中谷宇吉郎随筆集 (岩波文庫)

著者 : 中谷宇吉郎
制作 : 樋口 敬二 
  • 岩波書店 (1988年9月16日発売)
4.10
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  • 21レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003112410

作品紹介

中谷宇吉郎(1900‐62)は雪と氷の研究に新生面をひらいた物理学者として世界的に名高いが、また多くの秀れた随筆の筆者として知られる。「雪を作る話」「立春の卵」といった科学随筆、生涯の師とあおいだ寺田寅彦の想い出や自伝的スケッチなど、どの1篇にも随筆を読む愉しさをたっぷりと味わうことができる。40篇を精選。

中谷宇吉郎随筆集 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 実に面白かった。名文の数々。I駅の一夜は名作であると思う。

  • 16/04/22、ブックオフで購入。

  • 素晴らしいの一言.研究者ならば必読の書であろう.
    研究についての心構えや,科学とはなにかという問いかけ,また,教育についても考えさせられる短編を多数読むことができる.

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784003112410

  • 第45回天満橋ビブリオバトル テーマ「花火」で紹介した本です。

    https://www.facebook.com/bibliobattle/photos/a.674907549228113.1073741827.322792657772939/766985513353649

  • 雪の研究で有名な物理学者、中谷宇吉郎の随筆集。一般的な科学者のイメージとは程遠い、親しみを感じさせる文章は夏目漱石の友人でもあった師匠、寺田寅彦の影響だろうか。師の訃報や弟の早逝に対する言葉はやはり悲しみの色が隠せないが、全体として時代や科学に対する暖かくも誠実な眼差しを感じさせ、戦後に関する言説は現代にもなお通用する。特に、科学が難解になる程その誤用が氾濫する「知の欺瞞」的な問題意識を昭和30年代の頃から持たれているというのは驚きであった。科学を愛し、文化を愛した人の言葉は、こんなに優しくも突き刺さる。

  • 読み進める程に、ワクワクがとまらない。
    この先生はワクワクの天才だ。

    科学の進歩が、必ずしもすばらしいとは言えないご時世ではあるけれど、「科学っておもしろいなあ!」という感動を失う必要はないと思う。

    科学の面白さを、もっと知りたくなる。

  • 雪の研究と「雪は天から送られた手紙である」という言葉で有名な著者の随筆集。

    大きく分けて
    ・雪の研究に関する話(こぼれ話的なもの)
    ・趣味・日常の話
    ・寺田寅彦(著者の師にあたる人物)の思い出
    ・科学随筆
    から成る。

    著者の師匠にあたる寺田寅彦はユニークな発想を持つ物理学者でありながら、随筆の名手としての顔も持っていた。

    寺田寅彦は夏目漱石に俳句を習っていた、という経歴の持ち主。
    「我輩は猫である」にいつも妙な実験をしている物理学者、水島寒月という人物が登場するが、この人物のモデルこそ寺田寅彦だと言われている。

    師匠が自分の専門以外にも俳句をたしなんでいたように、弟子の著者も南画(水墨画のようなもの)を趣味としていたり、科学随筆を書いたりして、正に「この師匠にして、この弟子あり」という感じがする。
    (南画を書く事についての随筆も収録されている)

    本書の中、師の思い出についての随筆の中で「茶碗の湯」という師匠の有名な科学随筆に触れ、その内容を絶賛しているが、著者自身の科学随筆もかなり面白い。
    特に印象に残ったのは「地球の丸い話」「千里眼その他」「立春の卵」の3本。
    「地球の丸い話」は観測の精度についての話、残り2本はタイトルから想像がつくかもしれないが、ある種の「熱病」についての話で、現在も(おそらく将来も)同じような話には事欠かないだろう。


    冒頭に挙げた「雪は天から送られた手紙である」という言葉。

    最初は雪を詩的に例えたものとばかり思っていた。
    が、「雪」(本書とは別の著作)を読むと、文字通りの「手紙」という意味で使っている事が分かる。

    それによると、雪の結晶の形は上空の気温によって変わってくるらしい。
    そのため、雪の結晶の形を調べることで上空の気象状態が分かるので「手紙」と言っていたのだ。

    師匠の寺田寅彦も知り合いの地質学者を訪れた時、「石ころ一つにも地球創世の秘密が記されている。我々は、その"文字"を読む術を知らないのだ」という旨のことを言ったのが、随筆に残っている。
    また「茶碗の湯」では茶碗から立ち上る湯気をダシに気象現象などを子供向けに解説している。

    身近な現象の中にこそ、大きな自然の謎を解くカギがある。
    しかも自然は、その謎を隠しているわけではなく、常に語りかけているのに人間の方がその言葉を理解することができないでいる、という考え。

    そんな師匠の影響を受けたからこそ、「雪は天から送られた手紙である」という言葉に繋がったのだろう。
    惜しむらくは、あまりにキレイにまとまりすぎたため、自分のような勘違いをする事がありえる、という点か・・・。

    ちなみに、マイケル・ファラデー(電気分解の法則や電磁誘導の法則で名を残す)は「ロウソクの科学」で1本のロウソクが燃える現象をダシに子供向けに化学を解説している。
    もし寺田寅彦や中谷宇吉郎がファラデーと会ったら、かなり話が盛り上がることだろう。

    「一は全、全は一」
    というのは「鋼の錬金術師」(荒川弘)で出てきた考え方だが(どうやら一神教にもそのような考え方があるらしいが)「一」から「全」を想像するのは、かなり難しそうだ。

  • 優れた研究論文は探偵小説のようにスリリングで魅惑的なのだと、『「霜柱の研究」について』と『「茶碗の湯」のことなど』を読んで思った。
    女子学生による研究と物理学の恩師による研究を、新鮮な驚きとともに読み進める著者の視点がとても良い。
    以前、中谷宇吉郎の雪の科学館でご本人のパネル写真を拝見して、キラキラと目の綺麗な人だと感じたことを思い出した。

  • 1-1 科学論・科学史

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