林芙美子随筆集 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 武藤 康史 
  • 岩波書店
4.09
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本棚登録 : 62
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003116913

作品紹介・あらすじ

『放浪記』『晩菊』をはじめ数かずの作品を二十余年の作家生活のうちに残した林芙美子。「随筆をかいている時は、私の一番愉しいことを現わしている時間です。古里へ戻ったような気持ちです。」苦しみの中にも明るさを失わない、その潔さは今も人々をひきつける。

感想・レビュー・書評

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  • いろんな町を「ぽくぽく」歩く、芙美子さん。
    「ぽくぽく」と音を立てて歩いたことのなかった私は
    何か新鮮だった。
    淋しさや孤独を感じながら、なんとなく歩いていく雰囲気。

    「放浪記」が売れて、大金を手にした芙美子さんは
    実家にかなりの額のお金を送る。

    『「あッ!」と云う両親の声が東京まできこえて来たような気がした。』
    とある。

    この間岩波版「放浪記」を読み終えたばかりだったので
    私にもその声が聞こえたような気がした。

    途中に色々写真が入っていて、
    芙美子さんのお母さんも写っているのがある。

    この、優しそうな物静かそうな方があのお母さんかあ、と
    感慨深し、であった。

    幼い日木賃宿で一緒になった
    浪花節語りの雲花さんが印象深い。

    『美しいひとじゃなかったが、机を前にして、
    浴衣がけで語っている処はなかなか色気があって、
    子供心に大変好もしき姿だった。』

    離れても、芙美子さんと雲花さんは文通していた。

    その後あるとき、
    芙美子さん一家が居を四国の高松に移したあと、
    雲花さんが訪ねてくる。

    居候をさせてあげたが、
    雲花さんはじっとしてはおらず、
    裁縫したり、台所仕事をしたり、
    たまに浪花節語りでいくばくかのお金を集め、
    芙美子さんに小遣い銭をくれたりする。

    このように、
    私には困った時に親類とかではない友達を頼りに訪ねて行って、
    その友達側も、親身になる、
    と言う関係性が物語の中では目にするけれど、
    実際、本当にあるんだなあ、と実感し、憧れた。

    芙美子さんの文章は、
    ああ言った。こうした。そう思った。などなど
    なんとなくたどたどしいというか、一瞬拙さを感じるのだけど、
    実はそんなことはなく、
    じーっと心静かに読み進むと、
    非常に写実的な描写であり、
    風景や感情がそのまま甦ってくる、
    と言うことがわかる。

  • クスッと笑える表現、描写
    「ぽくぽく歩く」「ばさばさと飯を食べる」
    「あはあは笑う」


    なるほどーと納得してしまう表現
    「結婚しているひとたちの恋愛には交通巡査がいる」「ほろ酔いの人生」


    また読みたい

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“文壇レシピ”で登場。
    http://nestle.jp/entertain/cafe/


    本の中に登場するあの美味しそうな一品を
    実際に再現してみよう!というこのコーナー。

    第一回目に紹介されたのは、林芙美子の随筆「朝御飯」に登場する
    トマトとピーナツバタのサンドイッチ。


    トマトをパンに挟む時は、
    パンの内側にピーナツバタを塗って召し上がれ。
    美味きこと天上に登る心地。




    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php

  • 清廉とした文章に気持ちがスッとなる。

    電話がないから、会いたい人の元へアポをとらずに直接訪れる時代もいいなぁと思ったり。

  • 『放浪記』で有名な林芙美子の随筆集です。『放浪記』出版後一躍有名となり、次々と小説を出して忙しいさなかだった昭和10年前後のエピソードが集められています。(文末の解説より)

    まださわりしか読んでいませんが、日々の何気ない出来事や物思いをつづる表現が新鮮で、ドキドキします。

    「いい作品と云うものは一度読めば恋よりも憶い出が苦しい。」

    上は、才能がありながら病気のために遠くの故郷へ帰ってしまった
    小説家の友人を、林芙美子が思い返すくだりの一節。

    ドキリ、としませんか?

    こんなはっとするような言葉がちりばめられていて、
    今は宝探しをするように少しずつ読み進めています。

  • 「なににこがれて書くうたぞ」

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著者プロフィール

1903-51。代表作に『放浪記』。

「2017年 『浮雲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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