富嶽百景・女生徒 他六篇 (岩波文庫 緑90-9)

  • 岩波書店 (2024年9月18日発売)
3.53
  • (4)
  • (4)
  • (7)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 181
感想 : 17
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (302ページ) / ISBN・EAN: 9784003109090

作品紹介・あらすじ

「富士には月見草がよく似合う」――表題作「富嶽百景」ほか、昭和12~15年発表の8篇を収める。新たな文体〈女がたり〉を用いた「燈籠」や「女生徒」「葉桜と魔笛」、森鴎外の翻訳を用いて創作の舞台裏を明かす「女の決闘」など、『晩年』刊行後のスランプを克服し、〈再生〉へと向かっていくエネルギーを感じさせる。

みんなの感想まとめ

多様な視点から描かれる人間関係や心の動きを通じて、豊かな感情を呼び起こす短編集です。特に「富嶽百景」では、風景との関わりを通じて心の変化が描かれ、最後のユーモラスな場面が印象的です。太宰治の独特な文体...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 学生の頃、好きだった太宰治。「生まれてきてすみません」の太宰も、「女ことば」を駆使して瑞々しい女性心を書く太宰も、こじゃれたイタズラっぽい太宰も全部魅力的だ。
    太宰を読んでいると、太宰をこよなく愛し、桜桃忌を忘れない学生時代の友人が目に浮かぶ。
    この短編集の『富嶽百景』が一番読みたかった。
    最初は否定していた風景も、人との交流で心持ちが変わって風景の見え方が変わってくる。極め付けは、最後の場面。「シャッタア切ってくださいな。」と頼まれてからの描写が可笑しい。大きい富士と赤い外套を着ている罌粟の花二つ、さあどんな写真になるのやら。
    「富士はよくやっている」と富士山を褒めるところも太宰らしい。
    『畜犬談』も好み。犬の悪口を散々言っておきながら、だんだん情が移っていく話。ひねくれて恥ずかしがり屋だけど、その実優しい。
    「面目無げに、首を垂れ、私の視線をそっとそらした。」犬との交流とは思えない描写!これが太宰治なのか。

  • 高校時代読み漁った新潮文庫には、確か収録されていなかった、「畜犬談」を読みたくて購入しました。
    太宰治の文章は、かわいくて、とくに「へんに」という言葉の使い方が本当に大好き。

    大人になってから読む富嶽百景が特に良かった。次は津軽を再読したい!!

  • 女生徒は太宰が女性となって本人の語り口で話を進めていく。もっと何かのイベントがあっても良かったようにおもうのだから。

  • 【女生徒】
    眼をさますときの気持ちで始まって、眠りに落ちるときの気持で終わっている。朝はくたくたで厭世的で後悔に満ちているけど、夜は客観的に遠くから自分を俯瞰して、冷静になっている感じがする。「幸福は一夜おくれて来る」という言葉に、厭世的な朝の気持ちと、希望を持ちたいと思っている夜の気持ちが、集約されている感じがした。
    日常の中の、哲学的で自分について考える時の細かい心の動きが、とても繊細に描かれていて、分かるなと感じる部分がたくさんあった。

  • 友達から「女生徒」をすすめられたので読んでみた。太宰治さんってこんな話を書く人だったんだ。「畜犬談」とか「皮膚と心」とか、かわいい話でびっくりしてしまった。他の話も読みたくなりました!

  • 太宰治って、イケメンでモテたけど仕事はさぼりがちで浪費ぐせのある、ダメ男だったんだろうな。本作品とは関係ないけれど。

  • 太宰治ってこんな人だったの?すごいこんな明るい短編あるんだ!とびっくりしてしまった。
    「女生徒」は文章が本当に少女が書いたかのようにみずみずしい内容で、一緒にすごしているかのように楽しむことができた。

  • とにかく犬が嫌いな主人公を描いた短編小説。
    ユーモラスで読みやすい作品です。
    【中央館3F-文庫・新書 080/IB/G90-9】

  • 【本学OPACへのリンク☟】

    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/720178

全10件中 1 - 10件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

太宰 治(だざい・おさむ):1909年、青森県北津軽郡金木村生まれ。中学の頃より同人誌に習作を発表。旧制弘前高校から東京帝国大学仏文科へ進学、中退。1933年、太宰治の筆名で「列車」を発表。「二十世紀旗手」「女生徒」「富嶽百景」「お伽草子」「ヴィヨンの妻」「斜陽」ほか代表作多数。1948年、筑摩書房の雑誌「展望」にて「人間失格」連載。同年6月、同作最終回の掲載をみることなく、玉川上水に投身。

「2025年 『人間失格』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太宰治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×