浄瑠璃素人講釈 上 (岩波文庫 緑 174-1)

著者 :
制作 : 内山 美樹子  桜井 弘 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003117415

作品紹介・あらすじ

杉山其日庵(1864‐1935)は在野の国家主義者で、人形浄瑠璃愛好家としても有名。本書は竹本摂津大掾・三世竹本大隅太夫・名庭絃阿弥から聞いた話を元に、義太夫芸の「風」(様式)の追究を通じて浄瑠璃に古典芸術としての地位を確立させようとした書。上巻には「傾城冥途飛脚」から「近江源氏先陣館」まで解説50本を収める。

感想・レビュー・書評

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  • 岩波文庫緑

    杉山其日庵 「 浄瑠璃素人講釈 上巻 」

    太夫の芸風を中心とした浄瑠璃作品解説集。「菅原伝授手習鑑」「仮名手本忠臣蔵」は 面白そう

    はしがき
    *義太夫節の流行→名人の輩出→芸妙が拡大→修業は烈しく
    *もし修業か粗末になると→芸妙が廃れる→名人が無くなる
    *修業を烈しくするしかない
    *芸妙=名人優越の風〜自得でしか得られない。自得の妙風は修業の鍛錬から起こる

    「芸道は 末になると 枝葉ばかりを研究して、根本を忘れるものである〜芸道は、火の出るような修行と鍛錬でなければ、決して訂正は出来る物である」

    義太夫の芸風
    *井上播磨の芸風の長き所を縮め、宇治加賀の短かき所を伸ばし
    *声の表裏を付け、運びに 序破急を定めた
    *竹本義太夫=その文章を語る中に謳い、謳う中に語る

    「芸術は、人に聞かす物、人に見せるものと思うては間違いである。自分が人も我を忘れて、その境涯になって演ずるので、それを無心の第三者が〜見たり聞いたりする〜その無我の境になるのが 修業である」

  • 初読。正直私の力量では9割がた何が書いてあるのかわからないくらい、専門的だった。でもこの時代にはこういう旦那衆の一般教養として浄瑠璃があり、辛口の観客としてプロを追い込んでいたことがよくわかる。そして修行につぐ修行を重ねてもなお到達することのできないところに至高の芸がある。観客にさえその芸を味わえるだけの耳を厳しく求める。ヤワな芸術ではないのだ。しかし、続けて下巻を読むのは厳しいのでちょっとお休みです。

  • 素人もここまでくれば玄人、文楽を愉しむためには勉強になる

  • 立派な浄瑠璃聴きに、わたしもなりたいです。

  • 文楽についての本を読みたくなったので、これ。文楽の素人が素人に向けて書いたのかな?文庫だし、ささっと読めそう。

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