東京日記 他六篇 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 431
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003112724

作品紹介・あらすじ

日常の中に突如ひらける怪異な世界を描いて余人の追随を許さない百〓@6BE1文学、後期の傑作七篇を収録。東京幻想紀行とでもいうべき「東京日記」をはじめ、「白猫」「長春香」「柳検校の小閑」「青炎抄」「南山寿」「サラサーテの盤」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 百閒先生の描き出す、得体の知れなさが好きです。
    表題作「東京日記」の、現実にある場所を舞台にしているのに、ひゅっと異界に引き込まれている感じ。
    そして、少しは驚くものの、割とおとなしくその状況を享受している語り手にも、なんだか惹かれてしまうのです。
    独特のおかしみに、ついついにやりとした笑いが浮かんでしまいます。

    でも、人間の情念が描かれる物語の中には、背筋がぞっとするものも。
    特に「南山寿」に登場する金縁眼鏡の男の、ねっとりとした粘着質な感じがなまなましくて「うげっ」と声を漏らしてしまいました。

  • 薦められて読んだけど、私には理解出来ず。
    とてつもなく素敵な日本語が散りばめられていて、
    そこは好きだった。

    でも何が何やら分からない、取り留めのない話ばかり。
    きっとそこが良い点なんだろうけれど、
    私には合いませんでした。
    残念。

  • 表題作が一部「1Q84」に引用されたようなのでご存じかもしれません。『東京日記』はもちろんですが、『長春香』と『柳検校の小閑』が特にお薦めです。二作とも関東大震災で亡くなった琴の女弟子についての惜別の情が…などというのは抜きにしてとにかく文章の巧さに震えます。

    オススメ:『白猫』『長春香』『柳検校の小閑』
    特に特に『柳検校の小閑』は、半端な恋愛小説を吹っ飛ばしてしまいます。

  • 収録されている「南山寿」を読んでいて
    ああ、おんなじだぁと思ったわ

    「ときめくことはある?」

    まず「南山の寿(南山のじゅ)」という四字熟語の意味をネットで調べた
    「詩経 小雅,天保」にある語で、終南山がいつまでも崩れないように、事業が永遠である意から、 人の長寿を祝う言葉。(大辞林 第三版より)
    だそう
    「終南山」というのは実際に中国にあって漢詩に多くうたわれるとある
    韓国にも南山という山があるらしいし、日本の名古屋にも南山という地名がある
    (蛇足)

    この「南山寿」という百けんの短編は

    「最早世間に用のない身体である」という退官したばかりの元先生が
    雨のひどい吹き降りの家の中で
    「じっと座っていて何を考えると云う取りとめもない」生活をしているのだが

    妻には先立たれるわ、後任の先生にはおちょくられるし
    職探しをしてもうまくいかずでもやもやとしている様子が
    百けん独特のぞわっとするような調子でたらたらと続くのである

    戦前の作だから主人公は50歳代だ、今の65歳くらいにあたるのか
    70歳代かもしれない

    昔も今もおんなじだ(ということを発見した)

    この主人公は恩給があってさしあたりの生活に困らないけれども
    何か張り合いのあることがないか、どうかと、もがきにもがくのである

    ま、結末はあっと驚く(笑っちゃう)のではあるが

    やっぱり特異なうまい作家

    しかし、長寿って寿(ことぶき)かねえ
    先日104歳の姑を見舞って、つくづく思ったわ

  • 2018/02/12 読み終わった。
    盲目の人の見る世界を文章にしている。むんにゃりする感じがいい。

  • 淡々とした中に、不思議な怖さがあって、大好きです。

  • 柳検校の小閑が良い。気難しい盲人の琴の師匠のはがゆい恋だ。(琴の師匠は盲人が多いな)
    喧しく浮わついた弟子の生意気な口を打とうと手を振り上げるも盲だから相手には届かずかわりに琴を大仰な音を上げ倒してしまい顔も手足も石になったかのように動けなくなりじっとする柳検校がたまらない。歯がゆさは盲人だから歯がゆいのか気難しい性格だから歯がゆいのか、どちらも兼ねているからこうもうまく立ち回れないのか。

    南山寿は引用文の通りまともではなくなってしまった恋の話。そこに不気味さも加わるからことさら面白い!

  • 静かで情緒的で美しい不気味さがたまらない!『東京日記』『南山寿』『サラサーテの盤』が好き。

  • 短編集。
    今まで読んだことのなかったタイプの作品。教訓とか起承転結とか落ちとか、そういうことを考えてると読めない。
    日常の中にある、夢と現の間というか、ぼんやりとした世界が細やかに表現されている。ぞっとするのに、思わず吹き出してしまうような文章もあり、妙にクセになる。
    表題作の「東京日記」が好きだけれど、「柳検校の小閑」も切なくて好き。「東京日記」の中でも特に、丸ビルの話とトンカツ屋の話が好き。
    全体を通して、麦酒が飲みたくなる。もちろん壜(びん)で。

  • 読み易く雰囲気はいいが、不思議な世界についていけないこともあった。読み易いのは現代語版だからかも知れない。

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