宮柊二歌集 (岩波文庫)

著者 : 宮柊二
制作 : 宮 英子  高野 公彦 
  • 岩波書店 (1992年11月16日発売)
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  • レビュー :5
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003113813

作品紹介・あらすじ

濃やかな情愛と孤独な自己凝視-。戦後の代表的歌人宮柊二の全歌集から抜粋。作者は昭和初年に青春時代をおくり、苛酷な戦闘を体験し、戦後40年、誠実な一生活者として生きた。優れた戦争文学『山西省』のほか、サラリーマンの日常、家庭生活を詠い、生ある者への愛惜をこめた数多くの秀歌は人々の深い共感を呼ぶ。

宮柊二歌集 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  4月24日(第4火曜日)の午後1時より、喫茶店で短歌研究会B第23回が持たれた。同・A第44回は、今月19日に持たれた。
     2月2日の記事、短歌研究会B第22回以来の、研究会Bである。
     喫茶店に早目に来て待つこと数分、現われたのはTさんである。Mさんはご家族の入院で、遅れるか、来れないかも知れないとのこと。
     僕にも不安があって、外出用の眼鏡とパソコン用の眼鏡を、取り違えて使っていた。視力0・1以下の僕が、ブルーライト・カットだけのパソコン用眼鏡で、よく車を運転したものだ。デザインが似ていて、以前にも何度か間違えており、気を付けたい。
     研究会Bは、岩波文庫「宮柊二歌集」(宮英子・高野公彦・編)の読み込みである。
     今回は、歌集「日本挽歌」(1953年)の「地の塩」の章(113ページ)より。
     初めの「竹群に朝の百舌鳴き」の結句「冬の塩」の字足らずは、中句の「いのち深し」(自分と百舌の命だろう)の詠嘆と相俟って感銘深い。
     「蠟燭の長き炎のかがやきて揺れたるごとき若き代(よ)過ぎぬ」は、名歌として有名である。Tさんが、宮柊二には、蠟燭の歌が幾つかある、停電の多かった時代としても、と指摘する。
     第6歌集「多く夜の歌」(1961年)に入る。
     「灰皿」の章(117ページ)の「竹群(たかむら)の空青青と音なくて寂しき春の時間ぞ長き」に、僕は掛り結びと空き時間を、Tさんは春愁を指摘した。
     「雛祭り」の章では、「はうらつにたのしく酔へば」の歌を、Tさんが好むと述べた。
     20分くらい遅れて、Mさん登場。
     「竹群(たかむら)に春の疾風(はやかぜ)うちとよみ」の歌は、なぜ「はやち」と読ませなかったか、わからない。
     「北海道羈旅」の章では、「春楡の午(ひる)の林に入り来ればこゑもの憂くて郭公鳥啼く」をMさんが好みだと述べ、彼女の歌風に通うと納得した。
     午後1時45分頃だったが、僕の眼鏡とMさんのご家族のこともあり、研究会を打ち切った。

  • 「ひきよせて寄り添ふごとく刺ししかば声も立てなくくづれおれて伏す」いつぞの新聞で取り上げられていたこの歌に驚いて宮柊二の名を知る。それを収める山西省が欲しかったけれど高い中古しかなかったので本書を購入。
    詩歌をうまく解す心が私には十分ないが、通底する悲哀の上に戦争の過酷さ、怜悧な自然描写、家族を想う気持ちがないまぜになった歌歌にはっとさせられた。
    晩年の体の不調とともに厳しさを失った歌にはさほど心を動かされなかったものの、一冊を通して追いかけた戦前戦後を生きたひとりの最期を看取るような気持になった。

  • 流れつつ藁も芥も永遠に向かふがごとく水の面にあり

  • 「現代短歌 そのこころみ」でいちばん印象に残った歌人。

    「山西省」の後記は図書館で借りた全集のをコピーして持っています。各歌集の後記は岩波文庫には収録されていないのが残念。

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