山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
4.06
  • (137)
  • (78)
  • (116)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 901
レビュー : 118
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003114513

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 君子の勇とは義の立つることの謂である

  • 展示中 2014.9~

  • この短編小説は、私がみなさんぐらいの年齢で読んで、強く心を引かれた作品です。この作品には、虎に変わってしまったある男の孤独と悲しみが描かれています。どうしてこの男は虎に変わってしまったのでしょう。作品には、「人間はだれでも猛獣使いであり、その猛獣にあたるのが、各人の性情だ」とあります。性情とは性質や心情のことです。もしあなたの心の中に「猛獣」が潜んでいるとすれば、それは一体何なのでしょうか。いつもはあなたにコントロールされていますが、ここぞとばかりに現れて、あたなの心を凌駕する大きな力は何でしょう。(先生推薦)

    ↓利用状況はこちらから↓
    http://lib.nit.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=NP09420729&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 脳味噌人間のコンプレックス身につまされる。”どうも曖昧だな!余り見事な脱皮ではないな!”それはそれとして文体がかっこよすぎてさいこー

  • 主に中国古典・南洋滞在エッセイ・南洋以外の経験エッセイが収録された作品集。

    「李陵」を読み始めたもののなかなか頭に入ってこず、これは読破できるのだろうか…と心配になった私。しかし気付けばどっぷりはまり中国史への興味がうなぎのぼりに。
    処罰を受けた司馬遷の葛藤の描き方が素晴らしい。

    西遊記の沙悟浄が悟空について語る「悟浄款異」も面白い。この上なく生命力に満ち満ちた賛美は今後も出会える気がしないほど。筆が生き生きしてます。そして最後の1ページの悟浄のいじましさときたらもう。あの姿を差し引いても愛おしい気持ちが抑えられません…!
    「牛人」も中国古典版ホラーといった感じで不気味さ満点です。

    自身の経験を書いた随筆はちょっと病的だったり、世界観のゆるさが「李陵」などと比べると見劣りしてしまったりでそこそこ。
    どのキャラクターも哲学的な考察が多く、味わいながらじっくり楽しんだ中国創作ものが気に入った。
    この一冊で中国時代モノに開眼した私、水滸伝や三国志など四千年の歴史に挑む覚悟です。

  • 本当は青空文庫で。

    「臆病な自尊心と尊大な羞恥心との所為である」
    と。

    あたし?

    なんだろう。
    今、あたしが好きな小説たちにはないズドンと響く感じは。

    あたしの中の猛獣も、まわりの人たちを苦しめている。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“あの人が買う本”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/01.html

    千駄木の往来堂を訪れたアナウンサーの徳光和夫さん。
    色々と悩んだ末、最終的に購入したのが
    岩波文庫の「山月記・李陵 他九篇 」。

    徳光さんは
    「僕にとって人生の座標軸となった本。
    男の生き方、男って言うのはこれほど複雑でこれほどまでに雄としての役割というのがあるというのを教わった。
    これをいま読み直して、孫娘にでも伝えたいですね」
    と話しお店を後にしました。


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php

  • 改めて読んでみたくなって、中島敦を手にとった。

    本書を編纂するにあたり、解説を書いた氷上英廣氏は李陵に代表される中国物、悟浄出世に代表されるユーモアと哲学を交えた短編、環礁に代表される南洋物とおおまかに3種類に分けている。それぞれに趣の異なる作風だが、私自身としては、やはり中島敦の代表作「李陵」が良かったと言わざるを得ない。わずか50ページと非常に短い小説だが、凝縮された内容に、長編を読んだほどの満足感がある。

    今回あらためて中島敦を読んでみて思ったことがある。
    中島が主人公に据える人物は、皆おしなべて「優秀だが十分にその道を極めきれず、そばにいる極めた人物にさまざまな思いを抱く」という特徴を持っていることに気づいた。李陵しかり、悟浄しかり。彼ら自身、それぞれに有能ではあるのだけれど、その想いの部分が徹底しきれず、運命に翻弄されてしまう。それと対比して描かれる人物は、自らの道を極め、思いを徹底したがために、運命を自ら切り開いていく。その姿に、主人公たちは煩悶しながらも憧れを抱く。

    おそらく、中島自身がそのような思いを抱きながら創作を続けていたのではないか、と考える。

    33歳の若さで亡くなっていった中島敦。その到達点を見たようでいて、おそらく彼自身はまだまだ、十分であるとは思っていなかったのだろう。そんな思いを抱きながら、本書を読み終えた。

  • 『山月記』と『悟浄歎異』がお気に入り。
    身に覚えがありすぎて、胃が痛くなりますが…、
    同時に『苦手なりに人に交わって、切磋琢磨しながら生きよう』と、前向きな気分にさせられます。

  • 「山月記」が短いけど含蓄があって耳に痛い話でした。
    真理を探究し懊悩する「悟浄出世」も自分が知ってる西遊記とは全く視点の違う話で面白かった。

全118件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

中島敦

一九〇九年(明治四二)、東京・四谷に生まれる。三〇年、東京大学国文学科入学。三三年に卒業し、横浜高等女学校に国語科教師として就職。職の傍ら執筆活動に取り組み、「中央公論」の公募に応じた『虎狩』(一九三四)で作家としての地位を確立。四一年七月、パラオ南洋庁国語編修書記として赴任。持病の喘息と闘いつつ『山月記』『文字禍』『光と風と夢』等の傑作を書き上げる。四二年(昭和十七)、職を辞して作家生活に入ろうとしたが、喘息が重篤となり、同年十二月に夭折。

「2019年 『南洋通信 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)のその他の作品

中島敦の作品

ツイートする