江戸川乱歩作品集 II 陰獣・黒蜥蜴 他 (岩波文庫 緑)

  • 岩波書店 (2018年1月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784003118153

みんなの感想まとめ

多彩な推理劇が織りなす、江戸川乱歩の魅力が詰まった作品集です。初めて乱歩作品に触れる読者も、古典的な文体に不安を抱くことなく、洗練された読みやすさを楽しめるでしょう。「一枚の切符」では復讐の悲劇が描か...

感想・レビュー・書評

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  • 乱歩は話の終え方がどれも芸術的だと思う。今回読んだ作品だけでなく、これまで読んだ作品含めだ。この中では『何者』と『断崖』が好みだった。『黒蜥蜴』の世界は『パノラマ島奇譚』と重なり合っているように感じた。乱歩の世界は話は違っても全てが同じ世界線でまるで同じ時間を他人が生活しているように、登場人物の皆で世界を共有し共存している感じがする。そういうところも面白い。この作品集では推理小説ばかり入っているが、他乱歩作品の香りを常に感じた。それは自分から「人間椅子という作品があるように。。。」と述べる場合もあれば、そうでない場合もあるが、『断崖』はスタートの場面設定などからして『石榴』を彷彿とさせたがやはり終わり方も重なりを感じた。

  • 江戸川乱歩は美人が好きだなぁ。
    美しい女性が絡むと事件は華やかになる。

    探偵ものを集めた作品集で、色んなトリックが面白かった。

    1枚の切符や陰獣みたいに、真相はどうだったのかわからないままなのが好き。

    黒蜥蜴はグロさと怪しさと美しさ、時代的な古めかしさもあってよかった。
    黒蜥蜴が最後あっさりと死んじゃうのが微妙だったけど…。
    乱歩作品は絶体絶命になった犯人があっけなく死を選びがち?
    でも敵に恋するっていうパターン、割とあるあるだけど結構好き。

    断崖も罪にならない犯罪っていうのが面白かった。
    二人の会話から徐々に明らかになっていく事実と結末。
    短いけどスリリングだった。



  • 古典と言って良いが、全く古さを感じない。

  • 「一枚の切符」鉄道x夫人の殺人
    「陰獣」一人三役殺人。自分でも怖がり、他人にも気の毒がってもらいたい歪んだ心持ちが故。
    「何者」自作自演。赤井さんは、明智先生だった
    「黒蜥蜴」緑川夫人と明智先生の頭脳戦。すごくおもしろかった!
    「断崖」正当防衛によっておきた殺人。
    どれも面白く、乱歩すごい!と思ってしまった。

  • 江戸川乱歩作品集その2。

    印象に残ったのは、代表作「陰獣」「黒蜥蜴」と「何者」。

    「何者」は本格的な推理物で、この時代の海外作品にも引けを取らない名作。逆に、「陰獣」はよくこの時代に発売禁止にならなかったなと...。当時の評判はどうだったんだろう。

    「黒蜥蜴」は明智小五郎の大衆向け作品といった感じだろうか。怪人二十面相の時も思ったけど、こういう作風の時の明智小五郎は、探偵というよりももはや「ヒーロー化」されているので、子どもが読むには安心なんだけど大人が読むには物足りなさを感じてしまう。

    ただ、全体的には全くテイストの違う推理物語を読めて、非常に満足な1冊でした。

  • 『江戸川乱歩作品集Ⅱ陰獣・黒蜥蜴 他』
    江戸川乱歩 浜田雄介編/岩波文庫
    .
    「黒蜥蜴」で明智小五郎と黒蜥蜴の対決のテンポ感がとても良かった。トリックに使われた人間椅子は乱歩さんの作品にあるので読んでみたい。
    どの作品でも出てくる女性たちが怖い。

