いちご姫・蝴蝶 他二篇 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 十川 信介 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 60
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003110928

作品紹介・あらすじ

「ああ小、小、男子など何でもない!」公家の姫君から女盗賊へ、戦国末世を流転する美貌の烈女いちご姫。二葉亭四迷と並ぶ言文一致の先駆、山田美妙(一八六八‐一九一〇)はその新奇華麗な文体で一躍明治文壇の寵児となった。挿絵の裸体画が論争を呼んだ「蝴蝶」、「武蔵野」「笹りんどう」と同時代評・注を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 文章が高尚。虚しさ、惨さなんかをうまく書き出しているので、読み応えがあります。鬱気質の人は注意。

  • 明治期の小説を読むのが久しぶりだったのだけれども、わりとすらすらと読めました。短編はラストの鮮やかなイメージがどれも素敵でした。いちご姫は思うところはあるけれども楽しめたのでよしとします。

  • 長編「いちご姫」のみ読了。
    <あらすじ>
    公家の息女いちご姫は、敵方足利義政の使・窟子(うろこ)太郎に恋をしてしまう。出奔し盗賊に身を堕としながら、美貌と気の強さを武器に戦国末世をわたり歩く。

    <感想>
    ・文体…短文を重ね、「!」を多用し、やたら文章の勢いが強い。美妙の造語かと疑いたくなるような間投詞が登場し、語注を見て驚くことしきり。
    ・ヒロイン…自己愛過多で気が強く貞操観念のうすい主人公は、現代以上に突き抜けた感覚の持ち主。こんな主人公にはお目にかかったことがない。
    ・構成・ストーリー…章回制。各回にきちんとクライマックスが用意されており、連続ドラマに仕立てられそうである。通俗的で波瀾万丈なストーリーとも相俟って、読者の期待をあおる。「大団円」の章名を裏切る、あまりにも衝撃的な結末には腰が砕けてしまった。

    強烈な女主人公といい、奇想天外なストーリーといい、明治時代の古臭い作品と思ってかかると裏切られる作品。なんとなく舞城王太郎を読んだときの当惑を思い出した。

  • 勇敢な女子(おなご)が次々と降りかかってくる災難に敢然と立ち向っていくさまに、心踊らされる。が、一方で、連れ添う男運のなさからか、頽廃への道を歩むことになり、憐れな結末を迎えることに…。

  • 作品の書かれた時代が時代(美妙は慶応4年=明治元年生まれ)なので、もともと読みやすくもない上に、さらに歴史もので登場人物たちのセリフは昔の言葉遣いで書かれてるし、そうでなくてももともとの文体自体も難解。 けしてスラスラは読めませんが、とても面白かったです。

    表題作の『いちご姫』が唯一の長編ですが、可愛らしい名前に騙されるなかれ、このいちごちゃん、あえて現代風に汚い言葉で言うなら、とんでもないビッチです(苦笑)。名前の由来はフルーツの「苺」ではなく一期一会の「一期」。零落公卿の娘で絶世の美女なのだけれど、性格はいたって男勝りで勝気、武士の世(足利の時代です)を憎んで、侍相手にもずけずけものを言う、最初のうちは、そんな気の強さも可愛らしいのだけれど、うっかり敵方の男に恋をしてしまい、落ちたとたんに大暴走、むこうは気がないのに追い掛け回して、あげく両親をほったらかして出奔、なりゆきで盗賊に攫われたり、そこから逃げ出したり、恋しい男と再会したけどやっぱり振られたり、間違えて別の男と寝ちゃったりの波乱万丈。その経過でビッチぶりを開花させちゃって、しかもなまじい面食いなもんだから、次々と新しい若い男(もれなく美形)にのりかえ、古い男は新しい男に殺させる始末。苦境に陥っている女友達と再会しても、自分が助かるためには平気で放置、女性としてのみならず、人としても結構最低ないちごちゃん。最終的に、やっとこれぞというイケメンで性格も良い男と恋に落ちますが、これが実は既婚者。正妻とバトルを繰り広げてるうちに、母親が再登場して、実は恋した男とは腹違いの兄妹だとか言い出すし、なんだかもう昼メロか韓流ドラマかというジェットコースターっぷり(笑)。ご都合主義に呆れつつも、ある意味とても面白かったです。クナウカあたりで舞台化とかしたらなかなか絵になるだろうなあ。短編だけれど『胡蝶』のほうも、恋した男を殺して首を斬りおとすあたり、サロメばりに耽美でした。

  • 山田美妙はあまり面白くないと聞いてはいたけど、読むのがしんどかった;
    文章を華美にしすぎてニュアンスが伝わりづらく、話がすんなりと入ってこないです。

  • 岩波文庫:緑 080/I
    資料ID 2011200422

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