきます。
    とはいえ、これはエッセイではなく小説のようですが。

    太宰の津軽への愛を随所に感じることが出来ます。
    津軽の歴史を紐解くのに、古典の引用が多くあるので、そこで読むのにだいぶ手間取りますが、歴史の表舞台にあまり出てこない、この地方の歴史を知ることが出来て、良かったと思います。

    ラストのたけとの再会の部分が、自分的には唐突に思えたのですが、解説を読んでなるほどと思ったり。
    でも、クライマックスとしては良いシーンだと思います。

    今回の津軽への旅では金木の方まで足を延ばすことはなかったのですが、今度金木にも行ってみたいので、その前に太宰の作品ももう少し読んでみようかと思いました。

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著者プロフィール

太宰 治(だざい・おさむ):1909年、青森県北津軽郡金木村生まれ。中学の頃より同人誌に習作を発表。旧制弘前高校から東京帝国大学仏文科へ進学、中退。1933年、太宰治の筆名で「列車」を発表。「二十世紀旗手」「女生徒」「富嶽百景」「お伽草子」「ヴィヨンの妻」「斜陽」ほか代表作多数。1948年、筑摩書房の雑誌「展望」にて「人間失格」連載。同年6月、同作最終回の掲載をみることなく、玉川上水に投身。

「2025年 『人間失格』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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