かくれんぼ―他二篇 (岩波文庫)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (115ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003111130

感想・レビュー・書評

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  • 主題にある、かくれんぼを読みたくて購入しました。

    仮名垣魯文の門下で、明治の文豪であるが戯作風の古風な作風、にも関わらず、警抜で、諷刺的である、独特な作品を持って文壇に現れる。
    森鴎外、幸田露伴と伴に、三人冗語にて樋口一葉を評価するなど、文学史上の功績や著作の個性が強い割には、教科書などで取り上げることが少なく、知名度はそれほど高くないイメージがあります。
    個人的には明治を代表する作家の主要な一人として挙げられると思うのですが、一般書店の棚に文庫が並ぶことも少ないためか、私自身、今回、初めて読んでみました。

    感想としては率直にいって、読み難いです。
    読み難さで言えば森鴎外のほうが凶悪なのですが、斎藤緑雨は他の作家が1ページ費やして動かすところを1行で書ききっていしまうところがあり、場面転換に追いつかなくなることがあります。
    さらに、喩えが多く、今語っている内容が起きていることなのか、比喩なのかわかりづらいことがあり、加えて、代表作のかくれんぼについては、舞城王太郎の如く改行、句読点がなく、一文が非常に長いという特徴があります。
    句読点、改行に関してはかくれんぼに限った話で、収録されている他の作品に関しては、そのあたりは問題ないです。
    かくれんぼは、最初手に取ったとき、果たしてこれを読むことができるのだろうか、という気持ちになりました。
    ただ、かくれんぼは主人公を客観視し、心情の独白などがほぼ無い作品となっており、見た目の印象よりはまだ楽しんで読める作品でした、

    収録作品は以下の3編。


    ・かくれんぼ …
    斎藤緑雨の代表作。
    タイトルは子供の遊戯ですが、花柳界に誘われた真面目男がいろいろな女性と関係し、やがて名代の色悪に変わるという大人の遊戯な話です。
    前述の通り、一文が非常に長く、息抜きに小説、なんて気持ちではとても読めない内容になっています。
    ページ数が短い割には主人公のポジションというべきか、ステータスがぱらぱらと変わり、あれよあれよという間にそれまで関係していた女性が変わって、いつの間にか色悪となる。一気に読むのは難しいですが、集中できる時間に注意深く、一気に読むのがおすすめです。
    作中に会話文がほとんど無く、まさに斎藤緑雨らしい独特な作品でした。

    ・門三味線 …
    かくれんぼとは変わって、下町の子どもたちの話です。
    前後編の前編にあたり、後編が無い、未完の作品となっています。
    個人的にはかくれんぼより本作のほうが好みです。
    大きな事件が無い、子どもたちが日常生活を送り、遊んだり仲違いするだけの作品なのですが、他の2編より飛び抜けて読みやすく、楽しんで読めました。
    完結していればこの後どのようになったのだろうか。

    ・おぼろ夜 …
    斎藤緑雨 後期の作品で、こちらも未完成。
    ある若い女が、色んな人と会話する話のようです。
    "ようです" と書いたのは、ごめんなさい、読みましたが、正直意味がわからなかったからです。
    代表作でもないし、頑張って読む気力もなく。本作はリタイアしました。

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