近代日本人の発想の諸形式 他四篇 (岩波文庫 緑 96-1)

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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003109618

感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • 他のレビューである通り、最後の「愛について」が分かりやすく面白い。どこかで日本人の異性関係には「惚れる」はあるが「愛する」は無いという言葉を聞いた気がしたが、出典は伊藤整だったのですね。人と人との関係を信仰の無いままに愛と捉えることで、私たちは相手との距離感を大分見誤っている。
    論語の教えは如何に現実的なことだろうか。自分が嫌なことは他人にしてはいけないよと。それは自他との間に広がる距離についての……諦めであり、謙虚さであり、誠実さである。消極性の中に出来うる限りの温かさを感じる。一方でキリスト教は一見慈悲にあふれた隣人愛を信徒に求めている。しかし冷静に考えると、これは不自然で、ドグマティックで、狂信的で、積極性を感じるどころかもはや若干の暴力的な印象すら受ける。
    隣人愛の信仰と理解を飛び越えて、恋慕を愛に読み替えてしまった日本人はきっと今でも様々なことに盲目なのだ。

  • 表題は文学者の思考の形跡について書いた論文。
    最後に納められている「近代日本における「愛」の虚偽」が気に入った。キリスト教的価値観である愛を、形だけ日本に輸入したときから愛は虚偽になったという。鬼気迫る感じの文章で思わず頷かされた。

  • 積年の溜飲を下げる事が出来ました。完璧に代弁してくれています。       

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