わが町・青春の逆説 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 67
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003118535

作品紹介・あらすじ

人間はからだを責めて働かな嘘や-不屈の精神で孫娘を育てあげる男の明治から昭和にわたる波瀾の生涯を描いた「わが町」。自意識過剰で不器用な青年の成長の日々を点綴した自伝的小説「青春の逆説」。織田作之助(一九一三‐四七)の代表的長篇二篇。

感想・レビュー・書評

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  • 「青春の逆説」
     「雨」を前に読んでいたので、あれ知ってるこれが多かったし、読み終わって何故か豹一が救われたような感覚になった。豹一にはずっとお君の苦労があって、それが唯一の女性像。激しい恋をしたのは多鶴子だけだったし、落ち着いたところが行きずりみたいな感じだったから、「ええー!」ってなった。
     あと最後の方で自分の性格に少し気づけたところもよかったかな。土門はちょっとなー。

    「わが町」
     「婚期はずれ」と「夫婦善哉」のストーリーとクロスオーバーするところがあって、すごい嬉しい。おたかは側から見ると余計に異常だなあ。。。
     <ベンケットの他あやん>を中心にした3つの時代にまたがる物語。今で言う熱血系の叩き上げ。無茶苦茶なんだけど、でもみんなほっとけない。
     フィリピンのマニラにどこまでも縁があって逆にすごいなあ。辰さんに2円返せるといいね。

  • 青春の逆説
    1人の人間の青春を全部見届けたような気になれる小説だった。

    タイトルの通り、一筋縄ではいかない己の自尊心や逆説的な感情を巧みに愉快に書いてあるのが面白かった。文章も読みやすく気に入った。ただ、物語を第三者の目線で語っていき、全登場人物の心情を逐一述べて行く構成は筆者が多くを語り過ぎている印象があった。

  • わが町は傑作。何度も繰り返し読みたくなる。

  • 不器用ながら規律規範から逆行して生きようとした青年を描いた『青春の逆説』。ほのぼのとした下町の情景を巧みに描きつつ、そこに住まう人々の暖かい交流を描いた『わが町』。

    短編小説を得意とするオダサクには珍しい、中編~長編の小説だ。
    じっさい作者はこの2作品に心血を注いでいたようで、『青春の逆説』が当局から発禁処分をうけた後は道頓堀~心斎橋界隈を放浪していたとかw

    オダサクの作風の一番好きなところは、浪華節を利かした愉快な関西弁。その情緒深い、ユーモアあふれる会話文に、いったいどのくらいの東京人が魅せられたことだろう?関西弁がとってもステキ。
    あと、作者の故郷への愛にほのぼのする。道頓堀・二ツ井戸・心斎橋・・・下町の盛り場の夜店、極彩色の行燈、どて焼き・豆板屋・こんぺいとう・しっぽまであんの入ったたい焼き・・・一文読めば一文に驚く(BY正岡子規)とはこのことだと思った。
    そしてオダサクの作品には、『放浪への哀愁』がしみじみと寂しく感じられる。これがデカダンスなんだな。

  • 岩波文庫 080/I
    資料ID 2013200489

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著者プロフィール

1913年10月、大阪市生まれ。1933年から創作活動を開始し、1938年に小説「雨」を発表。1940年に「俗臭」が第10回芥川賞候補となる。同年に発表した「夫婦善哉」が改造社の第1回文藝推薦作品となり、以降、本格的に作家活動を開始。1946年4月に発表した「世相」が評判を呼び、作品発表の機会が劇的に増えるも、1947年1月、肺結核のため東京にて死去。その直前に評論「可能性の文学」を発表し、作風の転換を図っていた矢先のことだった。太宰治、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれ「オダサク」の愛称で親しまれた。

「2019年 『織田作之助 女性小説セレクション 怖るべき女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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