林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 立松 和平 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 235
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003116920

感想・レビュー・書評

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  • 日本国内だけでなく、シベリア鉄道に乗ってロシア横断してパリまで行っちゃったり、日本国内でも樺太まで旅行されたり、放浪されていてとても楽しそう。わたしも旅がしたくなった。

  • まず何より、この時代に林芙美子が女一人で鉄道でロンドンまで行った、という事実に驚く。
    なんでも見ようという外へ外へ向かう目と、どこへでも行けるという内側へ内側への切なさがないまぜになっていて、読んでいて一人の旅人の小さな姿が浮かんでくる。

    当時の情勢の中で、彼女は一人のただの旅人。しかしその旅人は、自分の足で行動し、自分の目で物事をとらえる。
    それは途方もないタフさを必要とすることだと思うし、同時に圧倒的な自由だなとも思う。
    芙美子が望んでいるのは、強い自分と不安定な自由? その中で生きていくという覚悟を、彼女は自分に求めて旅の中で少しずつ確かめているのかもしれない。

    楽天的でありながら、旅を求める彼女の切実さが詰まっているように感じられた。林芙美子の著作を読んでみたら、また印象が変わるだろうか?

  • 80年くらい前に書かれたとは思えない。小難しいところはまったくなくてすごく読みやすかったし、おもしろかった。今の紀行文を普通に読んでる感じ。
    何日もかかってシベリア鉄道でパリに着いたら、何日も寝てすごし、朝、目を覚ましてさて何をしたら?と途方に暮れる、なんてなんだかすごく優雅な旅行な感じが。ひとりでカフェで仕事したり、三日月パンとコーヒーの朝食をとったりする林芙美子、かっこいい。
    パリ、樺太、大阪などさまざまな町の情景が読んでいて鮮やかに目に浮かぶような。
    すごく素直な文章で、わずらわしいことをすべて忘れたくて旅に出る、というような思いとか、旅愁、不安とか寂しさ、卑屈な気持ちなんかがたまに出てくるところもいい。

    林芙美子って、貧乏、か、森光子の放浪記の騒いででんぐり返りしてるようなイメージしかなかったんだけど、ぜんぜんイメージ変わった気がする。もっと林芙美子の書いたものが読みたくなった。

    そして、ちょっと旅に出たくなる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ぜんぜんイメージ変わった気がする」
      思わず「へー」と声が漏れました。影響を受け易いタチなので、私も読みたくなりました(先ず、このお洒落な「...
      「ぜんぜんイメージ変わった気がする」
      思わず「へー」と声が漏れました。影響を受け易いタチなので、私も読みたくなりました(先ず、このお洒落な「下駄巴里」から)。。。
      2012/07/18
    • niwatokoさん
      わたしのこれまでのイメージがまちがってたのかもしれませんが(笑)。文章も、感動や楽しさが伝わってくるけれど淡々としていて、今の女性誌に載って...
      わたしのこれまでのイメージがまちがってたのかもしれませんが(笑)。文章も、感動や楽しさが伝わってくるけれど淡々としていて、今の女性誌に載っているちょっとおしゃれな紀行エッセイみたいだと思いました。(言いすぎかしらん)。
      2012/07/19
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「これまでのイメージが」
      私も同じように思ってました。多くの人がそうじゃないかと。。。
      しかし、下駄でパリって格好良いなぁ←それが気に入った...
      「これまでのイメージが」
      私も同じように思ってました。多くの人がそうじゃないかと。。。
      しかし、下駄でパリって格好良いなぁ←それが気に入った猫でした。
      2012/07/20
  •  猫が殺される描写がある。そういうのがあると私は読めなくなってしまう。流し読みに近くなってしまうけど、それでもリアルで濃厚な内容だった。難しい漢字や描写も多いけど、全てが詳細で引き込まれる。猫の部分がなければ星5つだったかもしれないな。

  • 私からすれば林芙美子の、外国を一人旅する勇気はすごいなあ、と溜息ものなんだけれど、本人にしてみればこれらの旅はひどく切実なものだったのだと思う。行きたいから行く、というよりもむしろ、行って、自分の故郷が日本だということを、確認しているような。

  • 《目次》
    ・「北京紀行」
    ・「白河[ハクガ]の旅愁」
    ・「哈爾濱[ハルピン]散歩」
    ・「西比利亜[シベリア]の旅」
    ・「巴里まで晴天」
    ・「下駄で歩いた巴里」
    ・「巴里」
    ・「皆知ってるよ」
    ・「ひとり旅の記」
    ・「春の日記」
    ・「摩周湖紀行」
    ・「樺太への旅」
    ・「江差追分」
    ・「上州の湯の沢」
    ・「下田港まで」
    ・「私の好きな奈良」
    ・「京都」
    ・「文学・旅・その他」
    ・「大阪紀行」
    ・「私の東京地図」

  • 作家林芙美子がシベリア鉄道に乗って向かったパリ、ロンドンでの半年の滞在記を中心とした紀行文集。シベリア鉄道の旅が、乗り合わせた人々を活写して最も面白いように思う。昭和ひとけた年代の中国、シベリア鉄道は日本人、ロシア人、中国人そして西欧人が登場して国際的な雰囲気がある。当時ならではの緊迫した事情をうかがわせる描写もありつつ、踏破しかつ観察し共感する、こんな人が当時いたのか、と思わされる。

  • 7月22日 下駄の日 にちなんで選書

  • 2016.12
    船、鉄道乗り継いでパリまでの旅程が楽しい。この時代の旅は浪漫。

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著者プロフィール

林芙美子

一九〇三年(明治三十六)、福岡県門司市生まれ。幼少より両親とともに、行商の生活を重ねて九州一円を転々とし、後に広島県尾道市に落ち着く。高等女学校在学中から文才を示し、卒業後上京して多数の作品を発表する。三〇年手塚緑敏と結婚、同年『放浪記』がベストセラーとなる。日中戦争が勃発した三七年以降、女流の従軍作家として活躍した。終戦後、文学的生涯の頂点を迎え、『松葉牡丹』『浮雲』などの秀作を残した。五一年(昭和二十六)没。『泣虫小僧』『牡蠣』『うず潮』『巴里の日記』ほか著作多数。

「2022年 『愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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