小説集 夏の花 (岩波文庫)

著者 : 原民喜
  • 岩波書店 (1988年6月16日発売)
3.88
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  • 本棚登録 :45
  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003110812

作品紹介・あらすじ

広島で被爆した原民喜(1905‐51)は、見たものすべてを書き尽すことのみを心に決め、激することなく静かに物語った。だからこそ「夏の花」「廃墟から」「壊滅の序曲」等の作品が伝える原爆の凄惨さと作者の悲しみを、いっそう強く深いものにしている。生前の作者自身の編集による能楽書林版(1945)を底本とした。

小説集 夏の花 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 大学新入生に薦める101冊の本 新版 (岩波書店/2009) で気になった本。

  • 小説としての価値ではなく、書くべき、書かれるべき作品だったのかも。

  • 読み終わりました。戦後70年にふさわしい素晴らしい読書体験でした。
    筆者が広島市幟町で被爆し縮景園方面へ避難する3日間の話が「夏の花」です。筆者の実体験に基づいたものですが、そこには誇張などは何もなく、淡々と無機質な描写が続きます。
    そのことが被爆の悲惨さをいや増すものにしています。恐ろしい描写であるにも関わらず、その文章は極めて美しく、不思議な印象を与えます。
    「廃墟から」はその続編で今の佐伯区での避難生活。「壊滅の序曲」は被爆直前数か月の物語で、この3作が「夏の花三部作」と呼ばれるものです。
    他の小説も、避難生活や、作者の生い立ち、戦後移り住んだ東京での困窮生活を描いたものです。
    これらの作品は「何がお前に生きのびよと命じていたのかー答えよ、答えよ、その意味を語れ!」という筆者の意識のもと、「ふと己が生きていることと、その意味に」弾かれ、「このことを書きのこさねばならない」という、筆者の魂に突き動かされた作品なのです。
    若い世代にぜひ読んで欲しい。そしてこのような惨事がに二度と起こさないように心に誓って欲しい。

  • *図書館の所蔵状況はこちらから確認できます*
    http://opac.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB20089230&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003110811
    ── 原 民喜《夏の花 194706‥ 三田文学 19880616 岩波文庫》19450806 広島被爆
    http://www.aozora.gr.jp/cards/000293/files/1821_6672.html
     
     原 民喜  作家 19051115 広島 東京 19510313 45 /鉄道自殺/俳号=杞憂
    ♀永井 貞恵    1911‥‥ ‥‥ 船橋 19440928 33 /病死/旧姓=永井/1933 結婚/佐々木 基一の姉
    https://www.library.city.hiroshima.jp/haratamiki/05people/people01.html
     遠藤 周作 作家 19230327 東京   19960929 73 /
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B1%F3%C6%A3+%BC%FE%BA%EE
     
     死後に届いた遺書 20140514 遠藤周作文学館
     
    …… 長崎市遠藤周作文学館は14日、広島での被爆体験をつづった小説
    「夏の花」で知られる作家の原民喜が遠藤周作に宛てた直筆の遺書が
    見つかったと発表した。24日から公開する。同館によると、内容は遠藤
    がエッセーで明らかにしていたが、現物が見つかるのは初という。
     遺書は、日本にいた共通の友人から、フランス留学中の遠藤に郵送さ
    れた。二つの詩とともに「これが最後のたよりです 去年の春はたのし
    かったね では、お元気で…。」と書かれている。
     消印は1951年3月17日。原はその4日前に自殺していた。
    http://www.47news.jp/CN/201405/CN2014051401001170.html
     
    http://peace.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1400074245/-100
     
    (20140515)
     

  • 日本の夏といえば…花火?スイカ?浴衣?
    終戦の日など、あなたにとっては毎年恒例のニュースにすぎませんか?
    しかしこのように凄惨な夏も日本にはあったのです。



    ◆お茶の水女子大学OPAC
    http://www.lib.ocha.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN02318061

  • 池袋西口の八勝堂書店で買いました。(2012年01月07日)

    原民喜は、これが初めて。

    読み始めました。
    (2013年1月2日)

    読み終えました。
    (2013年1月3日)

  •  夏ごとに読み返している原民喜の『夏の花』を、今年は先日『映像の芸術』を読んだ佐々木基一の解説の付いた岩波文庫版で。原自身の編集による能楽書林版を再現したもので、「燃エガラ」という詩や、「小さな村」などの小説なども収められている。あらためて原の透徹した眼差しに打たれるが、「夏の花」三部作が、原爆の惨劇を戦争という文脈のなかにしっかりと位置づけていることは、もう少し強調されてもよいのではないだろうか。それは原が、軍都廣島で軍人相手の商売をしていた商店に生まれたからこそ可能なのかもしれない。今回初めて読んだ「昔の店」という掌編には、何人もの従業員を抱える大きな軍御用達の商店で育った原の幼年時代が、アンビヴァレントな思いを込めて描かれている。ベンヤミンの「1900年頃のベルリンの幼年時代」と照らし合わせてみたい作品である。さて、今回読み直して一つ気がついたのが「頑張る」という語の用法。原の使い方に従えば、「頑張る」のはまず軍人であり、軍人はまた非戦闘員に「頑張る」ことを強いるのだ。壇上に頑張って、防空演習に集まった住民を睥睨し、防空要因として広島に頑張ることを住民に強いるのだ。そのさまが描かれる「壊滅の序曲」の世界が、今ここと符合するように思えてならない。節電を頑張ることを、それどころか福島の人々は、被曝の危険が大きい場所に頑張ることをも強いられるこの夏の後に、「福島で原子炉の爆発が起き、大量の放射性物質がこの街を訪れるまでには、まだ四十時間あまりあった」と書くことになるのだろうか。

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