立原道造詩集 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1988年3月16日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784003112113

感想・レビュー・書評

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  • 夜だー全ての窓に燈はうばわれ

    日が落ちたので、空は着物を脱ぐと、鳩の時計にもう夜よとそっと教える

    貧乏な天使がことりに変装する

    いっそ潮風でも吹いて来て、海が広がってくれればいい、この窓からヨットに乗るんだ

  • 「ときには詩集を片手に」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=070298

  • よく分からなかった...

  • 夏へ
    歌ひとつ
    詩は

  • #bookoff

  • やさしいソネット。

  • 青年時代に憧れた「立原道造」の世界。現在、再び全集が刊行されているので、主要な詩を読んでみたくなりました。むかし、あれだけ甘酸っぱい印象があり、この歳になって読むのは恥ずかしいと思っていたものですが、どうしてどうして!甘いというよりも、自分に問いかける哲学的な文言の多さに、新たな感動です。道造の詩には「おまへ」が度々登場し、それが恋人(水戸部あさい)だと思っていましたが、実は自分自身を客観視している場面、或いは自然を指しているように思えてきます。このほか、多い言葉に「しづかに」「私は・・・していた」という過去形、「なぜ?」「?」などの問いかけが本当に多いです。70年ほど前に亡くなった詩人でありながら、その文体の現代性、その新鮮な言葉が驚きです。以前は特に好きなのは『萱草に寄す』からは「のちのおもひに」「虹とひとと」「夏の弔い」などの過去を振り返り、失ったものの大きさに圧倒されるような詩の数々でした。今回は、『暁と夕の詩』の「やがて秋・・・」「溢れひたす闇に」の透明感、『優しい歌』の「「燕の歌」「虹の輪」「鳥啼くときに」「爽やかな五月に」の平安に満ちた情景が印象に残ります。そして『拾遺詩篇』の深い悲しみが心を打ちます。「逝く昼の歌」「草に寝て・・・」「歌ひとつ」など。

  • 身近にある幸せや美しさに気づかせてもらえる詩集。やさしい言葉で紡がれた、やさしい世界がたくさん詰まっています。

  • 詩型について書棚を変更したので、ソネットで知られる立原道造のレビューも書いておこう。
    あまりに短い生涯であったため、学業の傍ら発表された作品がほとんどである。その生涯が短くとも、道造が書いたソネットのきらめきは変わらない。ただ、齢を重ねた道造の詩がないことが残念でならない。

  • 夭折の詩人、立原道造の遺した、「詩」という名の世界。

    「夢みたものは……」、「溢れひたす闇に」、「麦藁帽子」等々、好きな作品はたくさんあるけれど、「のちのおもひに」には、感動とも衝撃とも、言葉にできない、「詩の力」を受けました。

    言葉にならない言葉を、表現するのが、「詩」なのかもしれません。

    この単行本を、リュックに入れて、バイクであちこちに出かけていた日々を、思い出します。

    旅先で、この本を、ぱっ、と、開いてみると、なぜか、そのときの自分の気持ちにぴったりの「詩」が現れるのが、不思議でした。

    全集で読んだことがあるのは、宮沢賢治と、立原道造の、二人だけです。

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著者プロフィール

1914年、東京生まれ。先祖には水戸藩で『大日本史』を編纂した儒家の立原翠軒がいる。旧制一高から東京帝国大学建築科に進んだ。13歳ころから短歌や詩を書きはじめ、高校では手製の詩集「さふらん」を作成。大学では同人雑誌を創刊し、小説や短歌を発表した。学業でも在学中に辰野金吾賞を3回受賞するなど将来を嘱望された。37年に卒業し、建築士として建築事務所で働きながら詩作に打ち込む。堀辰雄、室生犀星に師事し、音楽的に構成された繊細な十四行詩型(ソネット)を作り出した。37年に第一詩集『萱草に寄す』、『暁と夕の詩』を刊行するが、同年秋から体調をこわし、39年3月に結核性肋膜炎のため24歳で死去。入院中に第1回の中原中也賞を受賞している。34年に訪れた信濃追分の風景を愛し、多くの詩の背景としている。作品は前期のほか、没後に堀辰雄が編纂した『優しき歌』が47年に刊行、全集は戦後、数回出されており、筑摩書房が全5巻の全集を刊行。

「2024年 『混声合唱のための組曲 優しき歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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