お伽草紙・新釈諸国噺 (岩波文庫 緑 90-6)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003109069

感想・レビュー・書評

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  • 中学生以来の太宰。
    話に暗いところがなく、「あ、こういう話も書いてるんだ」というのが感想。
    好みは分かれそうだけど。

  • 昔話のパロディである『お伽草紙』と井原西鶴のパロディ『新釈諸国噺』が一冊になった本です。
    『お伽草紙』は元が童話なのでそういう解釈(というかこじつけ?)で話に奥行きが持てるんだなぁと
    勉強させていただきました。
    西鶴については全くと言っていいほど知らないので「原作の此処がこう変えられている」という
    楽しみ方は出来なかったのですが、普通の読み物として楽しませていただきました。

    一番記憶に残っているのは『裸川』です。
    あれは笑って良い話だと思うのですが、どうでしょう?
    川に落ちた9文を捜すために4両出して人足を雇ったり、9文しか落ちていない筈なのに11文拾った
    男(川ざらいを早く切り上げるために自分の懐から11文を出した)を責めて相当の月日を費やして
    9文拾わせたり、馬鹿じゃないの?とすら思える滑稽なお話でした。
    けれど、登場人物一人一人の性格がにじみ出ていて、滑稽なのにうーんと思わされることもありました。
    うーんと思ったのですが、何にうーんと唸ったかは私にもわかりません。

  • この捻くれ者…!と思わず笑ってしまうような想像力のたくましさに脱帽。
    『かちかち山』の醜いおっさんなタヌキと美少女ウサギのやり取りには納得させられるというか、共感するというか。

  • 『お伽草紙』を含む短編集。
    太宰がおとぎ話を自分なりにアレンジして書いている。時々笑える。

  • 「カチカチ山」がすごくおもしろかったー!!幼いころから知っていたこの有名な話も太宰先生の手にかかればこんなに新鮮で面白い話になってしまうのですね・・・!!!惚れたが悪いか。

  • 前半のお伽草紙は★五つ。
    面白かった!昔話を大宰風にアレンジした作品。
    瘤取り
    浦島さん
    カチカチ山
    舌切り雀
    他の昔話の大宰版を読んでみたい!

    後半は西鶴の作品を踏まえたもの。★3つ。
    江戸の常識・人情は通じるものと通じないものがありますねー。

  • 太宰治流、日本昔話。簡単に言うと、パロディである。気軽に読めて、おもしろい。

  • 誰かに太宰を1冊勧めるならコレ=「お伽草紙」かな。マイナーですが。
    わかりやすい勧善懲悪の昔話を、ちょっと悟った大人の視点で書いたパロディです。いくつかありますが、個人的には『浦島さん』がイチ推し。

著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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