- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003115114
感想・レビュー・書評
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岸田劉生 随筆集。芸術論やプロ論として面白い。一流芸術家の独創性、創作思想など 一流たる理由がよくわかる。読む前と後では 麗子像の見方が、写実的なものから 観念的なものへ 変わった
麗子像から 内なる美〜芸術的稚拙感、卑近美、静的で神秘的、老熟な落ち着き から 生まれる 民族的な美〜を抽出した気がする
芸術論
*芸術は ただ力である
*写実は 美術の一般的な道だが 写実のみが美術ではない
*見えたように正直に描く〜見えた通り描いても非凡となることが 尊い
*芸術は 味をつけて煮たものでなければならない〜生のものを芸術的に殺して 料理して 煮て食わす
*優れた画には 芸術的稚拙感が加わっている〜一見まずそうに見える不思議な美
*美は 結局、無限に帰する
東洋美、古い日本の美
*内からにじみ出た民族的な美
*卑近美(卑しさや下品に見える美〜端正など露骨な美の条件とは正反対)
*露骨な美が避けられている〜そこに 深さ、無限さ、神秘さがある
*深さ、蘊奥(うんおう)、味わいにおいて 西洋美より勝る
*東洋美は 陰的、神秘的〜老熟、落ち着き
現代の日本の美、西洋美
*民族の心、内なる美が変化
*静がない、忙しい美
*西洋美は 陽的、現実的〜西洋美術は 露骨に生きている→若くて生き生き
デカダンスの考察
*芸術的な堕落、道徳的な堕落
*デカダンス芸術は 芸術としての本道ではない
*美と反対のグロテスクは、より深い美を含蓄詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずっと昔から「麗子微笑」を描いているひとは
いっちゃっている人だと勝手に思っていたのですが。
実際、いっているところもあるけど、
お金持ちでぼんでわがままなあたらしもの好きなおじさんでした。
まさに明治の金持ち。
大好きなバーナード・リッチと交遊があったところが衝撃。