  •  収められているのは1923(大正12)年から1950(昭和25)年にかけての作品で、「推理・謎解き」をテーマとした編集。
     純粋な推理小説(謎解きオンリー)なのかもしれない「一枚の切符」は、数学の問題文のような味気なさだった。やはり何らかの情動を盛り上げてくれないと面白さがないと思う。
     次の「陰獣」(昭和3年)が傑作。ミステリではあるのだが、SM趣味の性的場面があったり、この時代によくこんなの発禁にならなかったなと感心してしまう。それほど本作は凄い。きっちりとまとまっているし、文学としてなかなか良い出来だと思う。
     対して、「黒蜥蜴」(昭和9年)は完全に大衆向け娯楽に舵を切り、昔の紙芝居のような活劇。「怪人二十面相」などと同様のものだ。こういうのは、もういいや、という気になった。これに比べたときに「陰獣」の凄さがいよいよ痛感される。

  • 江戸川乱歩の短中編5編。

    ちょっとした言い回しとか口調とかが多少時代がかっているけれど、今読んでも十分面白い。
    一番好きなのは「何者」。友人の屋敷で起きた強盗事件。居合わせた友人の脚を撃ち、金製品ばかりを盗んだ犯人とは。
    足跡のトリック、犯人の動機、入れ替わる3人の素人探偵。典型的な犯人探しの物語で、ラストのどんでん返しも効いている。

    結構映像化&漫画化されてるので読んだ気になっていたけど、そう言えば陰獣も黒蜥蜴もちゃんと読んだことはなかった。
    他の作品も読んでみようかな。

  • 新潮文庫の『江戸川乱歩名作選』に続いて思わずこちらを。2017〜18年にかけて岩波文庫に江戸川乱歩が収録されたのですね〜 知りませんでした。作品集1が在庫切れでしたので2から。
    いやー、久しぶりに読んだ『一枚の切符』『何者』も良いですが、これまた久しぶりに読んだ『黒蜥蜴』、良いですね〜 ストーリーは「お約束」ですべて先が読めてしまうのですが、そこが良い(笑)。まるで活劇を見ているような描写が、子どもの頃に夢中になって読んだ「怪人二十面相・少年探偵」シリーズを、またテレビ朝日の天地茂による明智小五郎シリーズを思い出させてくれ、◎。大いに楽しみました。

  • 一枚の切符
    陰獣
    何者
    黒蜥蜴
    断崖

    著者:江戸川乱歩(1894-1965、名張市、小説家)
    解説:浜田雄介(1959-、愛知県、日本文学)

  • 表紙の写真がすごく気になってた。解説の最後にその写真についての話が載っているんだけど、江戸川乱歩と横溝正史が考えた演出がずば抜けてすごかった。流石どんでん返しのプロ。
    今回は未読の「一枚の切符」のみ。左右田のヴィジュアル説明は後の明智先生を彷彿させる。推理とは偉そうに言うけれど、空想でしかないというのは、なんだか裏がある気がして仕方ない。その真実さえ実は……?ってことも。

  • 【新着ピックアップ!】2008年に岩波文庫で『江戸川乱歩短篇集』(b/913.6/E24e)が出た時には、「とうとう岩波から乱歩が…」と感慨を覚えました。しかも、鮮烈デビュー作「二銭銅貨」、明智小五郎の初登場作「D坂の殺人事件」など傑作ぞろいの全12篇。ベスト・コレクションでした。
    あれから10年、今度は作品集の刊行です。この第Ⅱ集も“「二銭銅貨」と…構想段階においても執筆段階においてもほぼ同時に進行し”た、もう一つの名作「一枚の切符」や、“三島由紀夫により戯曲化され、美輪明宏によって繰り返し上演されること”になった「黒蜥蜴」などを収録していて見逃せません。

    【Newly arrived!】Ranpo Edogawa is a leading detective novelist. “Edogawa Ranpo Sakuhunshu II” contains his another debut work “Ichimai no Kippu” or the original of long-run play “Kurotokage”. This collection is to read next to “Edogawa Ranpo Tanpenshu” (B/913.6/E24e).

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著者プロフィール

1981年、広島県生まれ。京都産業大学現代社会学部講師。専攻はスポーツ社会学。共著に『〈際〉からの探究』(文眞堂)、『スポーツの「あたりまえ」を疑え!』(晃洋書房)、論文に「エンデュランススポーツの体験に関する一考察」(「スポーツ社会学研究」第21巻第1号)など。

「2020年 『スポーツクラブの社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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