中谷宇吉郎随筆集 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 樋口 敬二 
  • 岩波書店
4.12
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003112410

感想・レビュー・書評

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  • 実に面白かった。名文の数々。I駅の一夜は名作であると思う。

  • 雪の研究で有名な物理学者、中谷宇吉郎の随筆集。一般的な科学者のイメージとは程遠い、親しみを感じさせる文章は夏目漱石の友人でもあった師匠、寺田寅彦の影響だろうか。師の訃報や弟の早逝に対する言葉はやはり悲しみの色が隠せないが、全体として時代や科学に対する暖かくも誠実な眼差しを感じさせ、戦後に関する言説は現代にもなお通用する。特に、科学が難解になる程その誤用が氾濫する「知の欺瞞」的な問題意識を昭和30年代の頃から持たれているというのは驚きであった。科学を愛し、文化を愛した人の言葉は、こんなに優しくも突き刺さる。

  • 優れた研究論文は探偵小説のようにスリリングで魅惑的なのだと、『「霜柱の研究」について』と『「茶碗の湯」のことなど』を読んで思った。
    女子学生による研究と物理学の恩師による研究を、新鮮な驚きとともに読み進める著者の視点がとても良い。
    以前、中谷宇吉郎の雪の科学館でご本人のパネル写真を拝見して、キラキラと目の綺麗な人だと感じたことを思い出した。

  • 基礎研究者にエールを送りたくなるエッセイ集です。

    このエッセイ集では、ぜひ「霜柱の研究」と立春に卵が立つという話の「立春の卵」、地球は回転楕円体だけれど実はまるいと答えるのが一番正しいという話「地球の円い話」を読んでもらいたいです。

    詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120501/1335851863

  • もう一冊の「雪」と一緒に、石川県の「雪の科学館」で購入。
    作者の真摯な人柄が全編にあふれていて、読んでいて気持ちよい。

  •  中谷宇吉郎氏といえば「雪」の研究で有名ですね。そのままズバリのタイトルを冠した岩波新書の「雪」は、ファラデーの「ロウソクの科学」にも比肩する素晴らしい著作だと思います。
     さて、本書は、その中谷氏が書き連ねた随筆の中から40編を選び採録したものです。学者として寺田寅彦門下でもある中谷氏は、やはり随筆の名手でもありました。

  • 雪と氷の研究者による随筆集。

  • 雪の研究で有名な中谷先生の随筆。しっかりと筋道のたった語り口は、ヘタな文学者のエッセイよりも読みやすい。
    しかし、ついついおにぎりの話に心惹かれてしまうのは、食いしん坊の性です。

著者プロフィール

1900年石川県生まれ。物理学者。東京帝国大学理学部で寺田寅彦に師事し、卒業後は理化学研究所で寺田の助手となる。北海道帝国大学教授、北海道大学教授を務め、1962年没。雪の結晶の研究や、人工雪の開発に成果を上げ、随筆家としても知られる。主な著書に『冬の華』『楡の花』『立春の卵』『雪』『科学の方法』ほか。生地の石川県加賀市に「中谷宇吉郎 雪の科学館」がある。

「2014年 『寺田寅彦 わが師の追想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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