- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003115336
感想・レビュー・書評
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借りた本。
明治天皇の軍服、より始まる。
森鷗外の母と幸田露伴の母の話は面白い!
尾崎紅葉、正岡子規、夏目漱石など。
一冊の中で、私が作品まで思い出せる人物の少なさに情けない気持ちになる。
明治期の文豪というと、同じ目線には立てないような隔たりや、価値観の違いを感じるところがある。
それは決して、前時代的隔たりではない。
自らが追い付こうとしても、追い付くことなど出来ない圧倒的な差、を感じるのだ。
この頃に残った文学作品と、これから残るであろうかという作品を比べることは出来ない。
けれど、このように素直な書き口で人物に触れられると、その圧倒的な隔たりが少しは緩和されたように思えるから不思議である。
知らない人物でも、人の後を追うことで、風を拾うことは出来るかもしれない。
ていねいにまとめられた本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内田樹さんの推薦。
今は古本でのみ入手可能。
渋い文章で面白く明治の有名人を紹介。しかし、3分の2以上がわからなくなっている。
有名人とか達人とか言われても、わずか百年ちょっとでわからなくなってしまう。むなしい感じがする。
各種の教科書、歴史小説や歴史記録ドラマなどにでてこないと、すぐにその人物は忘れ去られてしまう。そこそこの本をだしてもその存在が3世代ぐらい後になると忘れ去られてしまうのは、ちょっとショック。
(1)勝海舟:ハイカラという言葉が生まれるは、なお十年あまりの後のことであるが、ハイカラであってもよい海舟その人は、少しもハイカラではなかった。そうした点が、私には好ましく思われる。とにかく伯爵邸の玄関に、提燈がたてかけてあったのである。(p19)
(2)西郷隆盛:(落馬した明治天皇に対して)馬上から天皇を見下ろして、痛いなどという言葉を、どのような場合にも男が申してはなりませぬ、ときっぱり申し上げた。(p24)
(3)夏目漱石:(文部省が文芸委員会なるものを設置して議論を始めたことに対して)、文芸委員会などというものは、文部省という串で、委員という団子を突き刺すことをするのっだ。串刺しにされた文芸家に、何の活動ができるのか。(p168)
なんか、渋い文章で、読みやすかったが、全然知らない人の批評は、コメントしかねるね。 -
2012年4月5日読み始め 2012年4月11日読了
正岡子規や永井荷風など有名な文人から、忘れられた(とおもわれる)文筆家まで、様々な人物に関することを調べて短い文章にまとめてあります。明治天皇や勝海舟の意外なエピソードも面白いし、また全く無名の人のエピソード、たとえば大変な蔵書家、研究家であったが文を発表することのなかった人の記憶を書いた文など、幅広いです。
個人的には学校の先生だったが、礼服まで売ってしまって式典に全く出ず、ひたすら本を読み続けた人の話が面白かったです。あと、他人の蔵書があまりにも立派なんでこっそり自分のと取り替えてしまった研究者の話とか。人間臭いエピソードでした。 -
2009.10.20
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2,3年前に末松と是清のエピソードを立ち読みして以来忘れられず、執念で感動の再開
そして同じ章を二回も読み返してしまった……末松の伝記ないのかな…… -
あんまり歴史書には載っていない、でも面白い明治の人物についての本。
誰も彼も個性的。