ぷえるとりこ日記 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
3.42
  • (2)
  • (3)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 42
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003118016

作品紹介・あらすじ

NYの女子大生が米国準州へ調査旅行に。留学生崎子と団長ジュリアの日記が映すアメリカ人、日独メキシコ人、島民たちの反応は?漁村の家族・独立党の面々・未来の大統領候補と噂の青年…。乾いた笑いで人種感覚を突く青春小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • アメリカの女子大生によるプエルトリコ現地調査旅行の日記。
    日本人留学生の崎子と、ジュリアの日記が交互に書かれている。

  • 2人の女学生の日記の形式をとることによっての物事の捉え方の差異が面白かった。

  • 今は、きっとこの本の時代ほどには差別的な事柄が露骨ではない、と思う。


    それは、色んなものがミックスされてごちゃごちゃになっていったからだと思う。


    でも、混ぜ合うにもルールが必要で、


    そのルールに則って、ただ、差別の対象が見えてきにくいものへと変化したにすぎないような気もする。


    あからさまな差別があった時代、は、
    そればかりが浮き彫りになって「悪」に見えるけれど実は、
    その悪ゆえの多くの恩恵もあったのだろうなんて、
    最近思う。

    よりよい方向に進んでるように見えても、
    それは弱者となる対象が変わっていっただけで

    それはまるで
    「誰でもいじめられる対象になりうる恐怖におびえる学級の子」
    のようにも思える。
    今はいいけれど、長い長い目で見たらいつしか自分もその対象になってしまう、というような。

    より均質に向かい、「悪」が分散し、
    弱者の対象になった時だけ、

    ちくっとサボテンのとげにささったような痛みを味わう。


    それが、理想、なんだろうか。

  • 読みやすい。
    ちょっと古いのに、グローバルでかなり面白かった。

  •  もう五十年も前の日本人のアメリカ女子留学生と、アメリカにいるアイルランド系の女子学生がプエルトリコ(米国準州)に滞在した時の感想を交互につづったもの。日記が公開されることが当たり前のこの頃だが、なにせ五十年前だから赤裸々に自分たちの恥かしい部分を語る。特にアイルランド系のジュリアはねたみ、嫉みが半端でない。作者の体験記に近いというがかなりの近さではないだろうか。しかし後半、未来のプエルトリコ大統領候補に着物を着た日本人がプロポーズされるくだりはやりすぎだ。でもそういうのが五十年前の女子たちを勇気付けたのかもしれないとも思う。でもやりすぎだ。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

有吉佐和子(ありよし さわこ)
1931年1月20日 - 1984年8月30日
和歌山県和歌山市出身の小説家、劇作家、演出家。娘は作家の有吉玉青。日本の歴史や古典芸能から現代の社会問題まで幅広いテーマを扱い、多くのベストセラー小説を発表している。
東京女子大学英文学科入学後に休学を経て、1952年同短期大学部英語学科卒業。1956年に『地唄』が文學界新人賞候補、そして芥川賞候補となり文壇デビューを果たす。1963年『香華』で第1回婦人公論(中央公論新社)読者賞、第10回小説新潮賞を受賞。1979年 『和宮様御留』で第20回毎日芸術賞を受賞。ほか、多くの受賞歴がある。
その他の代表作に、『複合汚染』、『紀ノ川』、『華岡青洲の妻』、『恍惚の人』、『出雲の阿国』、『和宮様御留』など。

有吉佐和子の作品

ツイートする