冥土・旅順入城式 (岩波文庫 緑 127-1)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003112717

感想・レビュー・書評

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  •  百?に初めて触れる。ものすごい書き手が昔にいたもんだと感動した。
     一種の怪奇小説ともいえる作品群は、現代ホラー小話の祖といってもいいのじゃないかしら。
     一見ぶっきらぼうで大雑把なような文体は、その実非常な効果を上げており、文章というものの可能性、潜在能力というものを改めて思い知らされた。
     作品は、直接的な露骨な表現は極力抑えられているのにもかかわらず、体内にそのまま飛び込んでくるような雰囲気があり、これはものすごいものだと思った。それは、エロ、恐怖、悲しみなどあらゆる面でそうであり、そこらへんの感覚がうまい具合に僕には当てはまった。
     エッセイも有名ということでそちらも呼んでみたいと思う。大変な刺激を受けました。

  • ひゃっけん先生お久しぶりです。




    前から欲しいなって思っていた。
    しかし何となく買っていなかった。
    古本屋で見かけたときに、ふっと、一輪の花がはかなげにたたずむ姿を思い出した。
    昔一度バラバラって読んだのだ。
    それが懐かしくってようやく手に取った。
    しかし、どの話だったか覚えてない。
    暗闇にぼんやりとたたずむ白い花。
    どこかもの悲しい、どこか恐ろしさを秘めた花。
    それが気になりようやく買う気になった。




    読み進めて、ないな、ないなと、うむむと何度かうなる。
    そしたらあった。
    「旅順入城式」の菊。
    これなの、この話本当に好き。
    美しいんだ、びくりするぐらい、
    何がと言われると、
    うん、
    指と菊を絡めての描写がねもうたまらないの、
    この人は物語は比較的軽い描写が多いが時にこんな風に見せる控えめな描写。
    さすがあの夏目漱石のお弟子さんって思う。




    非常に読みやすい物語達。
    おどろおどろしい感じが魅惑的。
    秋の夜長におすすめかな、



    2008/10/4

  • 夏目漱石の弟子ってのがすごい頷ける。
    08.04.30

  • 悪夢のような現実から、見せかけの具体性を取り除いて、百鬼園先生の丸めがねで見てみる。
    「冥途」の最後、「私」は冥途側には行けなかったのです。冥途は一体何処なのでしょうか?

  • ポプラとセット。

  • よくわからんが面白い。読もう。としか。

  • 静かな悪夢。冷たくない汗。

  • 件/木蓮/…
    どうしてこんなにも恐ろしくそしてうつくしいのか。ぞくぞくする。

  • 【NDC-B913.6】(376p ; 15cm)
     内田百間の文は、夜中に覗き込む井戸に似る。気を緩めると、そのまま深くに落ちてしまうような感覚がある。
     幻想的で、ぼんやりとした不安がある作品群のなか、お勧めなのは「件」。滑稽さと、暢気さが、不思議な可笑しみを生み出している。

  • 大好きな作家、内田百?(もんがまえに月で「けん」)の幻想(?)短編集。
    指の先一本分から先が異界に迷い込んでいるようでありながら、けれど完全に飲み込まれてはいない――。
    出版社の説明にあるように、『いまかいまかと怯えながら,来るべきものがいつまでも出現しないために,気配のみが極度に濃密に尖鋭化してゆく――』と語るのが似つかわしい作品群だ。
    全部読めとは言わないが、「道連」「冥途」「烏」の3本はぜひ。

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