明治の東京: 随筆集 (岩波文庫 緑 116-2)

著者 :
制作 : 山田 肇 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 97
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003111628

作品紹介・あらすじ

代表作「築地明石町」などにみられるように、鏑木清方(1878‐1972)の画は、明治の東京の庶民生活を描いて他に類がないといわれるが、彼のエッセイもまた、江戸や明治への郷愁を誘う美しい小品として忘れられない。「銀座回想」「明治の東京語」など38篇を精選。

感想・レビュー・書評

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  • 『随筆集 明治の東京』(岩波書店) - 著者:鏑木 清方 - 中野 翠による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    https://allreviews.jp/review/4072

    随筆集 明治の東京 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b248851.html

  • 明治の庶民生活の風情を懐古して描かれた名随筆
    読者に情景を浮かばせる巧みさは日本画家ならでは

  • 鏑木清方(1878-1972)の美しい東京。まるで、江戸時代はすぐそこ、手の届く所にあるみたいだ。
    大川端周辺の明治時代。木挽町、東銀座、浅草、明石町、築地…情緒のある街並みが画家の視点でから描かれる。
    脚気患いの対策で、父親が懇意だった縁から円朝との二人旅が実現する。うーん、贅沢。

  • 「築地明石町」などの数々の美人画で知られる絵師・鏑木清方。彼は随筆の名文家でもあった。過ぎ去りし明治の東京の面影が美しい文章で綴られている。あまりにも端正で行間から時代が立ち上ってくるかのようなその筆致は絵師の随筆というのを忘れるほど。私が中でも好きなのはきものや衣服に関するこだわりを描いた随筆だ。西の松園、東の清方とはよく言ったものである。鏡花や一葉の挿絵画家としても知られる我が邦随一の江戸っ子の名文を御覧じあれ。

  • 14/04/26、ブックオフで購入。

  • かなりの美文家。文筆家は逆にここまでの美文はかかない、かも知れない。もちろん書けないのではなく。でも文章の味わいをてらいなく示していてこれはこれで好感が持てる。

  • 明治11年、東京神田に生まれた鏑木清方は、「築地明石町」に代表されるように美人画において名を知られるが、一方で自身がこよなく愛した江戸の風情を残す東京・下町の人々の日常生活も好んで描き、また、随筆集も数多い。
    「明治の東京」には当時流行のスイーツ情報「甘いものの話」、ヨーロッパ文明の良い影響がものいっていた古い銀座を顧みる「銀座回想」、綺麗な女に化ける獺の棲みつく幽霊橋の話を聞く「築地川」など、精選された38編を収録。

    関東大震災と第二次世界大戦による空襲、ふたつの災害によって東京の古き良き時代の風景は消え去ってしまいました。
    今は清方が終生描き続けた書画のなかに切りとられたおもかげをなぞるよりほかに、当時を知る術はありません。

  • 画家、鏑木清方のエッセイ。
    自分の身の回りの物や草花に対する、画家ならではの繊細な描写が美しい。

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著者プロフィール

鏑木清方(1878.8.31~1972.3.2)日本画家、随筆家。東京神田生まれ。父、條野採菊は『東京日日新聞』(現・毎日新聞)の創立者の一人。91年、永野年方の許に入門。挿絵画家を目指す。1901年泉鏡花と知り合う。25年「朝涼」(第六回帝展)、27年「築地明石町」(第八回帝展、帝国美術院受賞)出品。37年、帝国芸術院が設置され、芸術院会員となる。54年、文化勲章受章。70年、照夫人逝去。72年、鎌倉雪ノ下の自宅にて逝去。
98年、清方の旧宅跡に鎌倉市鏑木清方記念美術館開館。



「2018年 『紫陽花舎随筆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鏑木清方の作品

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