食道楽 下 (岩波文庫 緑 175-2)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (581ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003117521

感想・レビュー・書評

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  • 衛生思想や衛生法がない時代の旅行について書いてあり、今では考えられない。
    アルボース、チャツネーメアジ時代からあったとは知らなかった。
    差別的な事が普通に書いてある。これが明治の古い時代の感覚なのだろうと嫌な気分になったが、当時の感覚が知れて勉強になった。
    色んな名称が微妙に違うので勝手にこのことだろうと想像して読んでいたがあっているか怪しい。
    食道楽と言いながら、ほとんどは西洋の料理ばかりで西洋を取り入れることが必死な感じもある。
    料理本というよりは、暮しの手帖のような感じ。

  • 図書館で。
    阿川弘之のエッセイを読んだら出てきたのでちょっと興味があって読んでみました。明治のベストセラーとのことですがナルホド今読んでも中々ハイカラ。ココナッツとかこの時代も手に入って食べてたんだなあと面白く読みました。洋ナシとかマンゴーのチャツネとかもあったんだなぁ。

    とは言え。今風の簡単お出汁とかコンソメ類が無い時代なので旨みを補うためなのか砂糖の使用量が多い。昔の人はお砂糖が入っているとおご馳走だった、というのは本当なんだなぁなんて思いました。ちょっとやってみたいなと思ったのは茶碗鮨。熱くしたタレに賽の目のマグロをちょっとからめてご飯にかけて薬味と海苔もドバっとかけていただくのは美味しそう。ハイカラな料理は今読むとそれほど美味しくなさそう。お肉類も一度下茹でしてさらに煮込んで最後にクリームでカバーみたいな描写が多いしなぁ…

    そして最初から大原さんがあまり好きになれなかったのでお登和嬢はちょっともったいないんじゃない?と思いながら読んでました。大体、お代さんも可哀想。不美人なのは本人の責任じゃないし、料理がヘタだというならちゃんと教えてあげなさいよ、とも思う。
    中川兄も家庭円満の方、とか言って男性だけ外に行って豪遊するなら奥方も連れて行けと一説ぶってる割には小山さんの奥さんも同席されていることが少ないし、大原氏に至っては自分ひとりだけプラプラして中川家で美味しいものを頂戴して文句ばかり言っているとかそれは酷くない?と思ったりしました。まあ料理の啓蒙書なのでその辺りはどうでも良いのかもしれませんが…

  • この時代に、よくもまあここまで膨大多様な料理法や知識を集めたものだと感心するほかない。しかも当時の不十分な調理設備でパンやケーキを焼いたり煮込み料理を作ったり。
    現代人でも知らないものが多いはず。

  • 294回、295回、他の回と全く違う体裁になっています。レシピも出てきませんが、ピカッと光るものがあります。

  • まあ、それにしてもよくもまあ、これだけの長編を…!正直に告白すると、下巻は飛ばし読みいたしました。やや過剰すぎる蘊蓄にげんなりしたのがその理由です。でも、この作品ほど明治後半ポピュラーになったものはないそうで、鴎外や漱石主体の従来型明治文学の様相が、かなり変わることは間違いありません!

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著者プロフィール

一八六三年、豊橋に生まれる。九歳でロシア語を学び始め、東京外国語学校に学ぶ。八八年より郵便報知新聞の客員となり、家庭小説、少年向け小説、軍事小説など様々な新聞小説を執筆するほか、論説、評論、書評、随筆にも筆を振るう。一九〇三年、和洋中六百三十種の料理を盛り込んだ実用小説『食道楽』がベストセラーとなる。平塚市の広大な土地に菜園や鶏舎を設け理想の生活環境を追求、断食の研究にも勤しんだ。一九二七年没。

「2018年 『食道楽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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