量子力学と私 (岩波文庫 緑 152-1)

著者 : 朝永振一郎

制作 : 江沢 洋 

• 岩波書店 (1997年1月16日発売)

感想・レビュー・書評

[bon appetitさんの感想 · 2023年4月4日]

　ノーベル賞を取る人や天才と呼ばれる人たちに対して私たちが抱く「全部順風満帆なんだろう」という思い込みがいかに的外れか教えてくれる。

[chagaleさんの感想 · 2013年10月20日]

ノーベル賞科学者って、一体、どんなことを考えるんだろう。
単純な思いつきで本を手にとった。
湯川秀樹、朝永振一郎。物理学が原子の世界に踏み込んだときにぶつかった壁。
それまでのニュートンやファラディ、マックスウエルといった人たちが打ちたてていた力学や電磁気学が、原子の内部には通用しないことを思い知らされた。それらに変わる原子世界の法則として量子力学がまとまった時、物理学の革命といわれた…
細かなことに入っていくと、分からないことだらけ。
でも、この本の冒頭に置かれた「鏡のなかの世界」という短文は刺激的であった。
どこかで聞いた議論ではあるのだが、鏡に映った世界の右左が逆になるのは子供でも知っているが、「鏡にうつった世界は何も右と左とが逆にならねばならぬ理由はないではないか。たとえば上と下とが逆になったように見えてなぜ悪いのか」と「疑い深い男」が問題を提起すると、中々にこれを説明することができない。
「当たり前のこと」と思っていることを疑うところから、科学は始まる。

[yoさんの感想 · 2010年8月16日]

図書館で借りた。

朝永振一郎の講演の記録や日記がまとめられている。

量子力学でなぜ日本人がノーベル賞を取れたのかが、何となく分かり嬉しかった。
日記からは気弱でサボりがちな人に見えて意外だった。

[pn11さんの感想 · 2008年6月3日]

この岩波文庫は青ではなく、緑である。つまり、日本文学として売られているのである。朝永先生の世代は量子力学とともに育ってきた世代であるから、どういう風に量子力学が発展してきたかについてやたら詳しく、その辺りのことが何度も述べられるので正直飽きる。しかし噂に聞いていた「光子の裁判」は確かに素晴らしい。それに、冒頭の鏡の話も面白い。解説は編者。

[おぬまさんの感想 · 2023年9月5日]

図書館で借りた。
ノーベル賞を受賞した朝永振一郎先生のエッセイ集といったところか。岩波文庫で緑(現代文学)に分類されており、「小説…なわけないよな」と興味を持って借りてみた。
日記的な部分は、正直そこまでインスパイアされなかったが、「素粒子は粒子であるか」の解説は刺激を受けた。そういう考え方かぁ～と。

まぁ、すき間に気軽に読む読み物として丁度よかった、という感じを受けました。

[あんずさんの感想 · 2022年9月17日]

日記や講演がいくつか収録されている。滞独日記のみ読んだ。物理学のことは全くわからないけれど、柔らかい語り口で読みやすく、研究がうまく進まないことに対する悩みや焦りは、自分でも想像できた。ノーベル賞受賞者も同じ人間なのだなと思わせてくれる。（笑）ここでは省略されていた記述もあったみたいなので、すべて読みたい。

[夜田わけいさんの感想 · 2021年11月11日]

『光子の裁判』が読める本。あと、素粒子は粒子ではなく、場のようなものらしい。面白い。

[koyama1026さんの感想 · 2019年5月31日]

18.9.2
最終講義　福岡伸一　

[dekadannaさんの感想 · 2018年11月12日]

量子力学を学んでいたころのわくわく感を思い出した。
物理学好きな学生に一読を勧めたい。
学生の頃に読んでいたら、もしかして研究者への道を歩んだかもしれない。

[yoshio2018さんの感想 · 2018年10月11日]

ノーベル賞を受賞した故朝永振一郎先生の著作。量子力学黎明期の様子が描写されている。波動と粒子の両方の性質を持つものが素粒子。いや波動でもなく粒子でもなく新たなものと捕らえるべきであるとのこと。