元禄忠臣蔵 (下) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1982年9月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (382ページ) / ISBN・EAN: 9784003110126

みんなの感想まとめ

物語は、赤穂事件をテーマにした連作台本の後半部分を描いています。昭和に書かれたこの作品は、歌舞伎の要素が少なく、伝統的な形式とは異なるため物足りなさを感じるかもしれませんが、その独特の魅力が際立ってい...

感想・レビュー・書評

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  • 昭和に書かれた歌舞伎用の連作台本。いわゆる赤穂事件をテーマにした全十編のうち、後半の五編が収録されている。義太夫節による語りや、歌舞伎ならではの大立ち回りといった要素がないため、「歌舞伎」として捉えると物足りなさを感じるのは確かだろう。しかし、それを補って余りある、この脚本ならではの独特の魅力があると感じた。現在もたびたび再演されるというのも、実際に読んでみて納得できた。

  • 上巻の感想で、当時、浪士たちに同情的であり、かつ仇討ちをしなければ武士にあらずといった世論が、恐ろしいものだと書いたが、誤解を恐れずに言えば、これはまさに、第二次大戦における例えば特攻隊に向かわせる(志願させる)圧力のようなものではないか。確かに、主君の恨みを晴らすべく立ち回る様は、望ましい、男らしい行いのように思われる。しかし、堀部安兵衛の討ち入り後の台詞にあったように、実はそれは本来守るべき家族や、自分の命を捨てる行為であって、「本来の人間の姿」ではない。
    一方で、そういった集団とか、国というものに対しての忠誠心、自分を捨てて他者の為に行動するという姿勢を、どうしてもどこか美しいと感じてしまう自分がいるし、日本人がどんなに欧米化し、合理精神を身につけても、やはりどこか共通の認識として持ち続けている感覚なのではないかとも思う(完全に私見だが)。
    それが証拠に、例えば少年ジャンプで人気の漫画を考えても、「仲間」なるものを守るため、命を顧みずに戦うではないか。もし、現代人が義士たちを笑うなら、少年漫画の主人公たちも、仲間という曖昧なものの為に戦ってはいけないはずである。もちろん、現代では崇拝の対象が「守るに値するか」というところまできちんと描いているのかもしれないが。
    そして、仇討ちをしたらしたで、世間は手放しで褒めそやし、浪士たちも、ともすればどこか得意そうに和気あいあいとしている者もいる。そんな中、大石だけは淡々としており、浮かれるまいと水を差している。最後の場面で、疲れた、といっていたのは、心からの本心でないかと思った。
    上巻で、大石のいう「冷熱二人」、役人としての心構えを述べているのも印象に残った。

  • 赤穂などを舞台とした作品です。

  • 緑101-2

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