- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003111628
作品紹介・あらすじ
代表作「築地明石町」などにみられるように、鏑木清方(1878‐1972)の画は、明治の東京の庶民生活を描いて他に類がないといわれるが、彼のエッセイもまた、江戸や明治への郷愁を誘う美しい小品として忘れられない。「銀座回想」「明治の東京語」など38篇を精選。
感想・レビュー・書評
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明治の庶民生活の風情を懐古して描かれた名随筆
読者に情景を浮かばせる巧みさは日本画家ならでは -
「築地明石町」などの数々の美人画で知られる絵師・鏑木清方。彼は随筆の名文家でもあった。過ぎ去りし明治の東京の面影が美しい文章で綴られている。あまりにも端正で行間から時代が立ち上ってくるかのようなその筆致は絵師の随筆というのを忘れるほど。私が中でも好きなのはきものや衣服に関するこだわりを描いた随筆だ。西の松園、東の清方とはよく言ったものである。鏡花や一葉の挿絵画家としても知られる我が邦随一の江戸っ子の名文を御覧じあれ。
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14/04/26、ブックオフで購入。
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明治11年、東京神田に生まれた鏑木清方は、「築地明石町」に代表されるように美人画において名を知られるが、一方で自身がこよなく愛した江戸の風情を残す東京・下町の人々の日常生活も好んで描き、また、随筆集も数多い。
「明治の東京」には当時流行のスイーツ情報「甘いものの話」、ヨーロッパ文明の良い影響がものいっていた古い銀座を顧みる「銀座回想」、綺麗な女に化ける獺の棲みつく幽霊橋の話を聞く「築地川」など、精選された38編を収録。
関東大震災と第二次世界大戦による空襲、ふたつの災害によって東京の古き良き時代の風景は消え去ってしまいました。
今は清方が終生描き続けた書画のなかに切りとられたおもかげをなぞるよりほかに、当時を知る術はありません。 -
画家、鏑木清方のエッセイ。
自分の身の回りの物や草花に対する、画家ならではの繊細な描写が美しい。