踊る地平線 上 (岩波文庫 緑 160-1)

著者 : 谷譲次

• 岩波書店 (1999年10月15日発売)

感想・レビュー・書評

[のぶさんの感想 · 2012年4月16日]

「丹下左膳」の林不忘、または犯罪実話の牧逸馬、そして「めりけんじゃっぷ」の谷譲次、三つのペンネームを使い分けた作家長谷川海太郎による昭和初期の欧州紀行。昭和モダニズム、流行作家のスノビズム、旺盛な知識欲、ディレッタンティズムが綯い交ぜになりなり、スピード感ある文体と共に面白い。

[戸越乱読堂さんの感想 · 2008年9月17日]

谷譲次こと長谷川海太郎は林不忘、牧逸馬とあわせて三つの筆名を使い分け、バタ臭い海外物、丹下左膳が活躍する時代小説、犯罪奇譚を書き分け流行作家のスタイルを築き、働きすぎで早死にした。北海道函館の出身で末廣町の十字路の角に住まい同じ十字路に久生十蘭、亀井勝一郎の生家があり、すぐ近くに石川啄木も一時住んでいた。久生十蘭は長谷川海太郎に憧れ後を追っていた感がある。久生十蘭もまた若くして亡くなった。十蘭もまた多作であった。

[kuu☆さんの感想 · 2007年9月29日]

読書会の課題本。岩波文庫は読むのにホント時間がかかります。内容のおもしろさに関わらず！

[永月弥生さんの感想 · 2004年10月4日]

1928年、東京を出発。釜山から巴里まで満鉄ｼﾍﾞﾘｱ鉄道総ざらえで、欧羅巴一周旅行見聞録。むちゃくちゃおもしろい。独特のﾃﾝｼｮﾝも何處までがﾎﾝﾄか判らない挿話も、何も彼もが素敵だ。純粋にすごいうらやまし。