お伽草紙・新釈諸国噺 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003109069

作品紹介・あらすじ

「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」。誰もが知っている昔話も太宰治(1909‐48)の手にかかったら…。親しみやすい語り口に諷刺とおどけをしのばせ、天性の喜劇作家がおなじみの説話の世界を自由奔放に換骨奪胎。作者が「世界で一ばん偉い作家」と惚れこむ西鶴の作品を踏まえた「新釈諸国噺」を併収。

感想・レビュー・書評

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  • 御伽草子と西鶴のパロディ文学
    新釈諸国噺は西鶴の原作を知っていた方が絶対におもしろいと思うけれど、元ネタが全て同じ本からというわけではないようなので、出展を探して一話ずつ読むという形になりそう

    この中で秀逸なのは「まえがき」部分
    過不足なく情景が浮かぶ、ってすごいことでしょ

    某マンガに出てくるカチカチ山のウサギが雌なのは
    ここからきてたりして……

  • 学生時代以来、何度目かの再読。これら2作品は、太宰の作品系列の中では、かなり異色な作品だ。いずれも、昭和20年という第2次世界大戦も押し詰まり、しだいに厳しくなった言論統制のもとで書かれている。特にお薦めなのは『新釈諸国噺』。全部で12の短篇からなるが、そのいずれもが『諸国はなし』をはじめとした西鶴作品の翻案である。例えば巻末の「吉野山」は、西鶴の『万の文反古』で試みられた書簡体を見事に取り込んだ傑作であり、「語り」の妙味に満ちている。こんな太宰もあることを是非知って欲しい。「貧の意地」、「粋人」も秀逸。

  • 瘤取り
    瘤取りじいさんをテーマにした話
    二人のおじいさんが登場し、一人は瘤を孫のように大事にしている
    もう一人は、忌み嫌って暗く毎日を過ごしている
    大事にしているおじいさんの瘤は、鬼がとってしまったが、忌み嫌っているおじいさんには瘤をもう一つ付けられてしまう
    だれも、悪人でないお話
    性格の悲喜劇

    浦島太郎
    年月は、人間の救ひである。忘却は、人間の救ひである。

  • 授業のテキストとして読んでいます。
    典拠と比較して読み解くとさらに面白いです。

  • 中学生以来の太宰。
    話に暗いところがなく、「あ、こういう話も書いてるんだ」というのが感想。
    好みは分かれそうだけど。

  • 昔話や西鶴の作品を太宰風にアレンジしたものだが、面白く読めた。登場人物の妄想や不満から吐き出されるぼやきは、見事なまでに人の本性をあらわにしていて、その浅ましさは読んでいて教訓となるというよりは、「人ってこうだよなあ」と半ば諦めがちに笑ってすませてしまいたくなる。その一方で、融通のきかない面が引き起こす悲劇にはどうしても嘆息が漏れ、結局泣いていいのか笑っていいのか最後にはわからなくなるのだが、この割り切れなさが魅力なのだろう。

  • ・新釈諸国噺
    太宰の事好きじゃないとか言ってる人達皆コレを読んでひっくり返ればいいのに。こういう事も出来るんだよ、彼は。
    このはじめ書きのぐじぐじした感じとかやっぱり好き!とかも思うけど、なにより内容が面白いんだよね。愉快で愉快でけらけら笑ってしまう。
    私西鶴の元のお話を全く知らないので「よっ!太宰!出ました新解釈ブラックユーモア!」とかは思えないんだけど、読み物としてはすごく単純に面白かった。

    猿塚の最後でいきなり「途方にくれた」とか言い出したときには大変興奮した。あなた好きで訳しちゃう程惚れこんでる文章に対して「(この先の展開を原作どおり書いたら)この哀話も、ぶちこわしになりそうだ。困った事になったものである。」って格好よすぎるでしょ。好き。

  • 大学の講義に必要だったので。凄い解釈するな…と思った記憶が。

  • 昔話のパロディである『お伽草紙』と井原西鶴のパロディ『新釈諸国噺』が一冊になった本です。
    『お伽草紙』は元が童話なのでそういう解釈(というかこじつけ?)で話に奥行きが持てるんだなぁと
    勉強させていただきました。
    西鶴については全くと言っていいほど知らないので「原作の此処がこう変えられている」という
    楽しみ方は出来なかったのですが、普通の読み物として楽しませていただきました。

    一番記憶に残っているのは『裸川』です。
    あれは笑って良い話だと思うのですが、どうでしょう?
    川に落ちた9文を捜すために4両出して人足を雇ったり、9文しか落ちていない筈なのに11文拾った
    男(川ざらいを早く切り上げるために自分の懐から11文を出した)を責めて相当の月日を費やして
    9文拾わせたり、馬鹿じゃないの?とすら思える滑稽なお話でした。
    けれど、登場人物一人一人の性格がにじみ出ていて、滑稽なのにうーんと思わされることもありました。
    うーんと思ったのですが、何にうーんと唸ったかは私にもわかりません。

  • 緑90-6 【→新潮】

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プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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