山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)

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レビュー : 118
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003114513

感想・レビュー・書評

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  •  新潮文庫に載ってない分の作品が読みたかったので。

     中島敦の文章好きだなぁ。読みやすい。
     多くの作品で、「それを考えることが偉いなんて思ってないし、思いたくもないんだけど、無視できている人の神経がわからない」っていう、考える自分自身への葛藤みたいなのがあって、すごく共感しながら読んでた。

    「文字禍」「悟浄出世」「悟浄歎異」「狼疾記」が好き。
     悟浄の、旅の仲間達を尊敬しながら見てる様子、かわいかった。

  • 山月記はやっぱりおもしろい。
    個人的には狼疾記が、読みながら苦しくてしょうがなかった。
    地下室の手記と近い。

  • 「虎になった男の葛藤」
    男は虎なのよ気をつけなさい。

  • 何年か前にまとめてたくさんの小説を読みました。多くは手放し(駅の○×文庫に寄贈)、ほとんど手元に残っておりませんが、気に入って残っているものの一冊です。「弟子」・・・孔子の弟子子路のついての物語。

    今でもとても強く印象に残っており、自分の行動について一つの指針となっております...少し大げさですが..

  • 授業で「山月記」を扱った流れで。
    「悟浄歎異」と「悟浄出世」がなんとも言えず、好き。

  • 中学の教科書にあって、トラウマになった一冊。中国の古典の再発掘モノはやっぱり面白い。芥川の杜子春や鼻などと引けをとらない。
    また、漫画の"うしおととら"を思い出した。

  • 高校の頃の読書感想文は『山月記』でした。ちょっとでも物書きとか絵描きといったことに、いや,、なんであれ何かに打ち込んだことがあるひとならばすごく身にこたえる作品です。相変わらず涙腺のゆるい私は初読で泣いてしまった…高校の授業中にもうるっときた…。これは李徴に感情移入したばかりではなくて、我が身と照らし合わさずにはいられないものがあったから。
    李陵、司馬遷、蘇武の三人を描いた『李陵』。男とはこういうものだ!ズギャーン!みたいな派手さはないものの(ないのか)、でも私にはそう感じられたなあ。三者三様の男たち、それぞれの運命に苦悩し、生きていく。もしくは、生きざるをえない。男とはかくも生きづらい生き物であるのか。
    歴史上あまりに偉大なる学匠、孔子。その高弟子路を主人公とした『弟子』は、中学や高校で漢文、論語だとかをやる前に読んでたらもっと見方が変わったんじゃないかと思いました。特に孔子。若かりし頃の私にとって、孔子はとにかく胡散臭いおじさんだなぁぐらいにしか考えられなかったもの…はずかしいことだ…。子路を見つめる孔子のたしかなまなざし、美しいほどの純粋のあまり孔子という大人物の傍にありながら何をも求め欲することのない子路。この、弟子というには不思議な、しかし孔子との出会いより片時もかのひとの弟子たることをやめなかった、ある珍しい男の話。
    中島敦の文体は、漢文を訓読したような、硬さっていうわけじゃあないな…しっかりとした堅さのある文章だと感じます。読み応えがあって、でも文章そのものはごくごく簡潔にできてる。登場人物に対して贔屓がない。でも愛情がないわけではなくて、公平で平等、真摯に綴られた文章は気高くて胸に真っ直ぐ届く。響く。こんな文章が書ける人はそういないだろう。すごい。

  • 臆病な自尊心と尊大な羞恥心

  • 漢文詩的な書き方で、美しい言葉の響きと流れを持ち、心の中に分け入りながら、人間の機微に巧く触れてくる書き手だ。

    『人生は何事をも為さぬには余りにも長いが、何事かを為すには余りに短いなどと、口先だけの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ』

  • 2010年2月5日第9回ブッククラブ『山月記』: (感想)おもしろい/矜持の高さが招いた悲劇/不条理/虎は死しても皮を遺す 後世に名を遺そうと詩作するが虎になる 中島敦は若くして亡くなったが読みつがれる作品を遺した/作者の内面吐露、告白/漢学の素養たっぷり/リズムがあって読みやすい/最後のあの詩はいいの? (後記)昨年は中島敦生誕100年で新聞や雑誌に特集記事。参加者皆再読。好評。高評。もっと中島敦を読んでみたいというリクエスト。
    2010年6月5日第10回ブッククラブ『李陵』 : (感想)山月記よりおもしろい/難しい/山月記の方がいい/司馬遷の述而不作(述べて作らず)心に残った (後記)ブッククラブの期間が空きすぎて話が作品からそれて感想が出なかった。図書部員がっかり。

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著者プロフィール

中島敦

一九〇九年(明治四二)、東京・四谷に生まれる。三〇年、東京大学国文学科入学。三三年に卒業し、横浜高等女学校に国語科教師として就職。職の傍ら執筆活動に取り組み、「中央公論」の公募に応じた『虎狩』(一九三四)で作家としての地位を確立。四一年七月、パラオ南洋庁国語編修書記として赴任。持病の喘息と闘いつつ『山月記』『文字禍』『光と風と夢』等の傑作を書き上げる。四二年(昭和十七)、職を辞して作家生活に入ろうとしたが、喘息が重篤となり、同年十二月に夭折。

「2019年 『南洋通信 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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