晩年の父 (岩波文庫)

著者 : 小堀杏奴
  • 岩波書店 (1981年9月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003109816

作品紹介

仰ぎみる文豪でもなければ、軍服に身を固めた軍医総監でもない鴎外。ここには、母や妻、子どもたちの中心となり、周囲に濃やかな愛情をそそいだ家庭人の風貌が、少女の繊細な目を通して生き生きと描き出されている。著者は鴎外の次女。父の死直前のほぼ1年の思い出を綴る「晩年の父」ほか、「思出」「母から聞いた話」などを収める。

晩年の父 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 森鴎外と言えば、
    キラキラネームの名付け親の元祖?フフフ

    そして森鴎外の晩年、と言えば、
    何か受賞を待って軍服のまま寝ていたとか、
    私のもとに届くのは
    割と揶揄されているというか、
    意地悪目線の情報が多かった。

    森茉莉のエッセイを読んでも、
    どんなに素敵なお父さんか書いてあっても、
    今度はあの茉莉さんは、お父さん(パッパ!)が
    大好きだから…、ねぇ…、となりがち、
    という印象を受けていましたが。
    (そこが面白いんですがね)

    茉莉さんの妹、杏奴さんのエッセイを
    ずっと持っていたんだけど、
    この度いよいよ読んでみた。

    とにかく、優しい、優しい、優しいお父さん、だったのね。

    子供のことが大好きで、
    子供が夢中なことは自分も夢中になってくれる、
    (あるいはそんなそぶりをしてくれる)というところに
    感激してしまった。

    比べるのもへんだけど、
    文章から受ける感じは
    たとえばパッパは誤解されている、というところでも
    お茉莉は一触即発って感じだけど、アンヌコは冷静だ。
    そして杏奴さんは誤解が解けるとビックリマーク連発で
    喜んでいて可愛い。

    ただひたすら、優しかったお父さんと
    大好きなお母さんの思い出話。

    学校まで送ってくれたり、
    公園へ連れて行ってくれたり、
    子供がかわいがる犬を、
    かわいがってくれるところ。

    ところどころ、私の大好きな茉莉さんが
    クールに、お茶目に登場し面白かった。

    可愛がられすぎて森鴎外から愛された人は関係者は皆
    人一倍デリケェト(←っぽくしてみました)になっている。

    そこに不束者というか、考えなしの人、
    あるいは積極的に意地悪な人が突如現れて
    涙が止まらないほどダメージを受ける、んだけど。

    こういうシーンで私はふと、
    こういう不束者、意地悪人間に思える人も
    精一杯、自分が良いと思うことを、
    している、と思っている、らしい、と気付いた、気がする。

    私は、この世の全員に好かれる、誰のことも傷つけないは
    もう、絶対無理、

    だから、大好きな人をとってもとっても大事にしよ、
    と思った。

  • 娘の視点から見た晩年の鷗外。
    森茉莉の書いた鷗外は何処か神格化されているが、小堀杏奴の書いた鷗外は優しいお父さんといった印象だった。
    歳が離れていること、茉莉は鷗外の死の際に外国にいたことが関係しているのだろうか。

  • 死期が近いことを知っている父親と、何も知らないながらもその予感におびえる娘。残された日々の生活や家族を愛おしむ鷗外と、最愛の父を手放すまいとする娘の姿に、胸がしめつけられる。

  • よみやすい。鴎外のようなお父さん、いいな、と思った。やさしい。
    杏奴さんの描写がじょうずだからか、自分の小さい頃の学校の中庭の木蓮や母が小学校通学のバス停まで送ってくれる時に道におちているたくさんのきれいな薔薇の花びらを押し花にするために2人で拾ったなとか、"ニンゲンホカロン"になって手を温めてくれたな、とか、なつかしいせつないきもちになってしまった。(この本にはお母さんの話はあまりでてこないけれど…)まだ途中。せつなさと小さく戦いつつ読み進めたい。

  • 緑98-1

  • 仰ぎみる文豪でもなければ、軍服に身を固めた軍医総監でもない鴎外。ここには、母や妻、子どもたちの中心となり、周囲に濃やかな愛情をそそいだ家庭人の風貌が、少女の繊細な目を通して生き生きと描き出されている。著者は鴎外の次女。子どもに細やかな愛情を注ぐ鴎外ですよ。ナイスパッパです。著者は世間的に非難されてる母に絶大な愛情を持ってはるようで、大変気持ちよく読めました。

  • 著者小堀杏奴が、父・森鴎外の晩年の思い出を記した本です。<br>
    淡々とした語りから浮かび上がる森鴎外の深い家族愛には涙が出てしまいます。森茉莉や森於兎と読み比べても面白いかもしれない。

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