- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003112410
作品紹介・あらすじ
中谷宇吉郎(1900‐62)は雪と氷の研究に新生面をひらいた物理学者として世界的に名高いが、また多くの秀れた随筆の筆者として知られる。「雪を作る話」「立春の卵」といった科学随筆、生涯の師とあおいだ寺田寅彦の想い出や自伝的スケッチなど、どの1篇にも随筆を読む愉しさをたっぷりと味わうことができる。40篇を精選。
感想・レビュー・書評
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岩波文庫緑
雪研究の物理学者 中谷宇吉郎 随筆
軽い科学エッセイ、戦争や原子爆弾の論述、科学や研究のあるべき姿、師匠 寺田寅彦 の追憶 が面白い。
科学者の偏愛さ、弱さが詰まった1冊。著者の研究姿勢は素晴らしい。研究を諦めないし、発見を見逃さない。科学者は 自分の研究分野が 本当に 好きなのだと思う。
半面、原子爆弾完成の背景も 科学者では 自分の研究を抑制することは出来ない 弱さにあるとも思った。
著者の研究姿勢
*偶然に遭遇した現象は 見逃さない
*研究をやめない。自分の研究に 確信がなくても、実験が面白いから続けるという 加減の良さ
科学とは
*科学が戦争の役に立つが、それは科学の本来の姿ではない
*科学は 自然と人間の純粋な交渉であって 本来 平和的なもの
*科学の発達は原子爆弾を作る〜それで 何百万人の人間が殺された場合 それは科学の責任である。作らなければ 使えないから
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実に面白かった。名文の数々。I駅の一夜は名作であると思う。
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優れた研究論文は探偵小説のようにスリリングで魅惑的なのだと、『「霜柱の研究」について』と『「茶碗の湯」のことなど』を読んで思った。
女子学生による研究と物理学の恩師による研究を、新鮮な驚きとともに読み進める著者の視点がとても良い。
以前、中谷宇吉郎の雪の科学館でご本人のパネル写真を拝見して、キラキラと目の綺麗な人だと感じたことを思い出した。 -
〈本から〉
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中谷宇吉郎さんの本を読むとワクワクした気持ちを思い出す。何度も読み返したい。
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第6回(文理横断ビブリオバトル)
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文 庫 914.6||N
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16/04/22、ブックオフで購入。
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素晴らしいの一言.研究者ならば必読の書であろう.
研究についての心構えや,科学とはなにかという問いかけ,また,教育についても考えさせられる短編を多数読むことができる. -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784003112410