桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫)

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  • 岩波書店
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レビュー : 105
  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003118221

感想・レビュー・書評

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  • ただ怖いだけではなく、美しい情景が浮かんでくる

  • ほぼほぼ初めての坂口安吾。目的は「桜の森の満開の下」。
    これといって文体が好きなわけではないのと、戦争下を扱った作品が多く入ってたのもあってそこまで好きな作家ではないと思ったけど、「夜長姫と耳男」の最後のセリフなんかはグッときたしこれが無頼派か…とちょっと思った。なお、以下引用
    「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノが素晴らしいのもそのためなのよ。らいつも天井に蛇を吊るして、いま私を殺したように立派な仕事をして」
    p401

    なんていうか、表題の作品二つももそうだし「夜長姫と耳男」もそうだけと、谷崎さんに通じる女性観を感じるかな…とおもったなど。


    アンゴウはこれは探偵小説みたいな理解でいいのかな…?一番よくわからなかった。

  • 中学生の息子達が、『文スト』にハマり、太宰治が、坂口安吾が、と話していたので、そういえば母は安吾さんは読んでない、とこちらを手に取りました。
    図書館で借りたのですが、何度か延長しました…。
    サラサラ読み飛ばせない。短編なのに、何、この重さ。疲労。
    夜長姫、こわい。
    いろんな女、ほぼこわい。
    中学生や高校生の頃は、いわゆる文豪と呼ばれる方々の小説も読んでいたのに。大人になってからは、読みやすい現代小説とかばかり読んでいました。すみません、読書をサボっていました。いえ、いっぱい本は読んでたんですけど。
    なんだか恥ずかしい。
    共感できるとか理解できるとか、そんなことは考えもしない世界。
    国語の教科書で、中島敦の『山月記』に出会ったあの時のような、おおおおお、という気持ち。
    中島敦も中原中也も太宰治も、そういえば、読後は疲労した気が…。
    異能などはなくても、文豪さすが、なのですね。

  • 『風博士』
    風博士と蛸博士という人物が頭の中に思い浮かんで、すらすら読める楽しいお話でした。

  • 外を見て自分を切り離すとして
    幸福を描いてる人は耐えられるか.

    野村が女のために火を消す場面が好きです.

  • 様々な「女」をめぐる物語。

    「恋をしに行く」は、純粋ながら人間らしい、この話自体に恋をしてしまうようだった。
    「続戦争と一人の女」は、女の孤独と愛情に共感さえ覚えてしまうほど、胸が苦しく愛を感じた。
    「傲慢な眼」は、不器用さと甘酸っぱさがとても愛くるしい。
    「アンゴウ」は、どんでん返しの結末に、胸が熱くならずにはいられなかった。

    私はこの4つの物語に特に惹かれたが、きっと女性のタイプと同じように、好みは分かれるであろう。

    「女とは?」という問いかけにも似た、多面性を見せる「女」たち。
    皆それぞれ魅力があり、とても引き込まれる短編小説集でした。

  • 理解しようと思ったことが間違いだったのかもしれない。
    何度頭を抱えただろうか。

    とにかく脈絡なく進む物語、何が言いたいのかがわからない、ところどころ矛盾しているのではないかと思う箇所もある、そしてあっという間に読み終わってしまう「風博士」。
    本当に不思議な話だった。
    しかしなぜか読み返したくなり、最初のページに戻ってしまう。
    それを何度も繰り返す。

    風博士を読むと、何事にも理由や答えを求めることが正しいわけではないと思ってしまう。
    そういう価値観にとらわれて読むことがもったいなく感じてくるから不思議だ。

    そんな風博士と同じくらい強烈な印象を残したのは、「青鬼の褌を洗う女」のサチ子だった。
    傍からみると母とサチ子の関係は上手くいっているようにみえるが、その実母はサチ子を自分の所有物扱いしているだけであり、サチ子はそれがわかっているから母を愛してはいないし必要としていない。
    そういう環境だったからかサチ子は自分自身を俯瞰しており、刹那的な考え方をすることが多いように見受けられる。
    読んでいる際に行間からずっと感じていたのは孤独感だった。
    そして同じ孤独を抱えていたのはサチ子が"鬼"と評した久須美であり、孤独を埋めるようにお互いを求めたのではないか、それが二人にとっての愛だったのではないかと思う。
    そこまで考えてタイトルの「青鬼の褌を洗う」を思うと、サチ子の孤独が痛いほど伝わってきた。

    そのほか、全体を通して登場する女性の存在感が際立っていたように思う。
    女体の素子、恋をしに行くの信子、(続を含む)戦争と一人の女の野村の女、桜の森の満開の下の都の女…残酷なようで無垢だとも感じとれる彼女たちに惹きつけられた。

  • 「桜の森の満開の下」を読むために買った。「アンゴウ」が気に入った。

  • 幻想的な作品。無限、孤独。満開の花の狂気。

  • 坂口安吾が1931年に発表した"風博士"から1952年に発表した"夜長姫と耳男"まで代表的な短編14篇を集めた短篇集です。これ1冊で安吾の世界を堪能できる素晴らしい内容です。2015年3月10日に東京大空襲から70年が経過したり、そろそろ桜が咲く時期になったりと、ここに収められている作品に縁の多い時期になったので読みました。個人的に好きな作品は、"桜の森の満開の下"と"夜長姫と耳男"のような幻想文学です。ちょっと血なまぐさいですが、何度読んでも、ここに描かれている妖しい雰囲気に魅了されてしまいます。

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著者プロフィール

1906年、新潟生まれ。評論家、小説家。おもな著作に『風博士』『堕落論』『白痴』など。1955年没。

「2019年 『復員殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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